ベルリンフィルハーモニーで「火の鳥」を
今日は久しぶりに娘とフィルハーモニーのファミリーコンサートへ。演目がキリル・ペトレンコ指揮で、ストラヴィンスキーの「火の鳥」となると“自称ロシア好き”としては行くしかない。
フィルハーモニーの入り口はシートのエリア別に色分けされていた。指定の列に並んでいる間にQRコードを持ったスタッフの誘導で、LucaやCorona-Warnアプリで登録手続きをする。順番が回ってきたら、次は身分証明書と陰性証明かワクチンパスの提示。それでようやく建物内に入ることができる。最終的にチケットを提示し、やはり色分けされたルートに沿って席まで移動する。入り口前から指定席までの動線が、エリア別に色分けされているシステムだ。
かなり徹底したコロナ対策を取っている印象を受けたが、大ホールの中の収容人数と舞台のオーケストラの編成も見て納得した。ほとんど通常通りの運営を行うために、予防策を貼っているのだ。館内はもちろんFFP2マスク着用が義務付けられている。コンサート中も着用したままである。
私はワクチンパスを入手済みだが、11歳の娘はまだなので、フィルハーモニーへ向かう前に、抗原テストセンターに寄ってから会場へ向かう必要があった。フィルハーモニーの入り口付近にもテストブースが設けられていたので、家の近所にテストセンターがない場合でも何とかなりそうだ。
下の写真ではまだ空席が目立つが、入り口で行われるチェック作業に時間が掛かるため、なかなかスムーズに入場できないためだ。それでも、予定より5分過ぎくらいまでにはホールにもほとんどの観客が着席し、楽団員がステージに上がってきた。
コロナ禍の弊害は、これだけの人が集まっている状態に若干の不安を抱いてしまうことだろうか。あいにく、私たちの席は左隣が空席だったため、左側にずれてスペースを確保することができたのはよかった。
ファミリーコンサートなので、演奏の途中であっても、小さな子どもたちの話し声が普通に聞こえてくる。後ろに座っている男の子がかなり大きな声で話すので正直耳障りではあったが、これがファミリーコンサートには付き物なのだ。
子連れの家族が多いため、プログラム自体も小さな子どもたちを飽きさせないための工夫がかなり盛り込まれている。今日は、ライブペインティングの様子がステージ後ろに設置されたモニターに映し出されていた。楽団員も気になるのか、何度も後ろを振り返っていたのが微笑ましかった。
「火の鳥」に扮したバレリーナの踊りもあった。この作品はもともと、ロシア・バレエ団を率いるディアギレフがストラヴィンスキーを抜擢して生まれた。1910年にパリのオペラ座で初演されている。「イワン王子と火の鳥と灰色の狼」、もうひとつは「不死身のコスチェイ老人」というふたつのロシア民話が下敷きになっているそうだ。
指揮者、キリル・ペトレンコさんのユーモアを交えた「火の鳥」のあらすじやクラシック音楽の表現力についてのお話もとても楽しいものだった。楽団員の楽器のデモンストレーションなどもあり、普段とはまた一味違った和気あいあいとした雰囲気が新鮮だった。
彼の指揮でチャイコフスキーやショスタコーヴィッチを聴いてみたいなぁ、なんて思いながらプログラムを見たらすでに完売。チケット入手もタイミングが合わないと、なかなか聴きたい演目に当たらないのだ。
今日はラインハルト・クライスト(Reinhard Kleist)さんのライブペインティングもとても印象的だった。次はファミリーコンサートではなく、フィルハーモニーの音楽にどっぷり浸りに行きたい。
*タイトル画像はフィルハーモニーのパンフレット表紙を撮影したものです。