ドイツ総選挙前のベルリン
今週末の日曜日はポスト・メルケルを決めるドイツの総選挙が控えている。金曜日の今日は世界中で環境デモ"fridays for furture"が行われ、スウェーデンの環境活動家グレータ・トゥンベリもベルリンの議事堂前で演説を行っている。
さて、そんな日のお昼前に久しぶりに友人に会うために、坂道を歩いていると徐行しながら近づいていくる警察の車が目に止まった。その後ろには小さなデモ隊が。自転車を連結させてトラムに見立てたものと、その後に続く子供たち。どこかの学校の生徒なのかもしれない。今日予定されている環境デモに参加する人たちなのだろう。
さらに、北上すると街灯の柱にたくさん選挙のポスターが貼ってあるところがあった。道の向こう側には「緑の党」の事務所が見える。風の強い日で、黒のスプレーが吹き付けられ風でパタパタと舞うポスターがあるではないか。
"極右政党"という表現が増えつつある「ドイツの選択肢」(AfD)のポスターである。ドイツでも、選挙ポスターを破損することは犯罪扱いになる。今回の選挙では「スプレーで落書きをされたり、故意に破かれたりしているポスターが増えている」という報道も見かけた。そして、中でも一番被害にあっているのがAfDのポスターなのだとか。
ドイツでは総選挙前でも、日本のように候補者を乗せた選挙カーが街中を旋回するわけではない。よくあるパターンとしては、公園やスーパーの前や人通りの多い歩道の一角に、政党が小さなスタンドを設けて選挙運動をする、というやり方である。それぞれの地区で支持率の高い党を見かけることが多いので、どの党が道端で選挙運動をしているのか観察してみるのも面白いのではないかと思う。そういうところでも、普段はあまり意識しないその地区の傾向が見えてくるからだ。
ポスターもこんな風に雑にバラバラと設置されている。
16年間続いたメルケル政権も、総選挙後にはその幕を閉じる。今回の総選挙もSPDとCDU/CSUが僅差なので、最後まで結果がどうなるか検討がつかない。後の連立交渉も年を越す可能性もあり、当分は落ち着かない時期が続くだろう。次期政権に期待しつつ、今後の成り行きを見届けたいと思っている。