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ママ、日本に帰るんやったら

そう。我が家の子供たち(9歳、11歳)はなぜかふとした拍子に「ママ、日本にいつかは帰るんやろ?」というようなことを突然言ってくることがある。

今日も夕飯の用意をしていたら、息子とそんな話になった。

「ママ、おばあちゃんになったら日本に帰りたい?何歳で帰んの?そしたらぼくも日本で住むかもしれないな、それか1ヶ月に1回会いに行くとか。まだ全然分かんないけど。」

息子はそんなことを一気に話した。

なぜだ。

今、日本に帰る、という選択をする友人知人の話を彼なりに消化したせいなのかもしれない。

そう言えば、昨日の夕飯の時もこんなことを言っていた。

「ママ、日本に帰りたかったら別に帰ってもいいで。4週間くらいひとりで。もっと長くてもいいし。」

こんなことは今まで言われたことがなかったので、どうしたのだろう、と思い話しを続けたところ、どうやらクラスメートのアメリカに住むおばあちゃんがドイツまで孫の誕生日を祝いにやってくる、ということを耳にしたのがきっかけらしい。

「ママだって日本の家族に会いたいはず。」

アメリカからおばあちゃんがわざわざドイツまで来る、ということを聞いてそんな風に思ったんだろう。私の母はそこまでしてドイツまで来ないのだから、私が行かなければ会えないのだ。それを把握した上でそんな発言になったのだろう。

娘の方はもう少し具体的で、よく出る話は私がおばあちゃんになってドイツの病院に入院した場合どうするか、ということ。

「ママ、ドイツの病院のご飯はまずいから、私がおにぎり作って持って行くな。おにぎりやったら歯が悪くても食べられるやろ。」

え、なんか具体的すぎる。ただ、娘がその時にそんなに都合よくベルリンにいるとはあまり思えないのだ。

それにしても、だ。子供たちがそんなことを言う、ということは最近の私がドイツであまり楽しそうに生活していないのかもな、なんて少し考えてしまった。現実問題、おばあちゃんになってから日本に本帰国する、という方がハードルが高い気がしちゃうんだよなぁ。

そして、来月に自分の誕生日を迎える私はこれまた複雑な気分になってしまった。本当に一日一日を大切に過ごさないとあっという間におばあちゃんになっちゃうよね、って。

もうひとつ気になった息子の質問がある。

「ママって結婚してなかったら他の人と一緒にいた?」

おーい。正直に答えるしかないのでこう答えた。

「わからんなー。でも、他の人と一緒にいたとしたら〇〇くんもお姉ちゃんも生まれてなかったで。ちょっとしたことで運命は変わるからなぁ。」

「えー、生まれてなかったら何もないやん!何もわからないし。え、え、」

と本気で動揺しているので、今ここにいるんだから何の心配があるの?と言っておいた。子供って本当に面白い。




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ベルリンのまりこさん
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