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今と昔

Suedeを知ったのは90年代の日本。おそらく雑誌か何かで紹介されていたか、タワレコかどこかで試聴して知ったのだと思う。細かいことはよく覚えていない。なんだかすごいバンドが出てきたな、という印象だった。

1995年にベルリンにふらっと来て、その頃よく買って読んでいたtipだかZittyというタウン情報誌的な雑誌でSuedeのコンサートがベルリンであることを知ったのか、街角のポスターで見かけたのか。こちらも細かいことはよく覚えていない。

とにかく、1995年だったか1996年にベルリンで彼らのライブに行って、余りのかっこよさに倒れそうになったことだけは記憶している。ライブハウスはそれほど混んでいなくて、それこそステージ間近でブレットのパフォーマンスに度肝を抜かれたのである。ロンドンはベルリンに近いもんな、ライブも頻繁にあるはずだ。ヨーロッパにいるんだなぁ、としみじみ思ったかどうかはもうわからない。

それからずいぶんと時が経ったし、なんなら2022年にベルリンであった25周年ライブは行こうかどうかと悩んだ末、結局行かず仕舞いだった。なぜここで行かなかったのか全くもって謎である。

2022年のベルリンライブを見逃しているのに、もうすぐ2023年が終わるというタイミングで、これまたロンドンではなくポーツマスでSuedeのコンサートを体験することになるとは夢にも思っていなかった。2022年のロンドン公演がキャンセルになり、一度は諦めたものの、再チャレンジしようとサイトを見たらロンドン公演がすでに完売していたのが一因だ。そこで諦めず(何度も言うがベルリンのライブは敢えて見逃している)ロンドンから列車で2時間以内で行けるところ、かつ完売してない公演がポーツマスだった。

ポーツマスってどこにあるんだ。「ポーツマス条約」しか知らないではないか。

SuedeのUKでのライブがきっかけで、初めて欧州に来た際に降り立ったヒースロー空港、ではなくガトウィック空港に降り立ち、久しぶりにロンドンに行くことになった。行くことになった、というか一泊した。憧れだった街は再訪してもやはり素敵なところで、もっと時間を掛けて訪れてみたくなったし、ポーツマスも予想以上に快適な港町でとてもいい旅になった。ベルリンとロンドンはこれだけ近い場所にあるというのに、なぜこれまで足が遠のいていたのだろうかとロンドンの激混みの地下鉄で何度も首を傾げた。

一周して原点に戻る。

今回の旅は、まさにそんな旅になったように思う。一周ついでに、是非またベルリンでSuedeのライブを体験してみたいものである。今年は東京でのBUCK-TICKのコンサートもそうだが、いいライブに2度も行けて本当に運が良かった。来年もフットワークを軽くして、こんな風にふらっとどこかへ行ってみよう。

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