『考える技術・書く技術』を読んでみた

お久しぶりです。ざきさんです。
最近10日ほどアメリカに旅行していました。
人生初でしたが、やっぱり広いですねアメリカは!(小並感)
入社を控えて課題図書の進捗が危ういので急いで読んでいます。今回はビジネスライティングの古典ともいうべき『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント/山崎康司訳)をご紹介します。


読もうと思ったきっかけ

内定先の課題図書に指定されていたこともありますが、以前から知人にお勧めされていたのでちょうどよい機会だと思い手に取りました。

本書のポイント

①考えをピラミッド型構造に落とし込むことで理解しやすくなる
②ピラミッド構造の縦の関係は因果関係を表しており、横の関係は要素を表している
③読み手目線で論理構造を組み立てることは自分の主張の欠陥を発見し事前に修正することの助けにもなる

①考えをピラミッド型構造に落とし込むことで理解しやすくなる
まず、ピラミッド型構造とはメッセージを頂点とした下図のような論理構造のことです。上にいくほど抽象度が上がるともいえます。

私たちはあるテキスト(文章)の内容を理解しようとするとき、「振り分け」や「グルーピング」、「意味づけ」などを行いながら無意識のうちにこのようなピラミッド構造を構築しています。
まず行われるのが「振り分け」です。ある単語や文章を受け取ったときには、「これは○○に関する話だな」と見当をつけてます。これが振り分けです。または、いくつかの情報が与えられた際には同じかたまりをつくろうとします。これが「グルーピング」です。
続いて、振り分けやグルーピングを行ったものがそれぞれどのように関連しているのかといった「意味づけ」がなされます。

上記のようなことを繰り返していくと頭の中にピラミッド型構造ができあがっています。私たちは基本的にこのピラミッド型構造で物事を理解しているのです。つまり、文章を作成する際にピラミッド型の構造を意識して書くことで相手に伝わりやすいものが書けるようになるのです。

②ピラミッド構造の縦の関係は因果関係を表しており、横の関係は要素を表している
ピラミッド型構造を組み立てる際は、縦の関係と横の関係がそれぞれ何を表しているのかを理解しておくことは重要です。
まず、縦の関係は因果関係を表しています。上から下では「Why so?(なぜそうなのか)」といった理由づけが、下から上では「So what?(だから何なのか?)」といった要約がそれぞれなされています。
次に、横の関係は上から下の関係「Why so?」の要素が列挙されています。それぞれの要素は漏れもダブりもないMECEであることも重要です。

③読み手目線で論理構造を組み立てることは自分の主張の欠陥を発見し事前に修正することの助けにもなる
ピラミッド型構造を意識して文章を書くと読み手にとってわかりやすいものが書けるようになることは説明しました。
しかし、効用はそれだけではありません。実は、ピラミッド型構造に当てはめて書いていく過程で、自分の主張の論理的におかしい部分に気づくことができたり、主張の漏れを発見することができるのです。
つまり、文章を作成する前にピラミッド型構造に当てはめて考えることで、自分の主張をより強固にすることができるのです。


感想・まとめ

本書は様々な論理のパターンが網羅的に紹介されているためテキストとしてはとても良い教材であると感じました。ただ、実際に活用するとしたときはパターンに当てはめていくというよりかは本書の基本を押さえつつ自分なりに応用していくことが求められると思います。
そのため、パターンを一つずつ暗記していくのではなく、本書の抽象的なメッセージを読み取ることが何よりも大切であると思います。

また、ピラミッド構造はビジネスシーンだけでなく、日常生活にも応用可能だと思います。例えば、、お笑い芸人の方などの話の構成を書き出してみて相手を惹きつけるための話し方を学んだりしても面白いと思います。

最後に、本書の最後に書かれている筆者の親戚の言葉を引用して終わりたいと思います。

書き手とは、大隊を率いて一度に1人しか通れないような狭いすき間を縦列行進させる司令官のようなものだ。一方、読み手は出口で軍隊を受け取り、その隊列を再び整えねばならない。題材がどんなに大きかろうが、またどのように扱われていようが、そのコミュニケーションの方法はこれひとつである。順序や配列に関して、書き手が読み手にどんな義務を負っているのかがわかるだろう。言葉遣いの巧みさ等はさておき、昔の雄弁家は順序や配列の大切さを大変強調している。それは、光栄にも我々書き手にわざわざ関心を傾けてくださる読み手の方々に対する義務だからである。

書き手の責任を理解し、読み手を意識したわかりやすいライティングを心がけていきましょう!

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