「障害」という言葉の2つの英訳とそれぞれの見方の違い
はじめに
こんにちはAizackです。本日は、最近読んだ本・記事・動画講義の中から学んだことを書いていこうと思います。それぞれ最後に参考文献として記載しますので、興味が出た方は手に取るなり講義を聞くなり行動に移してみてください。
今回のテーマはタイトルの通り、「障害」についての英訳が2種類あること、そしてそれぞれの意味が全く異なっていることを説明します。一般に日本語で「障害」と表す場合は、当人の心身の機能不全・不足等を指すことが多いかと思います。しかし、英語での表現においてはそれ以外にも表し方があるということを知っていただきたいと考えました。
2つの訳語について
「(心身機能の)障害」を表す英単語は、Impairment / Disabilityという2種類存在します。私は学生時代に「障害」=Disabilityとおぼえた記憶があります。しかし、近年ではそのニュアンスが変化しているようです。その変化やそれぞれの単語に含まれる意味や見方について以下で説明をします。
Impairment(インペアメント)
この言葉を聞いたことのある方は少ないと思います。私は本や講義を通じて初めてこの単語を知りました。この単語は「(当人が抱える心身機能の)障害」というニュアンスを持っており、当人の特性を示す言葉です。つまり、足を怪我していて自立歩行が困難というような当人が抱える心身機能の問題点を指します。
一般に日本語で「障害」という場合は、Impairmentに近いニュアンスであることが多い気がします。
Disability(ディスアビリティ)
一方、Disabilityは元々「(心身機能の)障害」というニュアンスを含んだ言葉でした。事実、外資系企業の障害者雇用のjob titleは「People with Disability」と表現されることも多いです。しかし、Disabilityのニュアンス自体がImpairmentとともに変化しているようです。
私が本や講義で学んだ限り、Disabilityのニュアンスは上記から変化しています。障害学の観点で言えば、現在のDisabilityは「Impairmentを持つ人の身体状況と社会との間の齟齬(ギャップ)」と訳されます。つまり、DisabilityはImparimentを持つ人を受け入れることができない社会の側の障害となります。
おわりに
多様性が重要視することが叫ばれる世の中になって久しいですが、自身が障害者になってみるとDisabilityの多さに辟易としました。多数派として受け取ってきた特権を失うことがこれほど辛いとは思いませんでした。
一方で、Impairment / Disabilityというそれぞれの単語を知ることで「障害者である事自体が悪いのではない」というある種の自尊心(もしくは自己肯定感?)を取り戻せました。
世の中からDisabilityをなくすことは簡単ではないでしょう。しかしながら、Impairmentを持つ人間として感じた問題点を改善していくことが世の中を良くすることに繋がると思えました。何十年後かにはDisabilityが少なくなって生きやすい世の中になることを願い、行動していきたい、そういう宣言で本日の記事を終わります。
参考文献リスト
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