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2024年3月15日

 午前中に取材。すぐ終わるだろうとたかを括って車で出かけたら3時間半かかった。小伝馬町の適当なパーキングに停めていたので、清算の際に目玉が飛び出した。左目はそのままどこかへ行ってしまったので、今わたしはこの文章を片目で書いている。

 取材を終えて、借りていた機材を返却しに行き、中野のインド料理店でビリヤニを食べた。取材の中でビリヤニみたいなものを食べている写真を見せられて、それがとてもうまそうに見えたからだ。
当然路駐した。

 午後いちで仕上げて送らなければいけないデザインの修正があったことを思い出して、急いで帰った。幸い駐禁は切られていなかった。オフィスに誰か来ているかなと思ったが誰もおらず、コーヒーを淹れてから作業に取り掛かった。
デザインを仕上げて送ったところで別件のリモートミーティングの時間になったので、そのままミーティングに参加し、終了後手書きで簡単なラフを起こして、本格的な作業は明日にまわした。

 今日は花を贈った人の誕生日で、無事に受け取ってもらえたか一日中気になっていたのだが、ちょうどそのあたりで花屋から相手が不在だった旨の連絡がメールで入り、ちょっと笑った。
しばらくどうしたものか考えていたが、どうしようもないので諦めて、読まれる宛のないメッセージを彼女に送った。読まれないだろうとわかっているのに、送ってしまうと、読んでくれるじゃないかという淡い期待が芽生え、仕舞いにはワンチャン会えるんじゃね?的に期待が膨らみ、いたたまれなくなって外出した。

 駐車場に向かって歩いていると、前方の脇道から見覚えのある人影が現れて、そのままわたしの前を歩き出した。
どこからどうみてもライターの須藤さんだったので声をかけて呼び止めた。
須藤さんはサミットに行くと言うので、須藤さんをサミットまで乗せた。
須藤さんはロン毛でメガネで髭で、オフィスと駐車場のちょうど中間あたりに住んでいるので、あり得ないタイミングでよく会う。
 須藤さんをサミットの前で下ろし、銀行で所用を済ませ、小腹が減ったので高井戸のマクドナルドに向かった。
駐車場に車を停めて店舗に入ろうとするとドアに張り紙がしてあり、システム障害のために臨時休業とあった。
駐車代金200円を無駄に支払って車を出し、すぐ近くのデニーズに行ってクラブハウスサンドとフライドポテトをやけ食いした。

 オフィスに戻ってまた別の修正作業をしているうちにいつのまにか0時を回っていた。
 彼女の新しい一年に幸多からんことを祈りながら、そろそろ片目だけで過ごすことが苦痛になってきたので、なくした左目を探すために、再び駐車場まで歩いて行き、車に乗って小伝馬町のパーキングを目指す。
この夜のどこかで誰かが彼女と、彼女の誕生日を祝っているのかもしれないと考えながら車を走らせる。
 わたしは今片目なので、いつも以上に慎重に運転をしていて、わたしの後ろには軽く渋滞が起きている。深夜なのでトラックが多く、トラックの隙間に時々タクシーが混ざっている。わたしがブレーキを踏む。すると後続車も皆ブレーキを踏む。その断続的なイルミネーションを率いて、彼女に会いにいけたらと少し思う。

杉並のオフィス

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