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さようなら、マクゴナガル先生!~英国の至宝 デイム・マギー・スミスを悼む~

先日、イギリスの国民的女優マギー・スミスさんが亡くなりました。

ハリー・ポッターの原作ファンの私がマギー・スミスさん演じるマクゴナガル先生を見たときに
「これはもうマクゴナガル先生すぎる…!!!」と驚いたことを今でも覚えています。
「厳格な中にも愛情深さと隠しきれない人間味」というのが
私の中のマクゴナガル先生だったのですが、ぴったりすぎて天を仰いだ日のことが懐かしいです(笑)

さて、そのマギー・スミスさんですが、
『天使にラブソングを…』の修道院長役としても有名ですよね。

全米で6か月を超えるロングランを記録した大ヒット作としても有名な作品ですが、
この映画の中で私が大好きなシーンがあります。

それは、シスターたちが主人公のシスタークラリスを探しに
ネオンギラギラのカジノに押し寄せたときに(かなり場違い。笑)
修道院長が至って真面目な顔で

「なるべく目立たないように」

とシスターたちに司令を出す瞬間です。

すでにあまりにも目立っているのに、
真剣な表情で厳格にあのセリフをいうので
あの絶妙な間合いも含めてあまりにもおかしくて
何度見てもあのシーンで笑ってしまうのです(笑)

場違いなのに、あまりにも自然だからおかしいのだと思うのですが、
これこそ彼女の真骨頂なのだと思います。
(役への深い理解があるからこその自然さなのだと思うのですが)

そうした演技力もさることながら、
最も驚くべきは第一線を走り続けた70年間のキャリアそのものです。
舞台と映画界で、アカデミー賞、エミー賞、トニー賞の演技の3冠を達成した数少ない俳優の一人ですが、
受賞歴もさることながら、入れ替わりの激しいこの業界において
この年月を世界を股にかけて活躍するということは
それそのものが、とんでもない偉業だと思います。

そんな彼女の大切にしてきたことは
演技について「常に学び続けること」だったと言います。

こんなにもスペシャルな大女優でさえも、演技を探求し続けているのです。

そこまでの成果をあげていない私達から探究心を奪ったら、一体何が残るでしょうか。

これを「どこかで聞いたことがある話だ」と流すのは簡単ですが、
私達自身が「これがどれほどとんでもないことか」を認識できたときに、
一つステージが上がるのだと思います。

一流からは学ぶことが多いですね。

ハリー・ポッター原作者のJKローリングさんが
「なぜか彼女は永遠に生き続けると思っていた。」
と追悼文を載せていましたが、
いつでも自然にそこにいる、厳格な中にも愛情深さがある確かな存在、
そんな彼女の魅力を一言で表現してくださっていると感じました。

彼女の映画を見て追悼しつつ、癒やされつつ、
自分の領域における”探究心”にあらためて火をつけてやろうと思います。

デイム マギー・スミス、安らかに。

人事コンサルタント
金森秀晃

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