サステナブルな病院経営の鍵は「◎◎◎◎」にあった!?
・将来性がないのに目先の利益で患者をとってしまう
・不採算なのにダラダラ続けて職員を疲弊させてしまう
・利益を生まない資産(検査機器など)を放置してしまう
これらは最近病院でもよく伺うお悩みですが
皆さんの病院ではいかがでしょうか。
これらはすべて「経営判断」や「経営戦略」の領域かと思いますが、
どんなに事務長や他職種から「これはまずいのでは」と声があがっていても
現場の医師や院長の判断軸が「経営寄り」ではなく
「診療寄り」になってしまうと、「患者のために」が
先立ってしまい冒頭のような状態に陥ってしまうことが多い印象です。
また、人とのご縁を大切になさる人のいい先生も
それが晩年しがらみのようになってしまい、
契約や事業そのものを切るに切れないような状態になり
不採算なのに放置されてしまうということも見受けられます。
経験上、こうした問題の解決の鍵は
「経営方針の明文化」
です。
何を当たり前のことをと思う方も多いかもしれませんが、
病院では案外そこが明確になっていないことも多いのです。
実際「うちは経営方針を決めているよ」とおっしゃる病院の中でも、
「基本方針」は定めているものの、それらがすべて
「診療に関する基本的な方針」だったというケースもありました。
一般の事業会社では経営計画書や事業計画書のようなものがあり、
その中に経営方針として、
・新規事業・設備投資による方針
・採用に関する方針
・職員に関する方針
・環境整備に関する方針
などが定められていることが多いと思います。
(明文化されていなくても、経営者の方々が
はっきり持っていることが多いと思います。)
なぜなら指針をもっていないと判断を誤って会社が簡単に潰れるからです。
病院は今まで診療に関する方針だけもって、眼の前の患者をとっていれば
赤字になることはあっても、経営破綻をすることはあまりなかったのですが
今後はそうもいかなくなってきました。
診療報酬はマイナス改定になる可能性もあり、
医師の働き方改革等もあいまって人材確保の難しさも増しているからです。
国のサポートもあまり期待できないでしょう。
医師として最高の判断力を有する先生でも
経営における判断力が最高とは限りません。
(良い悪いではなく、経営のプロということではないからです)
だからこそ、これからは運営会議などにおいて
決裁者一人の主観によって決まっていく仕組みではなく
指針に基づいて課題を検討していく仕組みを整えていくことが
診療に加えて経営もなさる先生方を支えることにもなりますし、
病院経営の生命線を作ることにもなるのではないでしょうか。
(これがいわゆる、ガバナンスというものですね)
「ブランドとは約束である」ともいわれますが、
地域に対して、患者に対して、職員に対して病院は何を約束するか。
これが経営指針のもとになる考え方になると思います。
診療だけを追求して、職員との約束を蔑ろにしてもいけないし、
職員の顔色を伺って、患者への約束を果たせなくてもいけません。
いつもその約束がきれいに果たせるわけではないと思いますが、
約束を果たそうと試行錯誤する姿勢が信頼となり、
ブランドになっていくのではないでしょうか。
そうはいっても
「自分たちはそうしたいけど、そうもいかない」
という事情を抱えている方々も多いと思いますので、
お困りの場合はぜひ弊社にお気軽にご相談ください。
人事コンサルタント
金森秀晃
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