私家版 ロックかるた 「し」
どうしても欲しくて、でも売っていない。だから、自分で作ってしまった「私家版 ロックかるた ブリティッシュ・ロック編」。
世界にたった1セット。
ローリングストーン誌が選ぶ「史上最高のドラマー」で2位。とにかく滅茶苦茶に叩きまくって、バンドをリードしてしまう型破りなドラマーがザ・フーのキース・ムーンです。
このキースの逸話で、特に語り草となっているのが1967年のテレビ番組「スマザーズ・ブラザーズ・ショー」出演時のパフォーマンス。
キースはバスドラムに大量の火薬を仕込み、演奏後に大爆発させました。
ピート・タウンゼントはその爆風で一時的に耳が聞こえなくなり、ロジャー・ダルトリーは鼓膜破損。
キース自身は脳震盪で失神します。
不適切にもほどがある放送事故です。
しかしこれでザ・フーの人気も大爆発。
この破天荒のドラマー、キース・ムーンがザ・フーに参加したのも、彼がバンドのライブにいきなり乱入してドラムを叩いたことがきっかけです。飛び入りなのです。それでメンバーに加えてしまうメンバーもメンバーですね。
自分のドラムもライブでぶっ壊してしまう破壊王。宿泊ホテルの部屋もいちいち壊してしまうので、出入り禁止は数知れず。しかし、このドラム破壊のきっかけがピート・タウンゼントのギターぶっ壊しパフォーマンスというから、類友ですね。ギターを壊すのを見ていたら、モヤモヤしてきてドラマをぶち壊す衝動を抑えられなくなったそうです。
ピート・タウンゼントのギター破壊パフォーマンスは、天井の低いステージでの演奏中、ギターが天井にぶつかって壊れてしまったのがきっかけだったとか。期せずして観客にうけたので、調子に乗って続けたとのこと。
同じくギター破壊を持ちネタにするジミヘンと共演したときは、どちらが先にステージに出るか、つまり、どちらが先にギター破壊パフォーマンスをするか、本気でもめたようです。決着はコイン・トスでピート・タウンゼントの勝ち。
先にステージに出たピート・タウンゼントが無事にギター破壊パフォーマンスを披露。
後から同じことをするのはモノマネみたいで格好がつかないと、ジミヘンはギターに火をつけてしまいます。
どちらも、やめてほしいんですけど。
こうした過激なステージパフォーマンスは、後のセックス・ピストルズなど特にパンクの連中に大きな影響を与えました。
さて、キース・ムーンですが、1978年9月、薬物の過剰摂取で亡くなりました。享年32歳。
アルコール依存症の離脱症状を抑えるヘミネブリンのオーバードーズとのことです。たくさん飲めば早く治ると誤解していたかもしれないとか。残念。
(つづく)