【詩】わんこそば
わんこそばを楽しめるのは
本当にやめたくなったらやめられるからだ
給仕が隙を突いて蕎麦を入れることはあっても
給仕が客の口をこじ開けて蕎麦を流し込むことはない
隙を突いて入れられた蕎麦に苦笑することはあっても
満腹に無理やり蕎麦を流し込まれて嘔吐することはない
本当にやめたくなったらやめられる
だから思う存分、蕎麦を食べられる
本当にやめたくなったらやめられる
だから自分の限界に挑戦できる
本当にやめたくなったらやめられる
だから安心して楽しめる
さて、生きることはどうだ?
もうじゅうぶん、もうたくさんだと宣言しても
この国では
椀に蓋をすることが許されない
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