【詩】花びらが汚れても
どんなことがあっても絶望してはならない
というのは真っ赤な嘘で
人生には、正しく絶望すべきときがある
かなしみを、学びや成長の道具としてでなく
ただ、そのままのかなしみとして
かなしむべきときがある
心の底から死にたいと
一度も願ったことがないならば
世界や人生の真の姿を知ることは難しいだろう
でも
君には、絶望を知らずにいてほしい
君には、かなしみが降らないでほしい
君には、死にたさと無縁でいてほしい
君に見える世界が
ぼくの見ている世界とまったく違って
ぼくの孤独がいっそう深まろうとも
君の世界に絶望やかなしみが降る必要はない
アスファルトに散った
泥水まみれの花びらさえも
君の目には愛おしく、美しく映るように
それが世界と人生の、真の姿であるように
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