熱さとは?好きとは? 「ブルーピリオド」
何でも器用にこなせるが、何にも本気になれない、熱中できない矢口八虎。彼は自分の本当の気持ちではなく周囲の評価を軸に生きることで、なんとなく味気ない日々を送っていた。ある日美術室で見た絵に心を動かされ、彼の人生は大きく変化していく…。
噂には聞いていたが、本当に熱い。
そして、自分が何を好きか判断することが苦手で、心の声を聴くのが下手で、「純粋に楽しめることって何なのだろう?」といつも思っていた僕にとって、熱くなれる時ってどういう時なのか、自分の好きはどうやって見つけるのかを気づかせてくれる内容だった。
① 自分の内面をさらけ出して本気でやったものが認められて、喜びを感じるとき
美術室で目にした絵と、美術の先生からの「一般論ではなく『青野君の』意見が聞きたい。」という言葉で、自分が本当にいいと思う朝の渋谷を絵に描いた八虎。
その絵が皆から褒められ、思わず涙がこぼれる。
本気でやって認められて、そこに喜びを感じることは、「好き」なんだと思う。
② 一般的にいいとされる道を外れる怖さがありつつ、それでも…!と思えるとき
家庭にもお金がない中、お金のかからない国公立の美大:東京芸大を目指そうか迷う。
僕は全く知らなかったけれど、東京芸大の絵画科の現役合格者は5人程度、高校生が受かる倍率は実質60倍で日本一高い。一説には、東大よりも難しい学校といわれているらしい。
しかも、それだけの関門をくぐり抜けて入学したとしても、その後食べていけるかはわからない。
今まで絵を描いたこともない自分が…。
そんなことを考えていた八虎は、美術の先生の「頑張れない子は好きなことがない子でしたよ。好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?」との言葉に腹を決める。
一般論、周囲の言葉は僕らの選択に大きな影響を与えてくる。
それでも。それでも…!
と思えるなら、それが熱くなれるものなのかも。
③ 悔しいと思える時
美大に入る予備校に通い始めた八虎。生徒の一人に圧倒的な力の差を見せつけられて悔しがっていた矢虎に、友人:龍二が声をかける。
「人は神と自分を比べることができない。悔しいと思うならまだ戦えるね。」
自分が負けて悔しいと思えるもの、これに関しては負けたくないと思えるもの。それこそが熱くなれるもの、戦えるものなのだ。
熱くなれるもの、見つかりそうです。