見出し画像

子どもの虐待防止を考えるシンポジウム@熊本

今回表題の研修に行きました。
メモの内容をChatGPTでまとめたものを公開します。

県内の状況

児童相談所への通告件数はこの10年間で4.6倍に増え、2700件を超えています。全国でも子どもたちの生命が奪われる重大事件が発生しており、社会的な関心の高まりから児童相談所への連絡が増加しています。関係機関の連携ミスによる事件を防ぐため、警察や医療機関と協力し、虐待防止に取り組んでいます。このため、相談件数の増加はむしろ社会の関心が深まった証拠ともいえるでしょう。

登壇者の紹介

重永侑紀氏

  • 1997年にCAPの資格を取得し、1999年に「にじいろCAP」を立ち上げ。福岡、佐賀、熊本を中心に活動。

  • 年間900回のワークショップを実施。

  • 虐待予防のために、子どもたちや市民に自分たちが力を持っていることを共有。

子どもへの虐待防止と権利意識の教育

  • CAP(Child Assault Prevention)活動:市内小学校の4年生すべてのクラスで、子どもたちにSOSの出し方を教える授業を行っています。また、市内の先生たちの研修も隔年で実施し、子どもたちの話を受け止めるためのトレーニングを行っています。

  • 予防教育の基本方針

    • おどかさない

    • こわがらせない

    • 禁止型で教えない

  • 権利意識の教育:子どもたちには「してもいいこと=権利」という観点で教えます。自分の意見を表現し、それを守ることが大切であることを伝えています。

  • SOSを出す力の育成:市立中学校および高校2年生を対象に、SOSを出す方法についての授業を実施しています。子どもたちが困ったときにどこに助けを求めるべきかを具体的に教え、安心して相談できる環境を整えています。


子どものWell-beingと権利

  • Well-being:身体的、精神的、社会的つながりを含む状態であり、子どもたちが主観的に幸福を感じることを重要視しています。この感覚は子どもの発達段階で培われるものであり、特に小学校3年生までの時期は主観的な感覚が強く影響します。

  • 権利と市民権の違い

    • 権利:人が人として生きるために必要なもの。義務や責任は含まれない。

    • 市民権:より豊かに暮らすために、対価(義務・責任・資格)を伴って得るもの。

  • 人間関係と感情の共有:子どもたちのWell-beingの向上には、感情を安全に共有できる環境が重要です。特に、「痛い」「怖い」「恥ずかしい」「寂しい」「羨ましい」といった感情を否定されることなく、そのまま受け止めてもらえることが大切です。

家庭内暴力と虐待について

  • 家庭内暴力(DV)は配偶者間の暴力、支配関係を指し、必ずしも親子間に限られません。DVや虐待についての相談があった場合、年齢を聞くことが重要で、子どもの状況を理解することで適切な支援を行うことが求められます。

  • 虐待の予防:虐待は「子どものため」と信じて行われることが多くあります。しかし、目的と手段を区別し、子どもが安全で安心して暮らせるような環境づくりが必要です。

  • 子育ての技術の現代的な課題:現在、多くの家庭で祖父母などの世代からの子育ての知恵が失われつつあり、経済的なプレッシャーが子育てにおける不安を助長しています。そのため、地域や行政の支援がより重要になっています。

問題意識の共有

  • 虐待防止には市民全体の理解と関心が不可欠です。親や支援者が、子どもの言葉を尊重し、安全に話を聞いてもらえる場所を提供することが大切です。

  • 叱る依存が止まらない(村中直人著):虐待の問題に対する理解を深めるためのおすすめ書籍です。

  • 予防教育の普及:予防教育は「知っていること」が目標ではなく、「当たり前に行動できること」を目指すべきです。地域全体で「暴力を許容しない文化」を築き、誰もが気軽に子どもたちを支援できる社会を目指します。

人権と社会的な支援

  • 人権とは:人が人として生きていくのに必要なものであり、義務や責任を伴わないものです。すべての人が「嫌なことには嫌と言ってもいい」という権利を持っています。

  • 権利と市民権の理解

    • 権利:してもよいこと、人が生きていくために必要なものです。義務や責任を伴わず、嫌なことには「いや」と言う権利を持っています。

    • 市民権:より豊かな生活を送るために、対価(義務・責任・資格)を持って得る権利です。例えば、社会の中で特定の利益を享受するには、一定の義務を果たす必要があります。

  • 子どもの権利条約:子どもの権利条約が定める権利は、基本的に「人権」を意味し、子どもたちが安心して相談できる環境を提供することが必要です。「ここに行けば安全に話を聞いてもらえる」という場所が増えることが、虐待防止のための大切なステップです。子どもたちに「自分は劣っているわけではなく、ただ知らなかっただけ」という認識を持たせることが重要です。

  • 子どもに伝えるべきこと

    • 「~してもいい?」と子どもが尋ねたときには、「それはあなたの権利だよ」と伝え、子ども自身の権利意識を育てることが大切です。

  • 相談の受け止め方:子どもがSOSを発しても、親がそれを止めたり必要ないと言ったりすることがあります。このような場合、親自身のケアも必要であり、相談者と信頼関係を築くために、親の困りごとに耳を傾けることが大切です。また、地域全体でその支援体制を整えることが必要です。

質疑応答

子どもの虐待防止について

  • 189への通報:子どもが虐待を受けているかどうか判断することは難しい場合がありますが、気になることがあれば児童相談所への通報(189)を検討することが求められます。相手に暴力を振るったり言ったりしている子どもには、「家でもそんなことを言われているの?そんなことをされているの?」と確認することが有効です。特に、距離感がなく過度に密着している様子が見られる場合は、ネグレクトの可能性を疑う必要があります。

  • 189に通報した場合の対応

    • 在宅支援

    • 児童相談所の介入

    • ショートステイの利用

    • 里親制度の活用

  • 子どもに寄り添うための重要な感情の受け止め:0歳から9歳の子どもは主観的な感覚が強く、特に「痛い」「怖い」「恥ずかしい」「寂しい」「羨ましい」といった感情をそのまま受け止めることが重要です。隣の人がどうかという比較ではなく、その子どもの感じていることを事実として受け止める姿勢が大切です。

親が子どものSOSを拒絶する場合の対応

  • 親御さんへのケアの重要性:子どもがSOSを出しても親が「そんなことはない」と拒絶することがあります。このような場合、親御さんのケアも重要です。具体的には、親自身の困りごとを聞くことや、「プロでも難しいことを家でどう対応しているのか?」といった質問を通じて支援を行います。

  • 相手に合わせた対応:親との対話では、相手の雰囲気に合わせて柔軟に話を進め、創意工夫をしながら進めていくことが必要です。もし誤解が生じた場合は謝罪しつつ、支援の段階を明確にして取り組む姿勢が求められます。支援のプロセスでは、小さなステップを踏むことが大切であり、対応や促しは慎重に行います。

最後に

犬は何か?とみんなに聞いた時全く同じ犬を想像する事が無いように、権利とは何か?と聞かれたときにみんながみんな同じものを想像することは、まだ難しい状態だと思う。
学校で、権利について体系的に、定期的に学ぶ機会があれば可能なのだろうか?それよりもやはり日常生活で権利がどの様に意識されているかなのかなと個人的に思った。それも急に変わるものではないと思うので、やはり少しずつそういった意識の人を増やしていくしかないのかなと感じる。
周りの人と話した中には、例えば勉強をしたくない、やらなきゃいけないけどやりたくない、というのは権利であろうが、そういう気持ちなんだね。と認めた後どの様に返せばいいのだろうか…と話が出ていた。
結局それをしないことでどうなるのか、どうなってしまうのか、自分はどうなりたいのか。というやりとりをまずは自分自身も自然とできるようになりたい。


いいなと思ったら応援しよう!