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ゆうやけに こうべをたれる はるもみじ 室井弘明 「なんだ、お前、やればできるべや」 「…
二〇六二年の冬のはじめ、三十一歳の誕生日を迎えた。 かといって祝い事をするでもなく、…
初冬の朝の薄明りのなかで、女がしりもちをついていた。 高価そうなカメラを右手に持って…
「西野谷誠一君の起業を祝しまして!」 乾杯! とジョッキを突き合せた。 「いやあ、奢…
――木戸ちゃん、大変だったね ――警察もそこまでする必要ないのに ――本当だよ ムロア…
日一日と寒さが厳しくなる。 それに、遅い日の出に早すぎる日の入り。 この時期は疲…
案の定、具合の悪い日が続いている。 今年の年末年始も、休みは大晦日と三が日だけだ。 まあ、四日も休めるだけありがたい話ではある。 なにせ上司は元旦しか休みがない。 まあ、あいつのことは大して好きじゃないからいいのだけど。 そんなことを、隣人とテキストでやり取りしていた。 ――てなわけでさ、しばらくはあんまり夜遅くまで通信できないかもしれない ――もうすぐ0時だけど大丈夫? ――大丈夫だよ ――むしろ、少しはコンピュータやらないと仕事と寝ることぐらいし
神社は参拝客で賑わっている。 そこかしこから、白い吐息や出店からでる排煙やらがもうも…