赤ちゃんは歓喜して泣く
私が10年以上も前、自分がボロ雑巾のようだと思っていた頃に見た
『白昼夢』について書きたいと思うんだけど、これは私の思い出が断片的に切り取られ張り合わせられたものなので、上手く説明できるか自信がない。
だけど、私はあの白昼夢により、自分の命の重みを、自分の人生と言うものを、少しばかり意識することができた、大事な大事な出来事の一つだった。
あの頃の私、週に一度は命を断とうとしていたのではないだろうか。
でも初めて命を断とうと考えたのは、小学2年生の頃。
だからそれからずーっと、嫌なことがあれば、この世界を去りたいと思っていた私。
(今はめちゃくちゃ強靭な精神に仕上がっているのでご心配なく)
自分の命の大切さ、自分の人生の大切さ、なんて感じたことがなかった。
早く早く、この世界から去りたかった。楽になりたかった。
ずっと苦しかった。
その白昼夢を見た時期、私は命を絶つためODをすることが多かった。
だから精神的にも危うかったけど、脳もお疲れで、意識が混濁?するようなことが多かったんだ。
ある日、私は彼と電話で大喧嘩をした。
いや、一方的に怒らない大人の彼に、私がイチャモンつけてブチギレていたんだけど。
そしてもうこんな世界嫌だ!と強く思う。
そうしたら私の意識は16歳の頃に飛んだ。
中3から半同棲。1年以上、毎日一緒にいた彼と別れ、私の親とも離れ、そんな私を引き取ってくれたホテルに住み込みで働いていた私。
住ませてもらっていた部屋は7階。
私は別れた辛さで毎日消え去りたいと窓の下を覗き込んでいた。←ここまではハッキリした思い出。
で、飛んだ。
あれ、私、あのとき飛んだんだっけ?
私あのとき、死んだんだっけ?
落ちる時、沢山の思い出が蘇る。正に走馬灯。
でも何を見たのか、今は思い出せない。
とにかく色んなものを見て、
私は死のうとしたことを『後悔した』。
そしてついに地面に叩きつけられる瞬間、私は強く目を閉じる。
すると体が横にスーッと動く感じがし、目を開けた。
そこは中3の修学旅行の遊園地、フリーホールに乗った後だった。
これは本当にあったこと。
私はこのフリーホールに乗った後、なぜか着地した時に安堵したのかギャン泣きしたのだ。
当時もなんで私こんな泣いてるんだろうって思った。
そのくらい落ちる感覚が怖かったんだ、そう思ってた。
だけど、私は命を救われて、ホッとして泣いたんだ!!!!!良かった!生きてる!!!!
そう思ったのも束の間、また私は、真っ暗な夜の闇の中、トラックの前に飛び出ようとした15歳の夏に飛ばされる。
トラックが迫ってくる。
もうだめだ・・・・やっぱり生きたい・・・・
その瞬間、私に猛烈な風が吹いた。
目を開けるとついこの前の神社だった。
どうか私を救ってください。
そう祈った後、突風が吹いたのだ。
私は私の人生を救ってって祈ったつもりが、15歳の夏の私を救ったのか。
そしてまた私は安堵した。
その瞬間、また私は別の死のうとした瞬間に飛ばされる。
もう今の私には記憶がこれしか残ってないので書けないが、過去、死のうと思った瞬間に飛ばされ、その後死が迫り、その度に走馬灯を見て、やっぱり生きたいと願い、またその瞬間に違う私の思い出に飛ばされる。
これが何度も何度も続いた。
そして最後。私は助からず死んだのだ。
そこは真っ暗で、私はとにかく死んだことを悔いていた。
ごめんなさい、ごめんなさい。
また私、もう一度、生きたかった・・・・・・・・!!!!!!
凄く胸が苦しくてぎゅーっとなりながら、絞り出すように願ったら、私は生まれた。
私として。
それは私が産み落とされる瞬間だった。
何も見えないけど光だけが眩しかった。
私は、本当にもう死んでしまったと思ったから。
またここに戻れた喜びで、歓喜したのだ。
その歓喜の嬉し泣きが産声だった。
それはもう、嬉しくて嬉しくて。
この世界に生まれてこれたこと、命を与えられたことが嬉しくて
大きな声で泣き続けた。
そんな中、頭のどこかで、
『赤ちゃんって歓喜して泣くんだぁ』
なんて思っていた。
そうしたらまた別の場面に飛ぶ。
よくわからないが、病院のような場所で、私はおそらくベッドにいて、他の子供の泣き声が聞こえてきたのだが、それが
『みんな私の仲間だらけだ!!!!!!!』
とわかったのだ。
そして私はこの神なのか、この世界なのか、自分ではない何者かの、想像もつかないほどの愛の采配に歓喜して私も泣いた。
赤ちゃん同士、皆、それに気づいて泣いているのだ。
そして私は現実世界に帰ってきた。
白昼夢から目が醒めてからも、ずっと、私はその愛の大きさにただただ泣いた。
10年以上ぶりにこれを文章にまとめてる今、涙が溢れて止まらないくらいだ。
昔も書こうとしたんだけど、上手く書けなかったから、私の思い出として眠るものだと思っていたけど、今日急に書きたくなって、書ける気がして、一気にここまで書いた。
そして泣いている。
意味がわからない。
でも私はそれまで自分は不幸だ、孤独だ、と思っていたけど、その白昼夢のおかげで救われた。
他にもその時期、私が私を取り戻すことになる、不思議なことがあったんだけど、また書けそうって思ったらまた書こう。
こんなの、私の脳内の妄想なんだろうけど、そんな上手に描けないよ。そこまで私の頭すごくない。
だから思うんだ。
潜在意識は私の思う以上に、すんごい存在なんだって。
それか、本当にこの世界はわたしのみたとおりのとんでもない愛によって存在しているのか。
私は今でも、生まれてきた赤ちゃんは歓喜して泣いていると思っている。
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