広島2泊3日の旅 大和ミュージアムと大久野島散策
広島へ行ってきました。前回は2019年3月に訪れていたのでちょうど5年ぶりらしい。
何度訪れても良いところです。現地までは乗り換え含めて新幹線で4時間強。決して近くはないけれど、機会があればまたすぐにでも行きたい。
旅行の目的
呉の大和ミュージアムで開催している企画展『日本海軍と航空母艦』を鑑賞したかったのです。元々3月末までの展示でしたが、好評につき6月まで会期延長だそう。めでたいめでたい。
呉への訪問は決まったものの、他の行き先に散々悩み抜いた挙げ句、大久野島散策と西条酒蔵めぐりに決めました。西条は初訪問、他は再訪です。
後で書きますが、結局西条は今回行くことができなかった……。次回へ持ち越します。
計画を立てる
今回初めてアプリを使用して細かく旅程を組んでみました。
使用したのはHareTabiというアプリ。全行程をここにまとめた結果、スムーズに旅を楽しめたので今後も使用していきたいと思います。
今回は一人旅でしたが、組んだ旅程をグループで共有することもできるっぽい。
私は方向音痴&要領の悪さから、旅先で臨機応変に動こうとしても上手くいかないことが多いので、最初からしっかり行程を組んで確認しながら動けるのがすごく楽でした。時刻表や現地の天気もリンクで貼っておけるし、スクショした画面を後から探すこともない。
あと、事前に計画を眺めてニヤニヤできます。そういう私のようなタイプの人にはおすすめのアプリ。
出発
眠い目を擦りつつ出発。新幹線に乗ります。
ひかり→のぞみへ乗り換えたのですが、ほぼ満席でちょっと驚いた。のぞみって混むんですね……。3人シートの真ん中まで埋まっており、出張サラリーマンの隣で朝から酒を飲んですみませんという気持ちになる。
移動時間が長いため、初日のお弁当は最寄り駅で買っておいたものを車内で食べました。
道中に柚木麻子さんの『名作なんか、こわくない』を読みました。フランス、日本、イギリス、アメリカの名著を紹介するナビゲート本です。
小説家の書くブックガイドは、紹介された作品に興味が湧くのはもちろん、筆者本人への親しみを感じられて好きです。
呉に到着
13時半頃に呉到着。空は重く曇ってますが、雨でないだけありがたい。
一旦荷物を預けたかったので、ホテルへ送迎バスをお願いしました。定時制ではなくオンコール制のようです。
予約したのはクレイトンベイホテルさん。大和ミュージアムチケット付の『航空母艦赤城プラン』なるものがあると知り、即決しました。
夕食は赤城の船内で実際に食べられていたという酢豚の再現メニューらしく、あまりにも楽しみすぎる。
バスに乗り、ワクワクしながらホテルに到着した瞬間、不意打ちで推しの女が居たため唐突に「終わり」を迎えてしまいました。目を合わせないようにしてフロントカウンターへ。
チェックインは15時~ですが、先に荷物の預かりをお願いし、プラン特典の企画展チケットと『戦艦山城の艦橋ハンバーグ』ミニチュアを頂きました。実際にホテルで提供していた料理をミニチュア化したものらしい。
お好きな方をどうぞと言われ、白いソースを選んだら山城でした。チーズソースが山城、黒っぽいソースが扶桑だそうです。
手続き後、フロントの方に「大和ミュージアムまでバスを使用されますか?」と申し出ていただき、1人のために2回も車を出してもらって申し訳ない……と思いつつ甘えさせてもらいました。ありがたい。なんというホスピタリティ……。
5分ほどで大和ミュージアムに到着。運転手さんも親切で、下車の際「帰りも乗られますよね、乗り場はここです」「あ、帰りは一度呉駅の方へ行こうかと思ってまして」「そうなんですか。呉駅方面なら乗り場はあっちになります」というやりとりがありました。大和ミュージアム→駅への道中もバス使っていいの……!? 申し訳ないのでさすがに歩きました。
大和ミュージアム
入館。平日ですが、中々の賑わいっぷり。
私と同じ提督らしきお客さんもいれば、普通に観光に来たらしきファミリーやグループも。
チケットが既に可愛い、あとメインカラーがめちゃくちゃ好みの色。残念ながら保存用のファイルを持ってこなかったため、綺麗な状態を維持できず旅から持ち帰るのを諦めてしまった……。ちなみにチケットやポスターに使用されているデザインは赤城の飛行甲板のみですが、現地のパネルは赤城と飛龍が並んでいました。
企画展はなんと写真撮影OK(常設展はNG)。太っ腹!!
一部文書などで撮影禁止の展示もありますが、ほとんどは撮影可能でした。
展示すごく良かったです。航空母艦の誕生~終戦の歴史は大筋は知っているけれど(提督なので)、貴重であろう展示物もたくさんあり、胸が一杯になってしまった。
話題の飛行甲板展示。単体で資料を見ることはあっても、こうして並べてみると大きさや形状の違いが一目でわかります。
特にグッときたのは進水記念絵はがき(全部可愛いけど、蒼龍が文字通り蒼い龍の絵、鶴姉妹が鶴の絵だったのが最高)、赤城新聞。
赤城新聞は手書きの字がみっちりと細かく、現地で読み込むことが出来なかったため、撮影OKは本当にありがたかった。
アレイからすこじま
その後は常設展をまわり、呉駅経由でアレイからすこじまへ。呉駅バス停→潜水隊前下車。約15分、230円。平日につき艦艇の一般公開は行っておらず、人は少なかったです。
アレイからすこじま、もっと公園的なイメージをしていたけどわりと路肩という雰囲気でした。でも潜水艦も護衛艦もめっちゃ停泊してる。デカい、すごい、興奮。
さらに奥の護衛艦、『かが』でした。嬉しー!
20分ほど写真を撮ったり艦艇を眺めたりして帰りのバスに乗りました。
クレイトンベイホテル
本日3回目のバスに乗りホテルへ。
夕食まで少し時間があったため、部屋でのんびり過ごします。シングルルームでも充分な広さ、そして居心地の良さ。デスクもばっちり。
インフォメーションブックを読んでいると海自カレーの紹介が。『かが』カレーにひじきや胡麻、大豆が入ってやや和風っぽいところに一人でウケてしまう。
時間が来たので夕食へ。和食レストランへ向かいます。
入口で売っている『戦艦長門のおはぎ』が気になりつつ、カウンターに案内してもらいました。
カウンターは私を含め、一人旅のお客さんが3組ほど。テーブル席はグループのお客さんが多め。ドリンクメニュー表に『加賀梅酒』の文字を見つけ、迷わず注文します。
待っている間に料理長さんがご挨拶してくれました。あまりない経験で緊張しつつも嬉しい。
会話の中で「提督ですか?」と訊かれて動揺する。素直に「そうです」と返事しますが、「今日は赤城御膳ですよね」と場馴れしたトーク力を見せつけられます。さすが料理長。でも絶対提督めちゃくちゃこのホテルに泊まりますよね、なんかカウンターに『提督』ってお酒置いてあるし……。
「赤城御膳は結構量が多くて……」と心配していただき、「たくさん食べるので大丈夫です」と断言していたら届いた赤城御膳、本当に量が多くて思わず笑ってしまう。ネットに載ってるイメージ写真より多い。
酢豚は醤油系の茶色で酸味もちょうどよく、とてもご飯に合う味でした。これって……ひょっとして赤城(艦娘)がめっちゃ好きな味付けなのでは???
具材は豚肉、ゴロっとした根菜、たけのこ、もやし、ししとう。根菜に旨味が詰まっているなあと思ったら、茹でずに生から炒めて火を通しているそうです。へー!
なんとか完食し、食後のお茶を待っていたら女性スタッフさんが「デザートは間宮アイスにされますか?」と提案してくれました。もちろん変更をお願いします。このスタッフさんもすごく気さくで親切だった……。
間宮アイスはシャリシャリ系のバニラアイス。
また料理長さんが出てきて説明してくださいました。これも給糧艦『間宮』で作られていたレシピで、砂糖、牛乳、卵だけで作っているらしい。懐かしいような素朴な味わい。
お腹も心も満たされて退席。料理はもちろん、スタッフさんが最高で思い出に残る夕食の時間となりました。「これからもぜひ応援してください」って料理長さんが仰ってましたが、ほんと、めっちゃ応援します。みんなも絶対に呉ではここに泊まってくれよな。
その後は部屋に戻り、広く快適なベッドの上で映画『インターステラー』を観たりお腹がこなれたタイミングで酒とつまみを楽しんだりなどして過ごしました。
インターステラーくッッッッそ超面白いやんけ!! なんでこれまで観たことなかったの!?
残り1/3で就寝時間が来たのでギブアップ、続きは明日の移動中に観ます。
呉から大久野島へ
翌朝。朝食は戦艦大和の艦橋とほぼ同じ高さにあるという、11階のレストランでいただきます。
バイキングではなくセットメニュー。メインがカレーまたはお粥から選べます。当日レストランで選べるのが地味に嬉しい。
チェックインの時に選ぶホテルもありますが、翌朝の胃の状況が予想つかなくて選び難かったりするんですよね。
私は戦艦大和のカレーを選びました。ソースが別になっているのがホテルっぽくてテンション上がる。お土産でも売っています。
写真無いんですがコーヒーカップ&ソーサーもホテルらしい上品さで良かった……。朝から特別感を堪能しつつ、ご飯を食べたらすぐチェックアウト。忙しい。
バスが時間外なので今度こそ駅まで歩きます。徒歩20分ほど。キャリーケースがあっても問題なく歩ける距離です。
旅行者の姿は見えず、地元の方が通勤のため駅へ向かう後を追いかけるこの感じ。ちょっと落ち着かないけど自分が知らない土地を歩いてる感じにワクワクする。
呉からはJR呉線に乗車、一度乗り換えて忠海駅まで向かいます。1時間20分くらいで到着。インターステラーも完走。
駅を出たら右手に進み、踏切を渡ってまた右へ行くとフェリー乗り場の忠海港です。
トイレは駅にも忠海港にもあります。道中にコンビニが無いので、用があれば駅を出てすぐ左のファミリーマートに寄ってから港へ向かうべし。
うさぎの餌は島内で販売しておらず、港で買っていく必要があります。私は家から持参していたので、港では船のチケットのみ購入しました。
島までの船は2種類あり、小型の高速船または大型フェリーです。私が乗った時間帯は高速船の方でした。
すごくピンク色をしている。うさぎイメージでピンク色だと因幡の白兎を連想しちゃうのでは……? と思いながら乗船。
この日は風もなく、揺れも穏やかでした。
毒ガスとうさぎの島 大久野島
あっという間に到着。出迎えうさぎを我慢しつつ、今晩宿泊する休暇村大久野島のバスに乗ります。桟橋から歩いて15分程度ですが、身軽に散策を楽しみたかったので。
休暇村大久野島の一人旅プランはチェックイン12時、チェックアウト12時という大変ありがたいプランでした。使わなかったけど自転車の貸出チケットもついてきた。外周約4.3kmほどの島なので、自転車ならサクッと回れて便利です。
大久野島はかつて日本の化学兵器製造拠点として、毒ガスの製造が行われていたそうです。島のあちこちにその跡地が点在している。
夕食と朝食の時間を決めて、いざ散策。
とにかく景色が綺麗。こんなに透明度の高い海が本州にあるのか……とため息をつきたくなるような美しさ。
島全体が花崗岩でつくられていて、波で削られた白い岩と青い海の対比も好きな人はたまらないと思う。
展望地へ続く階段は少し急で息が上がりますが、立派なミモザの木があったのもサプライズのようで嬉しい。他の場所には咲いていなかったので
頑張って登った甲斐がありました。
うさぎの写真もバシバシ撮ります。
基本は人間を見かけると餌をねだりに寄ってきて、くれないと悟ると離れていく。ふれあいも楽しみつつ、写真は望遠で遠くから撮りまくりました。野生動物をこんなにじっくり観察する機会なんて滅多にない。ずっと見ていられます。
それぞれ生息するポイントが決まっており、自分の縄張りの中で生活しているようです。休暇村前や桟橋など人が集まりやすい場所に多く生息してますが、人の居ない山中でも2~3羽ほど急に飛び出してきたりと面白い。
島に着いたのが10時半頃でしたが、そこから15時までぶっ通しで散策していました。さすがに疲れた。
一度休暇村に戻って休憩。和室8畳の部屋、広縁もあって充分広い。2人でもゆったり過ごせると思います。
窓からは海と休暇村前の広場が見下ろせます。うさぎが広場にわんさか居るので部屋から眺めるだけでも楽しい。
その後は夕食時間まで宿から近いポイントでまったりとふれあいを楽しみました。
休暇村大久野島の夕食はブッフェスタイル。
舟盛りにされたお刺身に、広島牛のステーキ、広島名産の牡蠣を使った料理など勢揃い。大満足でした。
徐々に暗くなっていく景色、というか外のうさぎを肴に日本酒を飲みました。
広島のお酒は静岡のお酒と全然タイプが違っておもしろい。全体的にコクがあってまろやか、ふくよかな印象。
どんな料理と合わせるのが一番美味しいんでしょう? お好み焼きと合いそうだと感じたので、一度やってみたい。
食後は『ウミホタルの発光観察会』に参加したり、外に出て波の音を聴きながら酒を飲んだりなどした。最高です。
ウミホタルの発光観察会は、休暇村大久野島スタッフの方が今採ってきたばかりのウミホタル(罠を仕掛けて採るらしい)を実際に光らせたり、その生態について詳しく説明してくれてとても面白いので、極力参加することをおすすめします。生き物がこんな光を出せるのか……と驚くくらい綺麗な青色に光る。
ふたたび大久野島めぐり
翌朝。本当は早いうちに出発して西条へ向かうはずだったのですが、島のスポットを回りきれていなかったのもあり、予定を変更して大久野島に留まることにしました。
こういう時一人旅は身軽でいい。
夜の間に少し雨が降りましたが、朝には止み、美しい朝焼けを拝むことができた。カメラで表現できませんでしたが、実物はもっと溶けるような優しい色合いでした。
うさぎは朝から活動的。夜の間にお腹がすくのか、朝の方が餌をねだる圧がすごい。かなり長い距離を走って追いかけてきます。
その後は朝食を摂り、また散策へ。ご飯の量がやたらと少なく見えますが、この後にしっかりカレーを食べました。
風が強かったので、昨日とは逆の反時計回りに島を歩きます。休暇村→毒ガス資料館→桟橋→発電所跡→火薬庫跡という順。
道中でも写真を撮りまくる。この時間帯は日帰りの観光客がフェリーで入島してくるものの、うさぎ密集スポットへ向かう人が多いため、このルートではほぼ人と擦れ違いませんでした。
充分歩き尽くして、昼前頃に休暇村へ戻ります。チェックアウト12時プランでよかった~。
名残惜しさを感じつつ、休暇村前のうさぎに残った餌をあげて、支度を済ませたらチェックアウト。バスに乗って桟橋に向かいます。
前日と打って変わって、強風のため高速船の揺れがすごかった。ちょっとしたアトラクション並で、もう少し乗っていたら船酔いするところだった……。
帰路へ
忠海駅から三原経由で広島駅へ。乗り換え含め2時間ほどかかり、結構長いです。
三原までの道中、右手の車窓にはずっと海が広がっている。旅の終わりを寂しく思いつつ、小島が点々と散らばる瀬戸内海をぼーっと眺めていました。
最後に立ち寄ったのは広島駅。お土産をまだ買っていなかったので、1時間ほどショッピングタイムとしました。
広島駅には『ekie(エキエ)』という巨大な複合施設があり、欲しいお土産はほぼここで揃いました。飲食店もかなりの充実っぷりで、時間があれば寄りたかった。屋台風のお店もあり、ご飯を食べたりお酒を飲んだりする人で活気に溢れ、お好み焼きや炭火焼きのいい匂いがする。
お土産売り場に『あなごめしうえの』のお弁当が数量限定で取り扱いがある(ただしすぐ売れてしまう)と事前に情報を仕入れており、わずかな望みをかけて探したら、なんとゲット。すごくラッキーでした。
他にもほしいものを購入し、新幹線に乗ります。
また4時間強かけて帰宅……と思いきやトラブルがあり、乗り継ぎの新幹線が大幅に遅れてしまったのですが、まあ仕方がない。最終的には無事に帰ることができました。
夜遅くなってしまいましたが、同居人とあなごめし弁当を食べて今回の旅行の〆としました。時間が経ってもあなごは柔らかく、炭火の香ばしい香りがする。鰻よりあっさりしているので、いくらでも食べられます。あなごのアラで炊いたご飯もほんのり風味があり、タレと調和する。
大変に美味しかった。おかげでいい旅の終わりを迎えることができました。
私はすっかりいちファンなので、今後も広島を定期的に訪れることになると思います。レンタカーを借りてしまなみ海道も走ってみたいし、今回持ち越した西条の酒蔵めぐりや、江田島の旧海軍兵学校や古鷹山にも行ってみたい。
何より広島は海がすごくいい。これからも時々旅をして、瀬戸内に来るためにまあ日々働いて、頑張ってやっていこうぜ、というポジティブな気持ちになれる海です。
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