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【七十二候】季節と言葉たち〜雷乃収声 (かみなりすなわちこえをおさむ)

かつて暦として使われていた一年を五日ごと七十二に分ける七十二候。その名称は気候の変化や動植物の様子が短い文で表されています。美しい言葉なのでそれをテーマに、作家の方の名文や創作したエッセイを綴ります。


七十二候:第四十六候 「雷乃収声 (かみなりすなわちこえをおさむ)」
(9/22~9/27頃)

「雷乃収声 (かみなりすなわちこえをおさむ)」9/22~9/27頃
秋の「雷乃収声 (かみなりすなわちこえをおさむ)」と春の3/30~4/3頃の「雷乃発声 (かみなりすなわちこえをはっす)」は対になっています。
春から夏にかけて鳴り響いた雷が鳴らなくなってくる頃のこと。

テーマ「雷乃収声 (かみなりすなわちおさむ)」について

雷って冬はあまり鳴らないものだっけ?というのが率直な感想。
調べると、最も雷が鳴るのは8月らしく、太平洋側では冬にはほとんど雷が鳴らないらしい。
そうだよね。気候なのだから、地理に左右されるのも当然。

こうして古くから伝わる言葉を掘り下げることで、あまり気にしていなかった雷がよく鳴る季節を知ることができた。

私の中では、雷と聞くと「サンダーバード」が浮かびます。
あの人形劇のほうではなく、ネイティブアメリカンの伝承における、雷は大きな鳥(らいちょうではなく)であるという話。

姿は大きな鷲で、羽は雷のような色をしており、大きさは5m弱。雷の精霊で自由自在に雷を落とすことができ、獲物も雷で仕留める。複数の部族の神話にわたって存在しているが、雷と関連する巨鳥であるという共通点以外の部分は部族ごとに異なる。

サンダーバード (伝説の生物) - Wikipedia

遠くで雷鳴を聞いて、ああ、神の鳥である雷の鳥(サンダーバード)が暴れていると思っていたのかなと想像していたことが素敵。

日本だって、「神鳴り」であるとされ、やはり神のメッセージと捉えられていたわけで。

真っ暗な雨雲に覆われた空に突如、ギザギザと銀色の光が走る様はカッコイイというか、畏怖を感じるのは世界共通なのでしょう。
マイナスイオンの塊ですから、よいものを与えてくれる側面もありますし。

稲妻の語源は稲が開花する時季に落雷した田では稲がよく育つので、「稲の妻=配偶者」から来たとか。
(中略)
雷の多い年が豊作なのは、落雷がマイナスイオンとオゾンを放出し、大気中の汚染物質を浄化殺菌することによる。

植物も人間も危機にさらされて活性化する! (agri-biz.jp)

なるほど、稲の妻ってそういう意図でつけられていたのか。

プラスの側面だけではなく、一発即死の可能性だってあるものだから、やはり神の領域にあるよね。
それが収まっていく時期。
とりあえず、よかったよかった、ということなのでしょうね。

七十二候の説明

「二十四節気」は、立春や夏至などを含む、半月(15日)毎の季節の変化を示すもの。
古代中国で暦として発達してきました。
これをさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
こちらも古代中国で作られましたが、二十四節気が古代のものがそのまま使われているのに対し、七十二候は日本での気候風土に合うように改定されました。

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