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【今日読んだ本】ラブカは静かに弓を持つ(安壇美緒著)

読書記録として。

ストーリー

『武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
(Amazonのサイト内本の概要より)

書き出し

全日本音楽著作権連盟の資料室は陽の届かない地下にある。エレベーターのランプが、最上階から動く気配がないことに気づいた橘樹は、仕方なく、エレベーターホールの裏側にある非常階段へと急いだ。

感想

本屋大賞第2位であり、話題になっておりまして。
図書館で予約して待つこと1年。
やっと読めた。そして面白い!
というか、泣いた。

物語の中で主人公がチェロの発表会をすることになるのですが。
その演奏曲の「戦慄きのラブカ」を聞いてみたくてネットで検索したら、
「戦慄きのラブカ」の隣に「実在しない曲」と候補ワードが出まして。

え?
か、架空の曲だったの。
そうかなーとは思っていたけど、残念っす!
聞きたかった。

音楽関係、特に楽器に疎くて。
ただし一番好きなタイプの漫画のキャラクターが千秋先輩なので(玉木宏の功績)『のだめカンタービレ』を何度も読み返し、有料チャンネルで一挙放送がある度に毎回見てしまうため、少しは知識も増えたけれど。

チェロって『セロ弾きのゴーシュ』くらいしか浮かばない。
なのに、チェロの音楽が聴きたいと思ってしまうなんて。

主人公の橘君にも共感できるのは当然として、チェロ講師浅葉さんも魅力的だったし、浅葉さんの教え子さんたちもみんないい。
作者の安壇美緒さんのことを調べたら、群像劇が得意と書かれていて。
私は,誰か特定の人が大活躍する物語より、群像劇の方が好きなのですよ。
これはローラー大作戦(いいなと思った作者さんの本はとりあえず全部読む)入らねば。

本屋大賞第2位なのだから当たり前かもしれないけれど、読んでよかった。
とても心震えた。
明るい方に向かうラストもとてもよかった。

今年いちばんのおすすめ(まだ3冊しか読み終わっていないが笑)

#今日読んだ本

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