【似非関西弁版】ある愛妻家の脳内
妻が好っきゃねん。
愛しさが溢れて、たまらへんわ、ほんまに。
ちゃっちゃと仕事終わらせて、妻との時間を楽しみたいねん。
そのために業務効率化をしとるようなものやで。
何か不測の事態に対応せなあかん時以外、定時で真っ直ぐ帰宅する日々やねん。
部下を飲みに誘うて「パワハラ」だの「アルハラ」だの言われてまうリスクは、全くあらへんで。
とにかく、一刻も早く愛しい妻んとこへ帰りたいねん。
共同作業で料理をすんのも、一緒に食事をすんのも、愛に満ち溢れた時間やで。
冷蔵庫にある食材は、把握しとんねん。
いつも通り、一応、メニューを考えときながら、妻の希望も聞いて二人で決めるで。
地震や!
妻は、今、どないな状況やろうか?
怖がって、震えてたりしてへんか?
気になるわー。
今すぐ帰りとぉなった。
正直、目の前に居(お)る部下達(ら)のことよりも、妻が気になんねん。
わいの愛妻家っぷりは社内中で有名やから、たぶん、今、妻のことが心配で心配でたまらへんのが、駄々漏れになっとるやろな。
はっ!
無自覚に、考えとることを口に出してもうたらしい。
まぁ、ええか。
不倫願望者よけになるやろし。
「愛妻家萌え」とかいう人らは、愛妻家認定取り消しに該当する言動にガン萎えしてまうらしいで(知らんけど)。
危ないと思たら、ガン萎えさせればええねん。
萌えネタの提供だけしたれば済むいうなら、お安い御用やっちゅうねん。
地震がおさまりよった。
これで業務に集中でける。
さぁ、定時で帰宅や。
部下が定時帰宅でける雰囲気を作るっちゅうのも、わいにとっては仕事のうちや。
未婚の部下達(ら)には、婚活の時間も作ったらなあかん。
そういうんは後付けの理由で、一番は「早く妻んとこへ帰りたい」からやけど。
とにかく、妻がめっちゃ好きやねん。
もう定年近い歳で、結婚生活も長いけどな、妻に飽きたことがないねん。
「愛妻家」ちゅうよりは「妻偏愛家」やろうか?
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名古屋市で生まれ育った、名古屋弁が不自由な(意味は理解・解説できても、話し言葉でも、書き言葉でも、自然に出てくることはほぼない)名古屋市民が書いた関西弁です。
東海ローカル番組の出演者が、関西ローカル番組並みに関西出身芸人さんばかりの時代があったり、関西キー局の番組が多数放送されていたりして、大人になってからは特に、名古屋弁よりも関西弁を耳にする機会が増えました。
そうして得た関西弁の知識をフル稼働して書いたものです。
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『ある愛妻家の脳内』(標準語原文)
『【似非京都弁版】ある愛妻家の脳内』
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