家の音楽環境を整える(8)音を耳で補う
そういやオーディオをどんなに選んでも、聴く側の能力が低下したら元も子もないような気がする。耳の中の毛(有毛細胞と言うらしい)が抜けるとだんだん聴こえなくなると言うし、年々よくある耳年齢チェックは着実に老化している。
そんな話になった。
「経験なんだって」と万平さんは言う。
「オーディオの神様」と呼ばれた五味 康祐という人は、歳を取ってから補聴器でオーディオを聴いていたらしい。紹介してくれた「西方の音」は読んでみたい。
オペラ歌手の車田和寿先生の「クラシック音楽を楽しむためのオーディオ入門」でも同じようなことを言っていた(このYOUTUBEは大変役に立った)。
この中で車田先生もおっしゃっているが(該当箇所は9分くらいから)、優れた耳を持つ人は、聴いた音から、もとの音を想像できる。例えば指揮者が指揮台の上から、ホール全体の音を想像しながら棒を振るように。
オーディオでも同じことが言える。
色々とオーディオを調べるうちに、オーディオもひとつの楽器のようなものと感じるようになった。だから、万平さんが教えてくれた、実際のオーケストラを聴いて、「ハイカットが落ちてる」と言ったオーディオマニアの話も、それはそれでいいと思う。