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悠仁さまの「東大進学に反対署名1万人超」に見る人権感覚の希薄さ
1 ニュースの概要
秋篠宮夫妻のご子息、悠仁さまが東京大学へ推薦入試で入学を希望する可能性があることに対して、それに対する反対署名に1万人が署名したということです。
2 私には理解できない
基本的人権の根拠となる憲法第14条には、このようにあります。
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
ここでいう「国民」というものに天皇や皇族は含まれるのか?
これについては意見が分かれているようです。
天皇・皇族は日本国籍を有するが、皇位の世襲制を重く見て「門地」によって天皇・皇族は国民から区別された特別の存在とする説
天皇・皇族は国民に含まれるが、その地位の特殊性、憲法自体が天皇を象徴とし、またその地位の世襲制を認めたことを根拠として、一般国民とは異なった扱い(政治活動が認められない、職業選択の自由がない)を受けるとする説
私は後者の説を支持します。
基本的人権というのは、生まれながらに「人」がもつ権利です。天皇・皇族であっても「人」です。
そうなのであれば、悠仁様の「東京大学推薦入試」受験に対する反対は、人権侵害だと考えます。
これに一票を投じた人たちは、そこまで考えていたのでしょうか?
私の意見に反論されるとすれば、天皇・皇族は優先されているから、推薦入試が受験できる、という「法の下の平等」が成立していないことを根拠にすると思います。
では、そのような優先が行われるという根拠は何でしょうか?
憲法・法律に明記されているでしょうか?
ありませんね。皇室典範にもありません。
つまり憶測です。いえ、偏見の域かも知れません。
また、このように自分事として考えてみてください。
もし自分の子どもがこのように国民1万人以上から入学を反対されるような事態になったとき、この反対署名をした人はどう思うのでしょうか?
もし私なら、我慢なりません。訴えたいです。
このような報道があれば、国民が悠仁様の東大入試の合否に関心を寄せます。このような活動のせいで、進路変更を余儀なくされれば、それこそ人権侵害です。
3 これを機に愛国心教育を・・・とはなってほしくない
このような社会問題が起きると、「愛国心がないからこのようなことが起きるんだ。学校はどんな教育をしているんだ。」と言って、愛国心を押し付ける教育を求める。
これは、憲法第19条に反する行いです。
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
愛国心や愛校心を育むように言われますが、今回の問題はそこではなく、人権感覚の希薄さだと考えます。
人権感覚とは、次のような感覚です。
人権感覚とは、人権の価値やその重要性にかんがみ、人権が擁護され、実現されている状態を感知して、これを望ましいものと感じ、反対に、これが侵害されている状態を感知して、それを許せないとするような、価値志向的な感覚である。
このような感覚を、家庭・学校・地域全体で育んでいくことが必要です。大人である私たちは、現代の問題にも目を向けて勉強していくことが必要だと思います。
学びを止めてしまうと、現代的な問題に立ち向かえません。偏見や差別は、時代によって変化します。社会がその偏見や差別を容認してくれなくなると、別の表現で、あからさまではない分かりにくい形でまた現れます。これは、部落差別について学んで私が分かったことです。
そのためにも、学び続けていくことが大切です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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参考文献
・ 憲法1 人権,渋谷秀樹・赤坂正浩著
・ 表現・教育・宗教と人権,内野正幸著