【自由研究】正四面体は敷き詰められるだろうか??
こんにちは。
今回は、「敷き詰め」について、記事を書いてみました。
数式を使うところもありますが、数学が苦手な方も楽しんでもらえる記事にします。
いくつになっても自由研究してもいいですよね?笑
最後まで読んでいただけると、うれしいです!!
1 はじめに
そもそも敷き詰めについて考えようと思ったきっかけは、先日紹介したこの公園のタイルを見てからです。
そこで、こんな疑問が浮かんだんです。
ここで考えるのは、正多角形と正多面体に限定して考えることにしました。
また1種類の合同な図形のみを使った敷き詰めを考えます。
2 平面の敷き詰め
正多角形で、平面を敷き詰めを考えます。
敷き詰めるためには、1つの正多角形の内角の大きさが360°の約数でないといけません。
正多角形の1つの内角の大きさは、次の通りです。
正三角形・・・60°
正方形・・・ 90°
正五角形・・・108°
正六角形・・・120°
正七角形・・・約128°
正八角形以降は、1つの正多角形の内角の大きさは120°以上であり、120°以上で360°の約数は180°と360°だけです。
1つの内角が180°の多角形はないです。直線になってしまい、角ができないためです。
1つの内角が360°の多角形もないです。
では、60°、90°、108°、120°のうち360°の約数は、60°、90°、120°の3つだけです。
よって、平面の敷き詰めができるのは、正三角形、正方形、正六角形の3種類のみです。
3 正多面体は敷き詰められるのだろうか
問題は立体です。
正多面体は、次の5種類しか存在しません。
証明は、記事の趣旨とずれてしまいますので割愛します。
・ 今回は正四面体で実験してみた
さて、私は正多面体の中で最も面の数が少ない正四面体は敷き詰め可能か考えました。
最初は、紙に書いて考えようとしたんです。
しかし、空間認識力が弱いので、よく分かりませんでした。
ではそんな私が分かるためには・・・作るしかない!!
ということで作りました。
では、敷き詰めていきます。
問題は四個目でした。
敷き詰めなので、正四面体のすき間を埋めないといけません。
ですが、どう頑張っても入らない(´;ω;`)ウゥゥ
すき間の角度と正四面体の角度の大きさが等しくないんです。
・ 本当にすき間に入らないか、数式で確かめる
数式を使って確かめます。
もし、数学アレルギーが出ましたら、すぐに次の章に飛んでください。
命が大切です!!
では、確かめます。
下の図のように、正四面体ABCDの辺CDの中点をEとします。
この正四面体の一辺の長さを$${2a}$$とします。
この方が分数が出ずに済みます。
まず、∠AEBの大きさを求めます。
このような、二つの面でできた角度を二面角というそうです。
そのためには、AE、BEの長さを求めます。
AEの長さを求めるために、図をつくります。
このとき、△ACDと△ADEは、三辺がそれぞれ等しいので、合同です。
なので、∠AEC=90°です。
直角三角形ACEに三平方の定理を使って、
$${AE^2=(2a)^2-a^2}$$
$${=4a^2-a^2}$$
$${=3a^2}$$
$${AE>0}$$より、
$${AE=\sqrt{3}a}$$
BE=AEなので、
$${BE=\sqrt{3}a}$$
では、∠AEBの大きさを求めます。
余弦定理を使って。
$${cos∠AEB=\frac{(\sqrt{3}a)^2+(\sqrt{3}a)^2-(2a)^2}{2×\sqrt{3}a×\sqrt{3}a}}$$
$${=\frac{2a^2}{6a^2}}$$
$${=\frac{1}{3}}$$
三角比表で角度を確認すると、
70°~71°の間でした。
仮に70°とすると、すき間の角度は
$${180°-70°-70°=40°}$$
なので、正四面体が入るはずないですね!!
4 他の立体を使って「敷き詰め」できないか
次のような積み方をしてみました。
さて、真ん中に空いた穴を埋められれば、「敷き詰め」完了です。
この中に、正八面体が入りそうです。
・ 模型を作って確かめる
入りそうなら、模型を作ろう!!
ということで、作ってみました!!
では、これを真ん中の穴に入れると・・・
実際に、敷き詰め成功しました!!
・ 数式で確かめる
実物で確かめるだけでは不十分ですね。
では、数式でも確かめてみます。
正四面体の二面角は、$${cosθ=\frac{1}{3}}$$でした。
正八面体の二面角(cosの値)を求めて、その和が180°(またはcos180°=0
より、cosの和が0)になればいいです。
では、正八面体の二面角を求めます。
次の図をかきました。
正八面体の一辺の長さを$${2a}$$とすると、正八面体の各面は正三角形であることと、点Bは辺の中点であることから、
$${AB=BC=\sqrt{3}a}$$
また、ACの長さは正方形の対角線だから、
$${AC=2\sqrt{2}a}$$
よって、△ABCに余弦定理を使って、
$${cos∠ABC=\frac{(\sqrt{3}a)^2+(\sqrt{3}a)^2-(2\sqrt{2}a)^2}{2×\sqrt{3}a×\sqrt{3}a}}$$
$${=-\frac{2a^2}{6a^2}}$$
$${=-\frac{1}{3}}$$
正四面体の二面角の余弦の値は$${\frac{1}{3}}$$
正八面体の二面角の余弦の値は$${-\frac{1}{3}}$$
その和が0、ということは180°だと言えました👏👏
・ 正四面体と正八面体を使って「敷き詰め」ができることの別アプローチ
上述したように、正四面体4つと正八面体1つで敷き詰めができました。
この別アプローチとして、こんなのもあります。
これも実物の使って、確かめます。
まず合同な3つの直角二等辺三角形とその斜辺を1辺とする正三角形を面にもつ三角錐を作ります。
今回は、不要になった段ボールを使用しました。
これを次の写真のように、4つ組み立てると立方体ができます。
また、そのときに、中の空洞部分が正四面体になります。
また最初の三角錐を8つ使えば、正八面体ができます。
つまり、立方体ができるように正八面体を配置し、その空洞には正四面体ができるため、「敷き詰め」ができる、というアプローチもあります。
5 おわりに
今回、立体の敷き詰めは正四面体しか考えませんでした。
正多面体敷き詰めできるのは、正六面体のみだと分かっているようです。
しかし、それをただ「知識」として知るよりも、こうやって実物を試行錯誤して作成して、実際に確かめる方が私の性に合ってます。
実際に作業していると、色んな疑問も湧いてきて楽しかったです。
手を動かすのは大事‼️
最後になりますが、先日家族でお城を見に行きました。
そこで石垣を見ましたが、これも見方によっては「敷き詰め」じゃないか!!?と思いました。
どうなんでしょう??
また気になることができました笑
最後まで読んでいただき、ありがとうございました‼️