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子どもたちが感じる「育てられる苦労」!?


1 育てられる苦労とは

 育てられる苦労とは、
・子どもは親に養われている身だから嫌われては食べていけない
・親は苦労しているから、それに報いたい
などに悩んでいる気持ちをもっていることです。

 われわれ大人も、子ども経験者なので、気持ちは分かりますね。
 これは、ある中学生の言葉です。

 父や母が自分を育てる為に、外で苦労して働いていることを知っている。でも、僕の気持ちも分かってほしい。育てられる苦労もある。

2 なんでもかんでも親に従わないといけないのか?

 例えば子どもが低学年くらいだとします。
 その時期の子どもは発達段階の観点から、経験不足で、まだ物事の見方や考え方が発達していません。
 そのため、親がある程度、手取り足取り教育していくのは理解できます。子どもたちもそれに従うでしょう。

 ですが、小学校4年生くらいになると、思考が発達して、多面的に見たり、批判的に考えたりできるようになります。
 そのときに、「だめなものはだめ」と言ってしまうと、子どもは納得しないでしょう。
 もしかしたら暴れたり、家出したりするかもしれません。
 それは、子どもたちなりの主張なのでしょう。

3 子どもにだって権利がある

 子どもは権利の主体です。
 最近「こども基本法」という法律も施行されましたね。
 また、この法律の基になっているのは日本国憲法と子どもの権利条約です。

 例えば、親が習い事をたくさんさせたいと考え、毎日休みなく子どもが取り組んだとします。
 子どもは疲れ果てます。しかし、子どもは親に「休みたい」と言いにくい。
 そこで活用できるのは、子どもの権利条約です。
 第31条には、このように書いてあります。

  締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに 児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの 活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加 する権利を認める。
 締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参 加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及 び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活 動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。

子どもの権利条約31条

 また、スマホを親にチェックされるのが嫌なのであれば、このような条文があります。

  いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。
 児童は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する

子どもの権利条約16条

4 大切なのは

 大切なのは、
・子どもがこのような自分を守ってくれる法律などを知っていること
・それを基に話し合い合意形成すること
ではないでしょうか?

 親がスマホをチェックするのは、子どもが危険な目に合わないため、習い事をたくさんさせるのは多くの経験を積んで豊かな人生を歩んでほしいため、という親の想いがあります。

 子どもだって、それは理解できるでしょう。

 だからこそ、自分にどんな権利があって、それを基に親の考えと自分の考えをどうやってすり合わせていくかが大切ですね。

 そのような話し合いがなく、一方的に押し付けてしまうと、「育てられる苦労」という、親にとっても不本意な感想を、子どもがもってしまうかもしれません。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

・子どもの権利条約

https://www.unicef.or.jp/library/pdf/haku10_04.pdf


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