数学で考える「努力」 ~ベクトルと座標変換を用いて~
1 はじめに
少し前になりますが、東進ハイスクールの林修先生が、「ぼくは日常生活で数学の考え方を使っている。例えば座標軸」という話をされていました。何か物事を始めるとき、図1のような座標平面を使って考えるらしいです。
これを使って、勉強のような「嫌いだけど、役に立つ」こととの向き合い方が大切だと説かれました。
この話を聞いて、他に数学の考え方で、日常生活に使えることはないか考えてみました。
2 努力をベクトルで考える
高校数学で、ベクトルは大きさと向きをもった量と学びます。
では、努力をベクトルと捉えると、私は大きさと向きを、次のように考えます。
3 なんで努力しているのに追いつけないのか
私も努力しているのに、なんで追いつけないのか。スポーツだったら、なぜ勝てるようにならないのか。
これについては、努力の方向が間違っていることと座標変換が行われたからだと捉えます。
・ 努力の方向が間違っている
努力の大きさを$${a}$$、理想的な取り組み方の軸とのなす角を${{θ}$$とすると、理想的な取り組み方の上での大きさは、$${acosθ}$$です。
$${θ}$$が大きくなるほど、いくら努力しても、上達しません。
・ 座標変換
座標変換とは、簡単にいうとxy軸を平行移動させたり、回転移動させたりすることです。
もしAさんが1人で努力をしていたとします。この場合、努力した分だけAさんは伸びるので、このようなベクトルです。原点Oからベクトルが伸びます。
問題はBさんがいた場合です。BさんがAさんより実力があったとします。この状態で、BさんがAさんと同じだけ努力したとします。この場合、図3では原点OはAさんのベクトルの矢印の始点でしたが、図4のようにBさんの矢印の始点にあることになります。つまり、座標変換(平行移動)で軸が右に移動したのです。そうすると、Aさんはマイナスから努力をスタートするので、同じ努力をしているBさんに追いつけるわけがないということです。
4 転職は座標変換の回転
最後に、転職についてです。転職することで、業界を変えたり職種を変えたり、様々です。
図2で示したように、努力の向きを間違ってしまうと、努力の浪費です。しかし、業界や職種を変えることで、人によっては劇的に成果を残せるようになったりします。
これは、以前の業界・職種の座標軸では間違った方向の努力でも、転職することで座標軸となす角が小さくなったからだと捉えられます。
5 最後に
今回の記事は、ベクトルと座標変換の考え方を使って、「努力」の方向の大切さや転職の捉え方について、私なりの考えを述べました。
意外と数学だって、捨てたもんじゃない!!
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