点 $${ P }$$ が最初に点 $${ (2, 1) }$$ にいるとき、n秒後に再び点 $${ (2, 1) }$$ にいる確率を求めるために、状態遷移の確率を考えます。これはマルコフ連鎖の問題として扱うことができます。
### 状態遷移行列の構築
考えられる状態は以下の8点です:
$${ \{ (2,1), (2,-1), (-2,1), (-2,-1), (1,2), (1,-2), (-1,2), (-1,-2) \} }$$
これらの点間の遷移確率を行列形式で表します。
#### 状態遷移行列 $${ P }$$
各点から他の点への遷移確率を求め、8×8の行列 $${ P }$$ を作成します。
状態の順序は上記の順とし、行列の各要素 $${ P_{ij} }$$ は、状態 $${ i }$$ から状態 $${ j }$$ への遷移確率を表します。
- $${ P_{11} }$$: (2, 1) → (2, 1)
- $${ P_{12} }$$: (2, 1) → (2, -1)
- $${ P_{13} }$$: (2, 1) → (-2, 1)
- $${ P_{14} }$$: (2, 1) → (-2, -1)
- など
具体的な遷移確率は対称性から次のようになります:
$${P = \begin{bmatrix}1/3 & 1/3 & 1/3 & 0 & 1/6 & 1/6 & 0 & 0 \\1/3 & 1/3 & 0 & 1/3 & 1/6 & 0 & 1/6 & 0 \\1/3 & 0 & 1/3 & 1/3 & 0 & 1/6 & 0 & 1/6 \\0 & 1/3 & 1/3 & 1/3 & 0 & 0 & 1/6 & 1/6 \\1/6 & 1/6 & 0 & 0 & 1/3 & 1/3 & 1/3 & 0 \\1/6 & 0 & 1/6 & 0 & 1/3 & 1/3 & 0 & 1/3 \\0 & 1/6 & 0 & 1/6 & 1/3 & 0 & 1/3 & 1/3 \\0 & 0 & 1/6 & 1/6 & 0 & 1/3 & 1/3 & 1/3 \\\end{bmatrix}}$$
### 初期状態ベクトル
初期状態では、点 $${ (2,1) }$$ にいる確率が1なので、初期状態ベクトル $${ v_0 }$$ は次のようになります:
$${ v_0 = [1, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0] }$$
### n秒後の確率
n秒後の状態ベクトル $${ v_n }$$ は以下のように求められます:
$${ v_n = v_0 \cdot P^n }$$
ここで、 $${ P^n }$$ は遷移行列 $${ P }$$ をn乗した行列です。最初の要素 $${ (2,1) }$$ にいる確率を求めるためには、行列 $${ P^n }$$ の第1列の第1行の要素を求めます。
### 計算
行列計算を行い、n秒後の確率を求めます。具体的な計算はPythonなどのツールを使用すると便利です。
```python
import numpy as np
# 状態遷移行列
P = np.array([
[1/3, 1/3, 1/3, 0, 1/6, 1/6, 0, 0],
[1/3, 1/3, 0, 1/3, 1/6, 0, 1/6, 0],
[1/3, 0, 1/3, 1/3, 0, 1/6, 0, 1/6],
[0, 1/3, 1/3, 1/3, 0, 0, 1/6, 1/6],
[1/6, 1/6, 0, 0, 1/3, 1/3, 1/3, 0],
[1/6, 0, 1/6, 0, 1/3, 1/3, 0, 1/3],
[0, 1/6, 0, 1/6, 1/3, 0, 1/3, 1/3],
[0, 0, 1/6, 1/6, 0, 1/3, 1/3, 1/3]
])
# 初期状態ベクトル
v0 = np.array([1, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0])
# n秒後の確率ベクトルを計算
n = 10 # 例えば10秒後
vn = np.linalg.matrix_power(P, n) @ v0
# 点(2,1)にいる確率
prob_2_1 = vn[0]
prob_2_1
```
これにより、n秒後に点(2,1)にいる確率が求められます。具体的な数値はnに依存しますが、一般的にはこの手法を用いて計算することができます。