思わせぶりな女になったかもしれない話
最初に断っておきたい。これは、私から見た世界の話である。私がこう感じて、こう思ったというだけである。相手から見たら、全く別の世界が見えているかもしれない。フィクションだと思って、読んでいただきたい。
丁度、1年前くらいの話だろうか。
彼のほかに、InstagramのDMでやり取りしている、1つ年下の男の子がいた。その男子は、彼とも同じコミュニティの中にいて、いわば共通の知り合いだった。その頃、私はそのコミュニティにすっかり顔も出さなくなっていて、全くと言って接点がなかった。
しかし、あるとき、櫻坂に関する投稿をしたところ、反応が来たのだ。元々、お互いに坂道アイドルのヲタクであるという認識はあったし、話したこともある。しかし、まさか連絡が来るとは思わなかったから、正直驚いた。
私は、本当に近しい人にしか、彼氏がいることを打ち明けてはいなかったし、わざわざそんなことを言って、壁を作るのも相手に悪いと思ったので、すぐ終わることを期待して、やり取りを続けることにした。
しかし、結局数か月にわたってやり取りをすることとなった。
さすがに数週間になったとき、彼にもやり取りをしていることを打ち明けた。
しかしながら、共通の知り合いということもあり、特に何も咎められることもなく、時は過ぎた。
やり取りをするうちに、グッズの交換をすることにもなったが、2人で会うのはさすがに違うので、もう1人を巻き込んで、昼休みの5分程、3人で会った。本当にやり取りをする以外のことは何もなかった。電話すらしていない。ただ文面で話をしているだけだった。私の中での浮気の基準は2人で会ってからである。それを避けるということだけは、何としても遵守していた。本当に私にとっては、ただの後輩で、彼しか恋愛的に好きではなかった。急に連絡を絶つのも違う気がして、ただ長くなってしまっただけである。
時が経ち、彼がコミュニティに顔を出す機会があり、話の流れから、その後輩に彼が付き合っていることを打ち明けたらしい。その後、聞きましたよと後輩からも連絡がきた。
そこから、しばらく連絡を続けたけれど、ある日突然返信がなくなった。
私からしても、いつかやめなくてはと感じてはいたから、ある意味良かったのかもしれない。
投稿はたまに見かけるから、生存はしているし、浮上もしている。
やはり、私が鈍感なフリをしてしまったのだろうか。
最初はもちろん、彼氏がいないものと思って連絡をしてきたはずである。
でも、言うタイミングを失って、私から恋人がいることは言わなかった。基本的に、私は、タイミングを見つけて恋人がいることは言うようにしているのだが、今回はいかんせん、同じ趣味を持つ相手であり、話が途切れることもなく、打ち明けるタイミングが難しかった。
そして彼氏がいるのを知って、しばらくたった後にやり取りは途絶えた。
勘違いでなければ、私は思わせぶりなことをしてしまったということになる。2人で会おうとかもなかったし、電話をしようともならなかったから油断していた。私が大嫌いな、「思わせぶりをする女」となったのだ。
今日、久しぶりに大学内ですれ違った。
多分気づいたであろうに、知り合いでないふりをされた(気がする)。
私は、とんでもないことをしてしまったのかもしれない。
きっと、後輩も、そして彼も、何かしら、嫌な思いをしただろう。
嫌な思いをしたから、後輩に打ち明けたのだろうと予測している(違ったら恥ずかしいが)。
私の勝手な判断で、傷つけてしまった気がする。
浮気未満とも、なんとも言えないような関係性ではあるけれど、それでも、私のズルズルした態度が良くなかったのは間違いない。
この記事はせめてもの贖罪だ。
ここに書いたからと言って、私のしたことは消えない。
嫌な思いをさせたであろう事実が消えることもない。
でも、もう絶対繰り返すこともない。
男女の距離感は難しい。
ただ、同じ趣味の話をしたいと思っても、男女が1対1でやり取りをしていたら、それは浮気のようだと思われることもあるだろう。
元々、私と彼には、2人きりで異性と会うのはやめよう、物を受け取るときは、食べ物かグッズのみにしよう(これは私が言っているだけだが)という、ある程度、かっちりした決めごとがある。今回は、その決まりのギリギリを攻めてしまったということになる。
やはり、1対1の男女の友情は成立しないのかもしれない。