響きあう絵画 宮城県美術館コレクション
神戸六甲アイランドにある「神戸ゆかりの美術館」へ
「響きあう絵画 宮城県美術館コレクション」を
見に行きました。
宮城県立美術館では、東北地方にゆかりがある
作家の作品、カンディンスキーやクレーなどの
海外の作家の作品の他、エッセイ「気まぐれ美術館」
で知られている洲之内徹が残したコレクションが
所蔵されています。
私は洲之内徹のエッセイを読んでいた時期が
ありまして、エッセイで紹介されていた絵画を
見ることができてよかったです。
この展示会を知ったのは最近のことで
間に合ってよかったです。
1月26日まで開催されています。
あまり沢山の写真は撮らなかったですが
惹かれたり気になったりした絵を紹介したいと
思います。
宮城県と言えば松島ですね。訪れたことはないのですが。
高橋由一の「松島五大堂図」です。
油彩ですが、日本的な風情のある作品です。
満谷国四郎の「裸婦」です。
セザンヌの影響を受けているとの説明がありましたが、
水辺に佇む裸婦が、周りの自然と調和していて
しばらく立ち止まってしまうほどの素敵な絵だと
思いました。
椿貞雄の「鵠沼(くげぬま)或る道」です。
空は暗いほどに深い青なのに道は明るく、
一体いつの時刻なのだろうと思いながら、
その不思議さに引き込まれました。
清水登之の「地下鉄停車場」です。
フランスで描かれた都市で暮らす人々の絵です。
暮らしの中の一コマですが、その時代の人々の
息づかいが聞こえてくるような雰囲気とともに、
大きな作品で臨場感がありました。
次は、洲之内コレクションの作品が続きます。
洲之内徹は画廊主であり、エッセイ集「気まぐれ美術館」
で知られる文筆家でもありました。
最後まで手放さなかった作品が、洲之内コレクション
として宮城県美術館に収蔵されています。
松本竣介の「画家の像」です。
画家本人とその家族の絵ですが、大きな作品で
迫力がありました。自分の絵を描いていくという
決意や志を感じます。
松本竣介の「ニコライ堂」です。
私は松本竣介のニコライ堂の絵を、洲之内氏のエッセイで
知ってから興味を持ち、東京に行った際に、ニコライ堂を
訪れたことがあります。中にも入りましたが、
とても立派で厳かな雰囲気でした。
松本竣介の絵に詳しいわけではありませんが、
現実の街を描いていながら、どこか空想の中の
風景に見える絵があり、そのような絵に惹かれます。
6年ぐらい前に訪れたニコライ堂です。
私は教会や神社仏閣に行くのは好きですが、
信仰している宗教はないです。気にしているのは
「お天道様は見ている」ということぐらいです。
児島善三郎の「ギャルソンヌ」です。
この絵も、洲之内氏のエッセイの中で見覚えが
ありました。
少年と青年の間ぐらいの年齢でしょうか、
初々しさや危うさなど若さを感じます。
一度見てみたかった海老原喜之助の「ポワソニエール」です。
というのも、洲之内コレクションの中でも最も知られている
絵なのです。何年もずっと忘れていたのに、思いがけず
見ることができて嬉しかったです。
魚を入れた籠を頭にのせて、淡々と仕事に従事
している女性でしょうか。好きな絵です。
この絵も見たかったです。
長谷川潾次郎の「猫」です。
思わず触りたくなるような猫です。
猫の毛の感触まで伝わってくるような絵が
描けるなんて素晴らしい腕前です。
次は海外の作家の作品です。
ヴァシリー・カンディンスキーの「E.R.キャンベルの
ための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬」です。
躍動感のある抽象画です。よくわからないけど
見入ってしまいます。
同じくカンディンスキーの「活気ある安定」です。
こちらの絵は、先ほどの絵と比べると、
すっきりと整理整頓されているような感じがします。
色使いも明るくて軽やかです。
楽譜のようなモチーフもあり、音が聞こえてきそうです。
パウル・クレーの「ホフマン風の情景」です。
明るいベージュの背景の上に不思議な線描です。
同じくクレーの「力学値のつりあい」です。
太い黒い線描の背景は、ちょっと宇宙的な感じがします。
ハインリヒ・カンペンドンクの「郊外の農民」です。
赤い服を着た女性と馬や山羊などの動物たち。
物語の一場面かどうかわかりませんが、
見ていて心が和みます。
カンペンドンクの絵を見て、見たことがある作風
だなあと思っていましたが、以前に友人からもらった
小さなカードがカンペンドンクの絵だということが
帰宅して確認できました。
こちらも動物が愛らしいです。
最後に紹介するのが、瑛九の「影」です。
影から、あふれ出ずにはいられない光が感じられ
エネルギッシュな抽象画でした。
神戸ゆかりの美術館の「響き合う絵画」でした。
実は向かいのファッション美術館を先に見ていまして、
写真撮影はできませんでしたが、こちらも
ファッションや能登ガラス美術館の展示を
堪能しました。
以前に購入していたポストカードですが、
こちらの写真も見ることができました。
左の写真はココ・シャネルです。
一週間前のこの日は風が強くて寒かったですが、
美術館で過ごした時間は暖かかったです。
平日で人が少なくて落ち着いて鑑賞できました。