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海外挑戦する人向けの本「大事なことは、ソニーで学んだ」Kindleベストセラー獲得。
ソニーで34年間働いたうち、28年間を海外で勤務しました。香港、中国、台湾、ベトナム、オーストラリアと合計5ヵ国で働き、うち、3ヵ国で計17年間 現地法人社長を務めました。
色々な国、文化、価値観の中で生活をして、仕事をすることができ、グレイトな人々との出会いがありました。
この本では、海外駐在生活28年のうち、最初の赴任地香港・深圳のことを中心に書きました。中国・深圳は、私の仕事の原点となった場所です。
社会人になって3年目の20代から30代にかけての多感な頃に、経済開放が始まったばかりの中国市場開拓を担当しました。仕事はキツイし、危ないし、街は汚いし、売り上げも上がらない。
せっかくソニーに入って、海外駐在になったのに、路地裏で泥まみれになって這いずり回り、正に大ハズレを引いたように思っていました。
しかし、あれから30年近く働くことでよく分かったのは、逆境の時代にこそ、人は色々と学ぶし、成長する。
なんならキャリアのハイライトもその苦境時代にあるということです。最近スポットライトを浴びているNVIDIAの黄社長はこう言っています。
「単に賢い人はあまり役に立たない。困難を経験して、忍耐力を養い、人格を磨いた人達がグレイトな仕事を成し遂げる」と。私には彼が言わんとしていることがよく分かります。
もし、本書を読まれている人の中に、自分は今、逆境の中にいて、もの事が上手くいかないという方がいれば、それは大変なことだろうと思います。
しかし、頑張ってそこをやり切ると、後々になって、それは実はとてもラッキーだった、ということになると思います。その経験が将来かならずや大きな成果をもたらします。
私が言わなくても、NVIDIAの社長がそう言っています。どうぞ安心して、逆境をエンジョイされてください。
最近では海外に行きたくないという若者が多いと聞きますが、私は、それは、大きな機会を逃していると思います。
変化が激しく、予測が不能で、かつ、多様性の時代(VUCAの時代と言います)、窓から同じ景色を何十年も見ながら同じ場所で働くのが一番リスクのある時代です。
日本はとてもよい国ですが、長い人生、日本から大きく離れた文化、価値観のあるところで働いて、自分の中の多様性の幅を広げておくことが、これからのキャリや人生を豊かにしてくれると信じます。
読者の中から一人でも、本書を読まれることにより、背中をおされて日本の外の世界を見にでかける人がいれば、幸いです。