マニュアル文化の終焉。
どうもこんにちは(こんばんは)トムです。本稿もビジネスカジュアルな内容でおくりたいとおもいます。
■マニュアルは大事。
まず、この記事でお伝えしたいのは「マニュアルなんかに頼るな!」という話ではございません。大前提としてビジネスの現場がいかに良質か?を決定づける要素として「良質なマニュアルが運用されている」ことは絶対条件です。
マニュアルのない(ルールも文化もない)会社など確実に滅びます。そんな現場で働きたい人はいません。
正解・不正解がハッキリした現場で正しく働きたい人の方がルーズな人よりも圧倒的に多いです。真面目な国、日本の特権でもありますから、正解・不正解のハッキリした仕事のマニュアルは必ず用意して社内の取り組みは整理しましょう。
■マニュアル文化までの歴史。
遡ると産業革命促進時、資本主義社会で一番最初に起きた革命はフォード社(車屋さん)の「大量生産」でした。(1914年頃)
18世紀より大量生産主義的な産業競争は発生していたのですが、その完成形としてフォード社は『フォード式』という、今なお語り継がれる圧倒的な工場大量生産技術を実現しました。(決定打はベルトコンベアの導入だったと言われています。)
これにより「手の入った良いものは高く、手の抜かれた悪いものは安い」が常識だった歴史が覆り、ニーズのある良質な商品も大量生産によるコストダウンで誰でも手に入る価格帯で販売できる時代が到来しました。
次の大変革が「マニュアル文化」の到来と私は思っています。マニュアル文化の発祥…というと語弊がありそうですが基本的にはアメリカ由来の文化です。
アメリカは合衆国で移民国家のため、肌の色も文化も人間性も宗教も、みんな違います。そのため、共通の場で協力したり、コミュニケーションするためには常識よりルール(マニュアル)の方が重要になります。そのため、アメリカでは殊更に、そして急速にマニュアルが発展していったと言われています。
そしてそのアメリカ由来の「マニュアル文化」は全世界へ展開するフランチャイズビジネスの普及において絶大な効果を発揮しました。そうです、私の前職でもあるマクドナルドが全世界にアメリカ由来の「マニュアル文化」を一気に流行させ、世界の新しい常識にしました。
製造工程や組織の成り立ち、人間関係のコミュニケーションもすべてマニュアル化し、かつその後発生した事故・事件も再発防止策を盛り込んでマニュアルアップデートを継続することで、全世界にある全店の人材や場所による商品および応対格差を解消しました。
これもまたすごいことです。
それまでは飲食ビジネスといえば、例えば素晴らしいレストランがあれば、そのレストランにすごいコックがいて、すごいウェイトレスがいて、内装もおしゃれで綺麗…そんなお店に是非通いたい!と口コミで地域のお客さんが増えていくといったビジネスモデルでした。
なので、そのレストランのサービスを受けられるのはそのレストランに行ける国や地域の人に限定されていたということです。ですが、マクドナルドの徹底したマニュアル文化の導入により、全世界どこでも同じレベルの同じ名前のレストランが展開できるようになりました。
日本においても飲食業界は職人色が強い業界でした。ですが、一人の職人がすべてに関わらなければいけないビジネスモデルよりも、全員が同じルールで、同じ動きをして、基準以上のサービスが提供〜維持できるビジネスモデルの方が当然強く、結果的に飲食業界の市場はほぼマニュアル文化のチェーン店が占めるようになり、職人たちの大半がその存在意義を失うこととなりました。
■ネクストステージは全体最適×個別最適。
それでも時代は進み続けます。
昨今では飲食チェーン店が飲食店の殆どを占め、マニュアル文化でない店舗のほうが少ないと言えるほどにマニュアル文化は飲食業界に浸透しました。
それはつまりマニュアル力で企業間の差別化・あるいは競争優位性は生めない時代になったということです。
ではどうすればマニュアル力を超えた差別化が生み出せるでしょう🤔?
私が前職で考えたのは全体最適(マニュアル)×個別最適(スペシャル)という考え方でした。
例えば前職では、マニュアル力を信ずるあまり、店舗によってマニュアルと違う人の輪やルールが築かれていると「弊社に向かない。働き方をどの店舗でも同じルールで揃えなきゃダメだ」とお偉い方に言われます。
参考に他県や他社や過去の素晴らしい取り組みなどを沢山紹介されます。
それを信じて人材をマニュアルに揃える努力をしていてわかったことがあります。
この立地では無理だし、無駄な努力だと。
まず私が担当したエリアは東京に対して人口が25分1という極小マーケットでした。東京ならば代わりが25人いても私の担当したエリアでは1人しかいないのです。同じルールで人と向き合える訳がありません。
そしてマニュアル通り(全体最適)論者はこの25倍の格差を理解していません。 そんなのは言い訳でおれは昔どうにかしてきたんやと過去の自慢話が咲き乱れます。(「だったらこのエリアとっくに良くなってるはずやろ…」)と心の中で仮説をたててマニュアルを否定しないままマニュアルだけで乗り切る努力はやめようと決心をしました。
■人も環境
先の東京との人口25倍格差を考慮したとき、つまり店舗に存在する「人も環境」であると考えるようになりました。例えば左開き固定ドアの冷蔵庫を購入した場合、その扉は右には開きません。…当たり前ですよね。
東京なら25人、目の前の従業員の代わりが潜在的に人口として存在しますが、私の担当したエリアには目の前の従業員の代わりが潜在的に存在しません。これは先の左開き固定ドアの冷蔵庫が右には開かないのと同じレベルの事実です。
そう理解してからわたしは立地や顧客よりも店舗で定着してる人材に合いそうなサービスや改革を行うようにしてみました。
普通はみんなで同じことを一斉にやるのがチェーン店の基本です。あるいはサービスの導入も立地条件にあわせて顧客にニーズのある取り組みをすることがビジネスならば当然のことです。
ですが、この店舗の従業員ならこういうアクションが盛り上がりそうだな?…と、店舗ごとの従業員のキャラクターに合わせて導入するサービスや展開を考慮するのです。
これは堂々とはなかなか言えない私なりのアクションでした。(お客様やマニュアルより従業員に合わせてサービスを思考するなんて基本ダメです。)
■人事異動しても店は変わらない。
でも、ここには東京の25分の1しか人がいないんです。都会の25倍ややこしい街なんです。
8年の間に6店舗経験しましたが、人を変えても店は変わらないことにも気付きました。むしろ店のキャラクターに人も染まっていって本来の強みが薄れていきます。そうして店舗と相性が悪い従業員は辞めていきます。
だから途中から人事も店舗との相性しか考えないようにしました。
通常の人事のように得意・不得意という『スキル』で人材を見て、店舗の不得意を補填しようと人事異動をしても店は変わらない。ならば、もう変えようとしない。そのまま成功させるプランを考えればいい。という発想です。
その店舗の従業員のキャラクターにあう人材を結集させて得意分野で売上を伸ばす。利益を出す。そこに特化した施作ばかり考える。すると、その店舗の人たちに向いたことをやるため従業員の士気は上がり、人材も相性のいいメンバーで固定するため退職率が下がり、店舗ごとに違うサービスに特化していくため同マーケットでのお客さんの食い合いが減り、店舗ごとに相性のいい客層が通うようになりました。
チェーン店としては…売り物や基本は同じですが、特化する部分が異なります。ので、チェーン店としてはちょっと違う…という状態になります。
ただ私はこの状態が今一番ベストなサービス(他社との差別化された最適な状態)なのではないか?と実施して思っています。
全体売上も利益も伸び、何よりサステナブル(持続力)が強い布陣になりました。
どこもかしこもマニュアル文化(全体最適)はもうやっています。コンビニも飲食チェーンもみんな必死にやっている。…だからマニュアル文化(全体最適)だけでは優位にはなれないのです。
自分の置かれた立地。人。歴史。
…店舗変われば国変わる。
そのくらいの気持ちでその国に最適なサービスやツールを導入していくスペシャル文化(個別最適)を、よりミクロなレベルでマニュアル文化の上にブレンドしていくことが今後の組織論や他社との差別化、ブランディング向上、サービスレベルの向上になると私は考えています。
■転職したら…
まだこれは仮説段階の内容を今日は書きましたが、次の職場ではこのマニュアル文化(全体最適)×スペシャル文化(個別最適)を立案していけたらいいなと思っています。
正直手応えの強くあったアクションだったので、成功するんじゃないか?と思っています。いずれ報告ブログ書きますね😎
そんなこんなでここまで読んでくださった方は神様です。🙏ありがとうございました。
正直、このマニュアル×スペシャルの説明難しくて後半の文章書き上げるのに2〜3週間かかってしまいました。
途中でもうやめようかな…と思いましたが、一先ず書き切りました😅駄文ですが何かヒントになる表現があれば幸いに思います。
それでは!次は気楽に書ける内容にしたいと思います。笑
またねー😋👋✨✨