気管支喘息について③

こんにちは。小児科医ゆうです。
このアカウントでは、お父さんお母さんの皆さんが医療に関する情報を見た際に出てくる不安を少しでも解消できるようにという思いを込めて投稿をしています。インスタグラムもやっているのでぜひ!


少し間が空いてしまいましたが。。🙏
今回は喘息の治療③と題して、喘息発作の予防の治療についてです。
これまで、
・気管支喘息とは、「ぜえぜえ」(=気管支喘息発作)を繰り返す病気のこと
・「ぜえぜえ」が起きた時の治療
についてお話ししてきました。今回は気管支喘息で一番大事な「ぜえぜえ」の予防についてです。


気管支喘息で最も大事なこと

結論から言うと、「ちゃんと予防をして気管支を育てること」です。
どういうことか解説していきます。

気管支喘息が続くとどうなるのか

気管支喘息は、①でも解説しましたが、「ジワジワ気管支に炎症が起きている状態」です。これが続くとどうなるのかというと、気管支が成長しなくなってしまうんです。本来なら体と同じように、気管支も大きくなりますが、喘息をこじらせていると気管支が育たず、他の同年代と比較して肺の機能が弱くなってしまうことがあるんです。そのために予防の治療が大事になってきます。

予防治療について

①ロイコトリエン受容体拮抗薬
何やら名前の長い薬が出てきました。
「(成分で)〇〇カスト」という名前の薬です。これは飲み薬で、1日1回の薬なのでそこまで負担はないと思います。前回にも書きましたが、「ぜえぜえ」の時に出されることもあるものの、正確には予防に分類される薬です。「ぜえぜえ」に対する効果というよりは、「ぜえぜえしているということは喘息持ちかもしれないし、良くなった後にちょっとしたことでまた悪くなっても嫌だから一時的に使っておこう」というイメージで出される薬です。

②吸入ステロイド薬
これは1日1〜2回吸うお薬です。吸い方は
・すごく小さい子(幼稚園前ぐらい)なら吸入器を使って、
https://a.r10.to/hNFhrR
・小学校低学年ぐらいまでなら「スペーサー」という器具を使って、
https://a.r10.to/hPnsAJ
・それ以上ならそのまま
吸入する薬になっています。
吸入器だと5分ぐらい、スペーサーでも1分ぐらいはかかるのでそこそこ大変ではありますが、さっきお伝えした通り予防が最も大事なので頑張って続けて下さい。
ちなみにこれ、前回お話しした「ぜえぜえ」の時の吸入薬とは別の薬です。
「ぜえぜえ」の時に吸入ステロイドを使ったり、予防として「ぜえぜえ」の時の吸入薬を使っても意味がないのできちんと使い分けて下さい。時折逆に使っている方を見るので。。。

喘息の予防の薬は上の2つが基本になります。それに加えて
・テオフィリン
・アレルギーの薬
などを使うこともあります。

今回は喘息の予防治療についてお話ししました。
なってしまった喘息は仕方がないので「大人になるまで喘息を持ち越さない!」というのが一番大事なことです。そのためにはこれらの毎日の予防治療がとても大事になってきます。毎日の吸入って結構大変だったりすると思いますが、よろしくお願いします!

ゆう

いいなと思ったら応援しよう!