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“いったいどうして食べるのか”《マガジン“新書沼にようこそ” vol.20》

『毒があるのになぜ食べられるのか』/船山信次

食べ物は生きていく上で欠かせない栄養素を含むものですが、その食べ物が薬にも毒にもなるのです。食べ物の毒といえば、きのこやフグが有名ですが、ジャガイモやホウレンソウやレタス、梅やリンゴやマンゴー、お茶やコーヒー、ホタテガイやアワビや海藻にだって毒はあるのです。
毒にも薬にもなる食べ物といかに上手に付き合うか、そこに心身の健康の鍵があり、生きる力の根源が秘められています。日々口にする食べ物の毒とどう向き合えばよいか、毒のことに詳しい薬学者が丁寧に教えるとともに、飲食物と薬との相互作用にも言及します。

「表紙そで」より概要

以前、こちらのマガジンvol.2にて紹介した『世界史を変えた薬』にも引用のあった船山信次氏の著書(2024年に日本薬史学会の会長に就任されたそうです!このたび名前検索して知ったのですが)。

比較的身近な植物である野菜などを中心に取り上げた、身の回りに溢れる「毒」についての読み物。

先に毒と薬は人間の都合で呼び方が変わっただけといいましたが、似たようなものに腐敗と発酵もあります。どちらも微生物の生命活動であるわけですが、そのうち、人間に都合の悪い場合を腐敗、都合の良い場合を発酵と呼んでいるにすぎません。

p34

こちらもvol.12にて紹介した『発酵の科学』にあった言葉ですね。
自分にとっての都合不都合で区別しているだけ。
一面的なものの見方をすることへの注意喚起になりますね。

こちらの本、既知のこと多いかなと思ってましたが、まだまだ知らないことも多かったです。

キャベツはほうれん草の次にシュウ酸含有量多いとか知らなかったし!
(ただし体に悪影響が出るレベルは、毎日2玉生キャベツを食べたとしたらくらいだそうなのでご安心を。)

面白かったエピソード部分を紹介させて下さい。

「秋茄子は嫁に食わすな」と言いますよね。

これって
①美味しい秋茄子を嫁に食わすなんて勿体無い、という嫁イビリ的な意味
②茄子は体を冷やすから、女性は食べすぎない方がいいという嫁の体を労わる説
の2つはよく聞きますが、

今回、新説が!!

すなわち、秋ナスにはコリンが大量に含まれるために性行動(衝動)が高まるという説です。そのため、秋ナスは嫁に食わすなというのです。というのは、秋に性衝動が高まって、たとえば十月に妊娠したとすると、翌年の八月ごろに出産となります。そうすると、翌年の農繁期にあたる時期にお嫁さんは大きなお腹をかかえることになり、重要な働き手が一人少なくなるというわけです。本当でしょうか?

p241

さて、どうでしょう?

関連本としてこちらもご紹介↓
何度も読み返してます。面白いです。
(またいつか改めて紹介させていただきたいです)

そして毒を食べると言えばこちら↓

あまりライトノベルに馴染みはなかったのですが、こちらは伏線回収などが面白くてハマりました。

コミカライズを中心に楽しんでます。
2種類ありますが、個人的にはこちらが好き↓


最後までご覧下さり、ありがとうございました。 どうぞ素敵な読書生活を👋📚

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樹田 和(いつきた なごむ)
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