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“その一滴が世界を変える”《マガジン“新書沼にようこそ” vol.2》

『世界史を変えた薬』/佐藤健太郎

もしこの薬があの時代にあったら、あの薬があの人物を救っていなければ、と考えるのは、歴史の愛好者として必然であった。もしコロンブスがビタミンCを知っていたなら、もし特殊アオカビの胞子が、ロンドンの病院のあるシャーレに飛び込んでいなかったら、間違いなく、現在の世界地図は大きく変わっていたはずだ。

まえがきより

今ではあるのが当たり前の消毒薬や麻酔薬、鎮痛剤。
それらがない時代のこと想像できますか?
もしかしなくても目に見えない細菌やウイルスによって変えられてきた人の歴史。
それに抗う戦いの軌跡はどんな推理小説よりも不思議と驚きに満ちています。

印象に残った言葉をひとつ。

いつの時代も、世界を変えるのは正確なデータと、それに裏打ちされた意志の力だ。

p97

医療現場の衛生環境改善に尽くしたナイチンゲールのことを評した一文。消毒薬を発見したゼンメルワイス医師の悲劇と合わせると胸に迫ります。

他にも興味深い話が沢山ありますが、一章ごとは短いので、読みやすいですよ。

著者の本ならこちらもおすすめ。

2014年発行のため、最新研究ではないのかもしれませんが、対話形式でスルスル読めます。
2024年版を希望したいところ。
とても面白かったので、いずれまたこちらのマガジンでも紹介したいと思います。


今回は少し短めですが。

最後までご覧下さり、ありがとうございました。 どうぞ素敵な読書生活を👋📚

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樹田 和(いつきた なごむ)
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