自己実現に近づくためのメンタルモデルというアプローチ
こんにちは。エドテック業界でITコンサルタントをしているkazu丸です。
自己理解を深めるためのフレームワークとして「メンタルモデル」をご紹介します。
メンタルモデルでは価値観の形成には適合期、自己統合期、自己実現期の3つがあると考えるのですが、順番に説明できればと思います。
自分の観念を書き換える難しさ
話を進める前に、前提として思考を現実化するためには、観念→感情→思考→行動→現実の流れを意識する必要があります。
例えば、部屋が綺麗すぎると落ち着かないという観念をもつ人は掃除に対してネガティブな感情を持っているので、掃除の優先順位が下がり、その結果現実として部屋がとんでも無いことになる。
これをいくら「掃除しなさい!」と行動に働きかけたり、「綺麗にしないとGが湧くよ」と思考に働きかけても現実に変化は無いですよね?
あったとしてもすぐにリバウンドしてしまいます。
そこで感情がポジティブに変換できるよう働きかけたり、落ち着かないのはなぜか?に寄り添うという観念へのアプローチが必要になります。
片付けをする時に「ときめく」か「ときめかない」かで判断する片付け方は有名ですよね。
まさに感情にアプローチをかけ、掃除に対する観念を書き変えている例だと思います。
ちなみにこの例は僕の妹の実例だったんですが、彼女が落ち着かない原因はセルフイメージが低いことにありました。
原因は両親からの兄との比較をされることにありました。
しかし、僕が一人暮らしを始めて比較される機会が無くなってからは両親の比較が減り、セルフイメージを保てるようになったことで、
綺麗な部屋にいる自分を認めることができ、部屋が綺麗さが保たれるようになりました。
観念って大切ですね。(しみじみと。)
『思考は現実化する』というナポレオン・ヒルが書いた名著がありますが、この本では潜在意識と顕在意識の話で観念の重要性を説明されています。
顕在意識とは、論理的な思考や理性、知性、意思、決断力のことであり、
潜在意識とは、観念・価値観・感情・感覚・直感・記憶・想像力のことを言います。
ポイントは、顕在意識は3-5%ほどしかなく、それ以外は全て潜在意識によって決定されているということです。
そのため、潜在意識をコントロールできるようになれば、思考の制約や行動の制約が緩和されて、思ったことが現実になりやすくなるということですね。
観念にアプローチをかけることはまさに潜在意識にアクセスすることになります。
詳しくはこちらをご覧下さい。
僕は他人の観念に気づくことと自分の観念に気づくことではハードルが全く違うと思っています。
特に自分自身のボトルネックになる価値基準に気づくためには自己対話力が求められますし、場合によってはそれはトラウマを呼び起こすことにもなったりと辛い作業であることがあります。
不安な方は専門家にやってもらうことをオススメします。
また、価値基準を形成している大きな観念は幼少期の原体験が関わっています。
メンタルモデルとは、自分の価値観の根幹を指します。
パソコンでいえばOSに影響を与える一種のプログラムのようなもので、その人のあらゆる発想や言動はどうあがいてもそれから逃れられません。
観念を紐解くのは難しいですが、メンタルモデルは考えるためのフレームワークになるので、一定の質で自分との自己対話をする手助けをしてくれます。
メンタルモデルを読み解くにあたっては、「すべての課題の原因は自分の内側にあり、自分が変わらない限り周囲は変わらない」という前提をマインドセットをした上で考えていただくことをお勧めします。
適合期
適合期は、何かが欠けているという痛みから作られるメンタルモデルで、主に幼少期の経験によって作り出されます。
このメンタルモデルは、過去の痛みを避けるために回避行動を生み出します。そこから作り出される現実は、必ずそのメンタルモデルが創り出す不本意な現実になってしまうという現象を起こします。
例えば、幼少期に習っていたサッカーで母親からの「〇〇くんの方が上手だね」という一言がきっかけで、誰かより上手にならないと褒めてもらえないという価値観が形成されてしまい、
それ以降親の機嫌を取るために大学を選んだり、就職先を考え、親が安定だからと押してくれた公務員になってから親元を離れ、
自分で人生を決断するフェーズになってからも今まで親が決めたことが正解だと考えていたために自分では何かを決めることができず、
自分のやりたいことが分からない悶々とした日々を送るようになってしまった。という実例があります。
この場合は適合期のメンタルモデルは「自分は何か欠けている」という感覚を持っており、
その痛みから逃れよう(過去の痛みを避けるために回避行動)と資格取得に駆り立てられたり過労になるまで仕事をしたりと欠けている部分を埋めるため、他者に認められるために頑張ります。
このメンタルモデルの持ち主が本来欲しいのは「ありのままの自分を認めてもらうこと」なのですが、頑張れば頑張るほど、さらに仕事が増えたり自己犠牲的になり、いずれパンクしてしまいます。(不本意な現実)
適合期のメンタルモデルの区分分け
メンタルモデルは大きく分けると4つに分類することができます。
価値なしモデル、愛なしモデル、ひとりぼっちモデル、欠損モデルです。
まずは、自分がどのモデルに近いのかを知ることが重要です。
価値なしモデル
<特徴>
・成果を出して自分の価値を認めてもらいたい
・人からの期待に答えたい
・人からの評価や商人が大事
・意味のあること以外やりたくない
・何か良くしていく課題解決が得意でどうしたらいいかをすぐに考える
・休まず動き続けてしまう、何もしない事が耐えられない
・勝てないゲームはしたくない。確実に勝負できる物を無意識に選ぶ
<代償>
・他人軸で生きるため、自分がなくなる
・常に他人からの評価や承認によって自分の価値が左右されてしまうため、ひたすら他人からの期待や目標に答えているうちに、自分が本当はどうしたいのか、何をしたいのかがわからなくなってしまう
愛なしモデル
<特徴>
・人に与えてばかりで疲れてしまう傾向がある
・思うように愛されずに失望したり、搾取されているように感じる
・ありのままの自分では愛されないと思い込んでいる
・大切な人との繋がりは自分から一方的に切れない
<代償>
・人に過剰に尽くして自分の真実を生きれない
・自分を愛してもらうために、自己犠牲的に愛を与えようとする
ひとりぼっちモデル
<特徴>
・もう1人でいいよと割り切っちゃってるから強い
・結婚しない人も多い
・人間関係で常に誰かが離れていくと思っている
・人に依存したくない
・あまり人を信用していない
・人のことを必要としない
<代償>
・常に自分や人、世界を割り切って捉え、決してなくならない孤独を抱える
欠陥・欠損モデル
<特徴>
・自分はできない。ポンコツだという漠然とした自己不信
・表に立つよりも裏で采配する
・他者と比較して、自分の至らなさが気になる
・不安から行動しがちなのでやる事が増える
<代償>
・人の中で安心して自分でいられない。心の平安がない
先ほど例に取り上げた事例は欠陥・欠損モデルの方でした。
また、この4つモデルはどれか1つというよりも複数の項目に当てはまることもあります。
その場合は、今一番現実に影響を与えているものは何かを考えてみてください。
僕の場合は、幼少期は欠陥・欠損モデルを経験していて、学生時代は愛なし・価値なしモデルを持っていました。しかし、現在の自分の環境に影響を与えているものはひとりぼっちモデルだと感じています。
適合期フェーズの自分のメンタルモデルが分かったら、ようやく自分の現在地が見えたことになります。
自己統合期
適合期とはいわば、自分の本来在りたい姿を否定される痛みから回避または克服することで生まれるものです。
自己統合期とは、適合期のメンタルモデルが形成される前の「自分の本来在りたい姿」を取り戻すことです。
具体的には自己受容をしていくことです。
それぞれのメンタルモデルごとにどのような自己を受容していく必要があるかをまとめてみます。
愛なしモデル
愛なしモデルは愛に対してギブアンドテイクであるといった観念を持っています。
そのため、自分が与えれば与えるだけ枯渇していき、相手からも同様の愛を求めるという考えや行動を取るので、まずは自分を無条件で愛せるかという軸にシフトする必要があります。
そのために時間はかかりますが、自己受容を繰り返していき、自己愛を高めます。
自己愛が高まると、相手から与えらることに枯渇することが無くなることに加え、相手の些細なことでも愛として受け取る事ができるようになります。
僕の場合は、自己愛を高めることができたワークとして思想瞑想とポジティブフィードバックがありました。
思考瞑想とはその日の出来事を良し悪しといった評価をつけずにどんな事象が起きたかを思い起こしたり書き出す作業です。
僕はこれを週に1回行なっています。
今週の出来事を書き出して客観的な目線で自分のフィードバックをしているんですが、「お、今週もなんだかんだ頑張ってたなおれ」みたいに自分を労っています。
ポジティブフィードバックは、他者から自分の良さや強みを教えてもらうことで自分の良さを認知することです。
真剣にやってみるととても面白いです!(恥ずかしさもありますが。笑)
僕はこれを今までの人生で所属したコミュニティの中で一番中の良かったメンバーに聞いてみました。
家族、小学校、中学校、高校、大学、前職に協力してもらったところ、良く見てくれていて、良く理解してくれていたんだなと発見が多く、と目頭が熱くなりました。。
人は誰もが自分がこの人生で見たい世界、今生のミッションをもっており、
幼少期に必ずそれは無い、という体験をして適合期に入ります。
無いと切り捨てる前の感情を思い出すことが自己統合期の入り口になります。
価値なしモデル
価値なしモデルは、他人へ承認軸を委ねてしまうので自分が自分の価値を認める「自己承認」を繰り返していき、自分軸への転換が求められます。
自己承認を高めるためには、「緊急かつ重要」、「緊急でなく重要」、「緊急かつ重要じゃない」、「緊急でなく重要でもない」の中で「緊急でなく重要」なことをするための時間を日常の中に組み込むことが大切です。
これは『7つの習慣』でも言われていたり、ビジネスマンであれば誰しも耳にしたことがあると思うので説明は省きますが、実行できるかどうかは別物だったりしますよね。
僕も何度も仕組み化に失敗したのですが、今は1日の中の1時間と休日全てが「緊急でなく重要」なことをするための時間として取っています。
予め余白をリマインダー機能などで押さえておくとしっかりワークします!
リマインダーとして、TODO管理ツールのTODOISTを使っています。
リマインダー機能や優先順位機能、そしてタスクの細かいプロジェクト化ができます。
ひとりぼっちモデル
ひとりぼっちモデルは、何か問題が生じたり大きな課題に挑戦する際に自分でやり抜いてきた成功体験を持っていることが多く、
それ故に問題が生じたときに自分でなんとかする、最終的に信用できるのは自分という考えを持っています。
しかし、客観的な視点や問題の当事者ではない人の方が全体を俯瞰することができるので実は周りを頼った方が早く解決できるという事実を認め、考えを転換していくことが必要です。
そのためには、「相談できる関係性作り」と「課題のシェア」をすることが求められます。(僕もひとりぼっちモデルなので、現在進行形でやっています!)
「周りを頼る」とか、「誰かに相談しましょう」とかは良く言われますが、ぶっちゃけそれが難しいんだよ!って思っています。。
相談が苦手な人ほど、いつピンチになった時でも自分が気軽に相談できるように準備をしておくことがポイントになるのではないかと感じています。
相談の仕方では、「自分の課題」と「自分の解決案」をシェアすることで、相手も課題をシェアしてくれるようになり、結果的に自分の警戒心も解けるという好循環サイクルが回ります。
まず、「自分から武装解除する」が鉄則ですね。
欠損モデル
欠陥・欠損モデルはセルフイメージが低いので、自分は凹凸がある状態もありのままで完全であり、ありのままで存在することを承認されることを認知する必要があります。
僕は3年前はめちゃくちゃセルフイメージが低くて、これを高めるために服をブランド物にしたり住む家をデザイナーズマンションにしたりといろいろとトライして見たのですが、
一番効果があったのは自分の在りたい姿を書き出してそれに成り切るということでした。
自分の在り方を考える上で参考になるフレームワークに「BeDoHave」というものがあります。
記事を載せたので、良かったら試してみてください。
また、先ほどご紹介したポジティブフィードバックも有効です。
いろいろ書きましたが、解除方法は1つではないと思います。
これを読んで、別の方法で効果的なものを知っていたり、やってみて新しい発見があったという方がいらっしゃったらぜひぜひシェアしていただけると嬉しいです。
自己表現期
自己表現期は、人生の目的が紐解けるかどうかで没入できるフェーズで、
自己統合の先にあります。
自分がこの世界に何をしにきているかを理解することが必要で、なろうとしてなれるものではなく、運ばれてゆくもののようです。
しかしプロセスが分かったら、自分が今どこにいるかを紐解くことができ、凄い勢いで理解が進みます。
なので、自分に対する解像度を上げることがポイントだと思います。
自己表現期に繋がるアプローチとして、ビジョン思考という考え方があると思っています。
こちらのnoteにまとめているので、興味があれば読んでみてください。
最後に
今回は『ザ・メンタルモデル』という書籍から自分なりに大事なポイントを抽出して、自分が実際にやってみたことを合わせて書いてみました。
自分のキャリアの方向性を模索しているときにドンピシャで心に突き刺さった書籍なので、ここまで読んで、より深く知りたいと感じた方はぜひ精読してみてください!
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