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弥勒の魅力「バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」三井記念美術館

東京駅周辺美術館共通券(2冊目)もそろそろ期限が迫ってきたので、三井記念美術館で開催中の「バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰」に行ってきました。

ガンダーラの仏像が好きという友人がいて、その影響を受けてこちらの展覧会へ行くことに。
過去からの弥勒信仰の流れを辿るだけではなく、タリバンのバーミヤン破壊が私が想像していた以上に酷いものだというのを確認する機会になりました。

展覧会の趣旨

バーミヤン遺跡は、アフガニスタンの中央部を東西に走るヒンドゥークシュ山脈の中にあります。この地域は、古くからユーラシア各地の文化が行き交う「文明の十字路」とも呼ばれています。渓谷の崖に多くの石窟が掘られ、その中に東西二体の大仏がそびえていました。大仏の周囲壁面には「太陽神」と「弥勒」の姿が描かれていました。

本展覧会は、東西二体の大仏を原点とする太陽神と弥勒の世界に迫り、特に「未来仏」である弥勒信仰の流れを、インド・ガンダーラの彫刻と日本の法隆寺など奈良の古寺をはじめ各所に伝わる仏像、仏画等の名品でたどります。

バーミヤンの大仏と壁画は、2001年3月にイスラム原理主義組織・タリバンによって破壊されてしまいましたが、破壊以前に行われた調査時のスケッチと写真によって、このたび壁画の描き起こし図が新たに完成しましたので、東京にて初公開いたします。

三井記念美術館

東大仏と太陽神から始まり、アジア、日本の弥勒信仰をたどる構成。
太陽神と弥勒菩薩のつながり、弥勒信仰がどう広がったのかを美しい仏像、繊細な彫刻とともに見ていくので楽しく見ることができます。
玄奘三蔵(三蔵法師)のシルクロードの旅路はコテンラジオで聴いたことを思い出しました。

バーミヤンの調査記録、壁画の書き起こし図、現在のバーミヤンの映像を含めて見ると、壁画には風化している部分があったとはいえ跡形もなく破壊され永久に失われたというのが何を考えてたんだろうと憤りを感じました。
なぜ権力者は文化を破壊する方向に行くんだろうか。過去の権力を否定するためだろうとは想像できるけれど、他のやり方にして欲しい。


重厚な雰囲気の展示室で見るとより厳かな感じがします。如庵を再現した展示室に《奉献小塔》が展示されているのも趣があってよかった。
大きな美術館ではないですが、充実した展示だったと思います。
平山郁夫シルクロード美術館の活躍ぶりがすごくて、行ってみたくなりました。

ビルのエントランス
《嶺》池田勇八
エレベーターホールでお出迎え


◾️おまけ
スープストックトーキョーでランチ。
「フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ」と「ゴッホの玉葱のスープ」のセット

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