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火の国熊本旅行記②九州の中心で愛を叫ぶ

なぜ熊本に行きたかったかというと、私が「大きいものが好き」というデカバカ単純な嗜好を持っているからに他なりません。
熊本にある阿蘇山の雄大さを子供の頃から知っている身としては、なんていうか定期的に訪れないと「血中デカ分濃度」が下がるんです。それは富士山とか他の山でもいいのかもしれませんが、そういう単独で名前のつく山と阿蘇山ではデカさの傾向が違うのです。

阿蘇山のデカ魅力の本質、それはなにより「包まれる感じ」・・・・
包容力です。

阿蘇山の包容力を語るためにまず阿蘇山の歴史をざっとおさらいします。


現在の阿蘇山ができるはるか前に4回の大規模な噴火があったと考えられています。
約27万年前、約14万年前、約12万年前、約9万年前の4回です。 特に4回目の約9万年前の噴火は規模が大きく、その噴火による火砕流の堆積物が海を隔てた島原、天草や山口県でも確認されています。
ちなみに最も遠いところは山口県秋吉台で確認されています。またその噴火による火山灰が北海道東部で厚さ10cm以上の堆積物として今も残っています

阿蘇山火口規制情報サイトより引用

読むだけでスケールのデカさに宇宙を感じる記述!!!!
九州のど真ん中からの火砕流が山口県にまで到達するなんて、まさに阿蘇は九州を形作った九州の母。九州のヘソ。
周囲118キロもある阿蘇の外輪山を裾野ととするならば、噴火前の山は富士山よりも高く大きな山だったのかもしれないんですよ・・・・!

これらの噴火活動で地下の大量のマグマが地上に放出されました。その影響で地下に大きな空間ができ、それを埋める陥没が起きて、阿蘇地方に大きなカルデラが形成されたと考えられています。
カルデラ形成後の約7万年前から以降、カルデラ内に中央火口丘群が形成でき、今現在の大きなカルデラの中心部に阿蘇五岳が並ぶ阿蘇山の姿になりました。

阿蘇山火口規制情報サイトより引用

そしてただのでかい山で終わらないのが阿蘇山の個性。
巨大噴火で流れ出した溶岩が地底に空洞を作り、そこが陥没してできた世界最大級のカルデラ。
私はそのカルデラにめちゃめちゃな包容力を感じているのです。だってぐる〜〜〜〜〜〜〜っと118キロの長い腕で守られてるような地形、私は阿蘇でしか見たことありません。

阿蘇の山に抱きしめられに行きたい・・・・

その思いは全く家族には伝わらないまま、私だけがやたら熱い家族旅行はスタートしました。

子供四人と夫婦、6人なのに誰も免許を持ってない我が家・・・。そう、最大の問題は現地での移動手段です。電車もバスもあるけれど、1時間に一本とか。初日は観光タクシー5時間コースで回ってもらいました。大型タクシーの運転手の原さんは60代くらいのベテランさんで、タクシーで回りながらいろんなことを教えてくれました。

2016年4月14日 21時26分34秒、Mj6.5、最大震度7の熊本地震で、阿蘇山も大きなダメージを受けたこと。その爪痕は、山の斜面に残る抉られた部分や、避難後使われなくなったままのドライブインなどで見ることができました。

阿蘇の火口でも爆発的噴火が起き、観光名所だった中岳火口は警戒レベルがずっと引き上げられ、そばに近づけない時期が続いていました。
しかし、2023年から警戒レベルが下がり、火口付近の修繕もやっと終わったということでした。

阿蘇大観峰から見える「阿蘇五岳(あそごがく)」。北側の阿蘇谷方面から阿蘇五岳を見た姿は、釈迦が寝ている姿を表した涅槃像に似ていると言われています。

阿蘇に来たら絶対に行きたいのが中岳の火口です。
火口は第一火口から第七火口まであって、時期によって活動が活発な火口が変わったりします。マグマは地下で繋がっていて、岩のそこかしこから湧き上がる細い噴煙。日々また山の形は変わり続けているのがわかります。

火山はいつもエネルギーを内に秘めた地獄みがある。
豚はいつもフォトジェニック。
15年くらい前に来た時にはなかった柵!!
柵がない頃は、普通に火口に転がり落ちられそうで怖かったんですが、噴火後に通路も全部補修し、手すりもつけられたそうです。地元の方の努力。

第一火口から見える不思議なエメラルドグリーンの火山湖に目を奪われ不思議がる子供たち。
「雨水とか湧き水に火山性ガスに接していろいろな物質が溶け込んでいるからです。 濃度の非常に濃い温泉ですね。」と原さんが教えてくれます。その温泉絶対死ぬ。だから熊本の温泉は「地獄」っていうんだなと一人で納得してみたり。

噴火活動が警戒レベル1以下でなければここまで近くに来られません。火山性ガスが発生したらすぐアラートが鳴り降りなければなりません。死ぬから。
いまでもラッキーじゃないとできないこの中岳火口見学。
2016年の地震で損傷したロープウェイはそのまま廃止になってしまったので、車で来るしかない場所。なかなかここまで来られないから、本当に中岳まで来られてよかったなあと胸を撫で下ろしました。

観光地や自然の景観を守ろう、修理保全回復に努める熊本の皆さんの努力をすごく感じました。地震のあとの大変さというのは離れた場所にはなかなか報道されません。
それでも、地元の皆さんの踏ん張りと頑張りを感じて、阿蘇はその包容力で見る人を抱きしめてくれているようだけど、本当は阿蘇だって抱きしめられているんだねえと思いました。


なぜか子供は石を積み上げるのが好き。異国のお子さんも何人も積み上げてて、多国籍参加の賽の河原。そうここは日本が誇る「地獄」。


鍋ヶ滝というのが最近人気が出て、お客さんが増えたんで予約制になったんですよ」
そう原さんが教えてくれたので、すぐに午後の空いてる時間を予約して行った【鍋ヶ滝】。

とても暑い日だったので、この滝のそばがオアシスでした。落ちてくる水が巻き上げる細かいミスト・・・薄い水の膜で髪も体も覆われたようになって、その粒ひとつひとつが熱を吸い上げて行ってくれる感じ・・・・

滝の裏側が歩けることで有名ということでした。
頭上のこのでっかい岩・・・なんでここ、こんなことになるん・・・???

鎌が滝の成り立ちの紹介看板。こういうの見るの大好きなんですが、子供たちはすぐどこかに行ってしまうので最近は写真に残し後で読み返すことに。
水の流れる硬い岩盤層と、その下の柔らかい層があって、落ちる滝の流れで少しずつ下の柔らかい層が侵食されて、こんなふうな巨大な大岩を頭上に残したまま下が歩ける構造になる・・・・。

自然が時間をかけて作り上げる造形に「マジか」と思うことばっかりです。

熊本旅行記まだまだ続きます🐻


全然関係ないのですが、定額メンバーの皆さんだけに愚痴らせてください。
本当に毎度毎度いろんなアホをかましてしまうのですが、昨日のは本当に痛かった・・・。

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