明日はどんな天気になるだろう
毎日いろいろな種類の考え事に追われて忙しいというのは錯覚で、 僕は一日中天気のことばかり考えているようだ。 起きてまず口にする飲み物、 会社に着て行く服、 移動手段、 持ち物、 昼ごはん、 散歩のルート、 明日の予定(今日は金曜日だ)・・・。 自分の気分で判断してると思っても、 その気分さえ天気に左右されてしまうわけだから基本的にはずっと天気に悩む生活を送っている。 自然を無視してこの世界を生き抜くことは不可能なので当然だが、 日常のありとあらゆることに天気が関与してくる事実に改めて驚いた。 季節の変化を楽しむフリをして洋服を買い替え、 いつが旬かもわからない食べ物を繁華街へ食べに向かう僕たちの生活には、 思いのほか天気が影響する。 大雨が理由なら遅刻が許される世の中なのだから、 いっそのことどんな出来事も天気のせいにしてしまえるのではないだろうか。 論理的な説明より饒舌な主張より、 僕は「天気」という理由にどことなく説得力を感じてしまう。 明日はどんな天気になるだろう。