【感想】死神の精度
私が読書にのめりこむようになったきっかけの本を紹介いたします。
その本が伊坂幸太郎氏著書の「死神の精度」という小説になります。
死神シリーズと称される。伊坂作品の代名詞の作品だと思います。
死神の精度は短編集になってまして、短くて中身の濃い物語が楽しめます。
あらすじは死神の千葉という男が仕事として死ぬ予定の人の前に一週間前後で現れ、「可」か「不可」という判断でその人が本当にしべき存在か否かを決めるというものです。
私がこの物語の中で好きな点は世界観と千葉のキャラクターです。千葉が仕事をするときは必ず雨という情景描写があるので死について扱っている分少し重たい空で空気感を感じることができます。
ですが、千葉は毎回雨なことを少し面倒がっているような節もあり、コミカルに描かれることで陰鬱な印象はありません。
ちなみに千葉は死神ですが骸骨ではなく普通の人の姿をしております。
そして基本的に感情の浮き沈みのないロボットのような千葉ですが人間界で唯一好きなものが「ミュージック」です。
仕事のたびにCDショップの視聴コーナーで様々なミュージックを聞くという描写があるのですが、なんともその表現などがおしゃれで私の心に刺さりました。
そして死神が仕事をするときは人間界とは時系列が異なるため、CDショップに訪れた際や様々な情景描写にて時代を感じる点や物語どうしのつながりなどいわゆる「エモい」を体験できます。
この作品は「死神の浮力」という長編の次回作につながっているので伊坂作品への入門としてもお勧めできる一冊になっております。
私のつたない文章では魅力を伝えきれないので是非一読してみてください。言葉で表現できないすばらしさを感じることだと思います。
実写映画化もされているので気になった方は是非。
以上
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