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#334 自分を商品化する時に大切な思考 〜専門性よりも○○が大事!〜

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日、キャリアコンサルタントの方と話していて、「自分で稼ぐ力」を付けるために必要なポイントとして、いくつか重要な示唆をいただきました。

私としてはかなり響いたポイントばかりで、これから何度かに分けてご紹介できればと思っています。今日はそのうちの1つをテーマである、「自分を商品化する時に大切な思考」についてまとめていきます。

フリーランスが必ず問われる質問「あなたは何屋?」

私は、IT企業に勤務する会社員で、業務アプリケーションのシステムエンジニア、マネジメント業務をコアの仕事として働いています。同時に、フリーランス型の自分で仕掛ける事業を小さくてもいいからいくつか手がけていくことを考えています。

会社員として、自分のやりたいことと会社の達成したいことを上手くリンクさせて、会社のリソースを活用しながら出来ることには面白さを感じつつ、同時にIndependentでいたい=会社に依存することは避けたい、と考えています。

だから、自分のコアなエンゲージメントポイント(仕事の中で、大きなやりがいや喜びを感じるポイント)との重なりが大きな分野で、能力と技能を活かすことで、他人がお金を払ってでも欲しい!と思ってもらえる価値提供ができる形を色々試しています。

その一つの形がフリーランスとして働く、ということになりますが、フリーランス同士だと「あなたは何屋さんですか?」という質問が飛び交うとのこと。
だから、自分は「○○屋で、こういう人向けにこういう価値提供をしています」と言えることが出発点です。

会社員であれば、「あなたは何屋ですか?」と聞かれたら「勤めてる会社の経営理念や事業内容」を言うだけでも会話が成立するので、まぁ楽なんですよね。
公務員も同じです。勤め先の事業内容を言うだけでもそれっぽくなるので、別に考えなくてもいい。だから「組織に埋没して個性を失う人」も一定数生まれてしまうと捉えています。

一方で、実際にフリーランスとして仕事をされている方は、多くの方が言語化できています。じゃないと、自分の事業の価値が伝わらず仕事にならないから当たり前といえば、当たり前です。

本来であれば、会社員であれ、公務員であれ、フリーランスであれ、「自分はこういう価値が提供できる人間です。今はその価値を○○会社で/○○役所で/個人事業主として提供しています」のように、「自分が」が最初の主語に来るべきですが、「あなたは何屋ですか?」の質問に対して、単に自分の勤め先の事業内容を言っているだけのケースがほとんどです。

食える専門家と食えない専門家

フリーランスは、それで生計を成り立たせている以上、「自分は何屋です」が答えられる状態になっています。また、「何屋です」と言えるだけの専門性も持ち合わせていることが多い。

そして、その専門性を武器に仕事をしていくので、さらに専門性に磨きがかかっていくわけですが、ここで「食える専門家」と「食えない専門家」に分かれるとのこと。

その分かれ道は何だと思いますか?

それが、本記事のタイトルの答えになってくるわけですが、「自身の専門性をソリューション化できるかどうか」です。

もう少し噛み砕いて表現すると、ビジネスには必ず何らかの形で「クライアント」がいるわけで、「クライアント」となる「相手」との間に、ブリッジをかけられるかどうか、ということです。

専門性は一般的に、磨けば磨くほど、素人からは理解しにくいものとなっていきます。
素人でも分かる表面的な部分をドンドン掘り下げていき専門性となるわけなので、それ自体はいいのですが、「食えない専門家」は、自分の専門性が相手に理解されないことに対して「理解しない相手が悪い」という発想になりがちです。

話はズレるかもですが、大学でみんなが眠くなる講義しかできない大学教授も同じです。アカデミックな分野では「専門家」と称されているかもしれませんが、「理解できない学生が悪い」と開き直っている人は「食えない専門家」の部類だと考えます。

一方で、「食える専門家」は、自分の専門性がいかに相手の課題解決に繋がるのか、ということを即座に言語化できます

相手の課題に好奇心を持ち、理解しようと努めたうえで、「自分だったら、自分の専門性を活かして、あなたの課題に対して、最低限こういうことならできるけど、どうですか?」がその場で言える

これこそが「自分の専門性と相手の課題の間にブリッジをかけること」、すなわちソリューション化するということです。

専門性を磨くことは、商品価値を高めることだからもちろん必要です。しかし、それで食える状態まで持っていくには、ソリューション化できることが大切。

単なるコンサルとディレクターの違い

相手の課題に対してソリューションを提案する、と聞くと「あぁ、コンサルティングということね」と理解されるかもしれません。

私が身を置くIT業界においても、単にシステム開発ができることだけでなく、クライアントの課題解決そのものを提案できるコンサルティングや、ITディレクターの価値が高まっています。

しかし、単なるコンサルティングと、ITディレクターには、上述した「専門性とソリューション化」の文脈で大きな違いがあります。

単なるコンサルティングとは、「相手の課題をモヤモヤした課題をあらゆる経営フレームワークを用いて分類・分析して、課題の仮説を提言する」ことに留まります。
しかし、このアプローチは皆さんもお気付きの通り、生成AIの発展により、有象無象の怪しいコンサルの提案よりもかなり精度の高い提言が実現できるようになるでしょう。

一方のITディレクターとは、あくまで自分の専門性が起点にあり、それをもとに相手の課題にアプローチできる。だから、単なる課題と示唆の富む提言に留まらず、実装までの道筋を描き、形にするところまでリードします。

この、ただのコンサルではなくITディレクターを、の発想が「食える専門家」になるために超大事なところです。
もちろん、専門性を発揮するところはITに限らず、あらゆる分野で単なる「○○コンサル」でなく「○○ディレクター」として自分を商品化できるか。

私自身の考えもキャリアコンサルタントの方に話したのですが、まだディレクターとしてのレベルに達しているとは判断できない、とのフィードバックを受けました。

私という商品の価値は、適切な会社に持っていけば「高く売れる専門性」という評価です。
しかし、あくまでもそれは「雇われる前提」。

「雇われる前提」でももちろんいいのですが、欠点は業界の収入平均にどうしても左右されるということです。
自分がやりたいことの業界平均年収が高ければ、「雇われる」のもいいと思いますが、そうでない場合どうしても収入ダウンになる確率は上がります。

また、「自分でこういうことをすれば、これくらいの収入にはなる」という実感を持つことが大事だと思ってるので、そう考えるとちょっと違うなと。

自分の価値について、具体的な考えを伝えて、キャリアコンサルタントの方から客観的なフィードバックをもらえたのは非常に大きい機会でした。しかも、その方も会社員からフリーに独立された経験をお持ちなので、アドバイスがイチイチ突き刺さります。

次回は、私が考えている「自分の価値」を題材に、ディレクターとしてソリューション提供するための思考プロセスについて、ご紹介します。

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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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