#194 何かを始める時の2つのルール
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
今日は、私が普段心がけている、何かを始める時の2つのルールについてご紹介します。
私は現在管理職の役割で仕事をしているのですが、管理職の役割に就く前から、チーム内のエンゲージメントを高める取り組みを勝手に企画して、色々と試してみることが好きでした。
過去に「仕事が楽しくない」という職場の後輩の話を聞いたことがきっかけで、色々社内でエンゲージメント向上のための企画を立ち上げて実行していた話の詳細はこちらにまとめていますので、こちらもぜひご覧ください!
他にも、社内で新規ビジネス創発のミッションを担っていた際は、自分の興味が赴くままに、単身でひたすら色んな地域の方に飛び込み営業を重ね、そのうちのいくつかを具体的なプロジェクトにして案件化することができました。
「飛び込み営業」と聞くとネガティブな印象を持たれるかもですが、少なくとも私目線ではGive firstの精神で取り組んでいたため、先方から無下に断られたり無視されることは全くありませんでした。
「おそらくこの人はこういうことで困っているのではないか?」「自分たちの得意技と相手の得意技を掛け合わせるとこのような面白いことができるのではないか?」という提案を重ねました。
先方も「本当はこういうことがしたいけど自分たちだけではできないから一緒にやりたい!」というスタンスの、熱い方々ばかりでしたので、そんな出会いも日々ワクワクして取り組んでいました。
このように、「これまでやったことがない新しいことにチャレンジして、その反応を見てみる実験」が好きな私は、「何かを新しく始める」ことが多いです。
一方で、新しいことを始めるばかりでは、自分自身がキャパオーバーでパンクしてしまいますよね。最近、チャレンジの総量を増やすためにはどうしたら良いか、と言うテーマで人と話したことがあるので、2つご紹介します。
何かをやめることと常にセットで考える
これは色々なところで言われていますが、何かを自分の日々の時間にプラスするためには、当然マイナスすることが必要です。
何かを始める時には、始めるほうばかりに注目が行きがちですが、その代わりに自分は何を捨てるのか、という取捨選択が必要です。
2017年の記事となりますが、アメリカ当時のトランプ大統領は、行政機関に規制緩和を義務付ける大統領令に署名しているのですが、内容は「新たな規制を1件導入する時は、既にある規制を2つ以上撤廃する」と言う考え方で、私たちの生活の中にも参考にできるものと捉えています。
以前、自分の1日の時間ポートフォリオを見直して見たことがあるのですが、冷静に1日の時間の使い方を見ていくと、投資対効果が低い時間というのが浮き彫りになってくるんですね。
もちろん、忙しい現役時代は特に、子育てや介護などどうしても自分ではコントロールできない時間もあるのですが、まずは自分で何とか調整が可能な時間がどこにあるか、30分でもいいので見つけ出す作業からスタートします。
私の場合、自分の時間を作り出す、という面では、そもそも時間外労働を減らすことから始めました。始めのやり方に慣れるところでは、どうしても時間をかけて習得することが必要でした。しかし、30代になってからは時間ではなく成果で勝負!と考え方を切り替え、いかに時間のコンデンス(濃度)を上げていくか。集中力が高いところで一気に仕事を終わらせてしまうか、に考え方をシフトさせました。
この感覚で取り組んでみると「1日8時間勤務」でもかなり長いと感じるようになりました。時間あたりの濃度を考えると「1日4〜5時間」くらいが限界で、定時で帰る日であっても最後の1〜2時間はあまり脳が回らないくらい、頭がヘロヘロになります。
そして、特に管理職としての仕事に目を向けると、やはりマネージャーの立場だからこそやりやすい仕事に集中して、チームのレジリエンスを高めることが重要だと思うんですよね。
目の前の業務上の仕事でいっぱいいっぱいになってしまっていては、とてもではないですが「チームのエンゲージメントを高めるための仕事」なんて手が付けられません。
だから、「常に片手を空けておく」くらいがちょうどいいのです。自分で手を動かした方が早い、は確かに早くなる面もあるかもですが、自分でしか動かせないことを動かせなくなってしまいます。
やめる、見直す期限を決めてスタートする
もう一つありがちなのが、無期限でとにかく初めてみよう!ではじめたものが、ダラダラ続いて自然消滅するパターンです。
「とにかくやりながら見直していけばいい」は、変化が激しい時代において初動を早めるためには正解だと思うのですが、何でもかんでも「とにかくはじめてみればいい」だけでは、そのうちどれも中途半端になってしまうのは目に見えています。
私の感覚では、何かを始めるときに一番怖いのは、チャレンジが失敗することではなく、最初は勢いのあったチャレンジが徐々に目新しさを失い、関係者も飽きがきて、誰もやめると言わないから仕方なくダラダラ続ける状況に陥ってしまうことです。
会社の規定も日本の政策も、似たような話が次から次に単語だけマイナーチェンジされて出てきたりする理由もここにあると考えています。
何かを始める時にこの取り組みの期限は〜〜まで。そこで面白くなればラッキーだし、思ったほどでもなければ別のチャレンジに切り替える。これを決めてスタートできるかどうかは、かなり大きいと思っています。
日本企業からは新たな取り組みがなかなか出てこないというのも、正確には「新しいことを始めるのが苦手」なわけではなく「何かをやめることが苦手」なんだと理解しています。
何かをやめることをしやすくするためには、あらかじめやめるタイミングを決めてスタートさせること。これに尽きるのかなと。
まとめ
何かをやめることって勇気がいるんですよね。
はじめることはポジティブな印象があるけど、やめることはネガティブな印象があるから。もう少し解像度を上げると、やめてしまったことで何か問題が発生して責任を負うのが嫌だとか、誰かがやっている取り組みをやめるということは、その人の取り組みを否定しているようにも思えてしまうから。
だから、あらかじめ「やめやすい設計」をして「何かを始める」。
1週間だけやってみる、とか1ヶ月だけやってみる、くらいの「やめること」を前提としたチャレンジであれば、チャレンジを始めること自体への心理的ハードルも下がりますから、ぜひオススメします!
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!