#376 月々の個人損益計算書を振り返る(2024年)
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
先日は、自分の「人生貸借対照表」を考えるべく、社会人になるまでにおいて、貸借対照表の右側を大部分を占めていた親からの教育や国からの補助といった「他人資本」を、左側の「資産」に変えていったか。
仕事をし始めて自分で稼ぎを作った「自己資本」を投資して、「資産」に変えてきたのか、という点を振り返りました。
今日は、視点を「損益計算書」に移して、この2024年のお金の使い方を振り返ってみたいと思います。
はじめに、月々の黒字・赤字の理由を分析していくにあたり、よく見る「損益計算書の構造」を再掲しておきます。
会社ではなく、個人としての損益計算書を考えるにあたってのポイントとしては、「売上高を手取り収入で見るのでなく、会社の天引き前(=給与明細には表れてこない、会社が従業員の肩代わりで支払っている社会保険料も込みで)で見ること」、「月々の売上原価や販管費の中身を見て、適切な黒字・赤字になっているかを判断すること」の2点かなと思います。
そのように考えると、会社員として働いている私の場合、まず売上高の3割以上が「売上原価」として差し引かれている事実が分かります。売上原価には、家賃に代表される固定費と、一応変動支出ではありますが、私の場合、変動収入に応じた変動支出とはできていない光熱費や食費があります。(ボーナスが上がったから、高くても美味しいもの食べたい!みたいなふうにはあまり考えず、美味しいもの食べたくなった時に食べる!みたいなことです)
子育てに必要なお金もその他でかかってきますから、そもそも粗利を算出する時点で、元々の売上高の半分以下になっていることが分かります。
そこからさらに販管費を引いて、月々の営業利益が黒字か赤字かをこれから見ていきたいのですが、売上原価や販管費に含まれるうち、中長期で見た時に収入を上げていくための自分自身への教育投資に回せているものがどれくらいあるか、を考慮して、振り返っていきます。
ちなみに、個人において当期純利益は、法人税ではなく所得税などが該当すると思いますが、単なる賃上げだけでなく手取り収入に着目するのが大事だということが改めて分かりますね。
月々の黒字・赤字分析
はじめに2024年10月までを振り返り、月々の黒字・赤字を見ていきたいと思います。ちなみに私は、給与収入やクレジットカード支払などを全てアプリで紐づけているので、月々の状況がすぐに分かる状態になっており、改めて振り返りをするにあたり、やはり「見える化」が重要だということを再実感しています。
なんと、赤字の月が年間4回も!
トータルの金額ベースでは、年間通じて自分が内部留保として残したい分は、当期純利益の蓄積を貸借対照表側の自己資本に加算できているので、まぁ良いかなと。ちなみに、独身時代は、ボーナスが入ってくる月2回以外は全て赤字だったように記憶している(=月々の赤字をボーナスで埋め合わせしながら生きていた)ので、やはり結婚するとこの辺りの経済メリットは地味に大きいなとも感じました。
2月の赤字分析
赤字の月を見てみると、2月については、明らかに子連れ2週間のオーストラリア旅行に出た時の事前予約で諸々かかったお金によるものです。
これは、「自分自身への教育費」でもあるし、家族の思い出にもなっているので、いい赤字だと判断しています。
ここでお金を使わなければ、そのまま貯蓄に回るだろうけど、銀行預金として置いたままの状態では何の価値も生み出しません。半年以上経ってもオーストラリアにはまた行きたいと思えているし、日々現地でマガジン記事も書いていたので、今でも現地での記憶が鮮明に蘇ってきます。
そういう意味で、知らないものを知るための勉強代として、大きくお金を使うことも大事だし、大きく使った分、写真だけでなく文章も残しておくことで、使った分のリターンを最大化できることも理解できた経験となりました。
「家族旅を綴るシリーズ」は、今後も続けて行こうと思います。
7〜9月の赤字分析
このあたりで支出が大きくなったのも、国内旅行が原因です。
8月には、倉敷と高松に子連れ1週間旅行に行き、家族の思い出を増やすことができただけでなく、大原美術館で美術館の面白さを知り、小豆島でのんびりした時間を時間を過ごすことができました。
10月に参加した狂犬ツアー@長門湯本では、3歳の子どもと初めての2人旅ができただけでなく、地方で付加価値を付けてお金を落としてもらうために必要なことは何か?であったり、集積型のまちづくりについて、実践者から多くを学ぶことができ、完全に教育投資になった実感があります。
これも、当然お金を使わなければその分、年間の黒字幅も大きくはなっていたでしょうが、銀行預金上の残高が多少増えることよりも、noteでもご紹介しているような体験が「人生で一番若い今」である現在できていることの方が、何百倍も価値があると考えています。
独身時代の赤字分析との比較
改めて赤字の内容を冷静に振り返ってみたことで、同じ赤字であれ、独身時代の赤字と今の赤字では、全く意味が変わっていることに気付きました。
独身時代の赤字は、当然収入も今より少なかったというのもありますが、無駄にスーパーでハーゲンダッツを大量買いしたり、飲み会に行って終電がなくなってタクシー帰り、みたいなことが本当に多かったです。
また、マネーリテラシーも低かったですから、お金の管理はほぼ銀行預金で、投資信託などに分散投資もなし。「お金がお金を生む」みたいな仕掛けも持てていませんでした。
結婚が理由で全てが変わった、というわけではないですが、二馬力になり世帯収入は上がったことと、生活コストもある程度統合されたことは大きいです。
子どもが生まれたことで生活リズムが「早寝早起き」に変わり飲み会や残業の時間そのものが減ったこと、子どもがついて来てくれるうちに思い出をということで、旅への投資が増え、ここ数年で「消費」から「投資」になるお金の使い方が増えました。
家計経営戦略が見えてくる
今回の振り返りをした上で妻とも会話してみましたが、やはり今は小さな子どもたちが今後必要になるであろうお金をどれだけ準備しておけるか、目論見を持ったうえで、年間の投資額の目安を定めておくことが重要だと感じています。
私の場合、今年と同じくらいの使い方でこの先15年間を貸借対照表の内部留保として確保できれば、先々必要な子どもの教育資金に充当できるかなと。
逆に言えば、今年使ったくらいが、今の収入を前提にすれば、将来必要なお金を確保しつつ投資に回せる目安にできることが分かったので、改めて整理することで基準が理解できたのは大きかったです。
例えば、車の購入をどうしようか?というのが直近の我が家の意思決定項目です。闇雲に「あったほうが便利だから買えばいい」という話ではなく、購入すると決めた場合、そこで必要なお金を捻出するために短期では海外旅行を車での国内旅行に転換するとか、中長期では社内で昇進するか別の収入源を作り、売上高自体を大きくする戦略を取ることが必要ということです。
「個人損益計算書」を定期的に振り返ることは、家計経営戦略に沿った実行管理そのものになるので、今後も定期的にやっていきたいと思います。