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#394 サッカー部キャプテン経験から今に繋がるメンタルタフネス

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

今日は、現在の自分のメンタルタフネスがどのように学生時代に構築されたか、原体験を振り返ってみたいと思います。

私の場合、中学校〜高校の途中までサッカー部に所属していて、中学の時はキャプテンを務める中で形成されたマインドセットがあります。

木下斉さんのVoicy解説によると、メンタルタフネスを構築する5つのキーワードが存在します。①規律、②反復学習、③失敗経験、④チームワーク、⑤目標意識です。
体育会系は就職に強いというのは、今も昔も変わってこなかったところで、私のイメージにある「体育会系」=「大学でアメフトやラグビーやってました」という感じです。
私はそこまでガッツリではないものの、自分のメンタルや考え方の基礎にあたる部分に、中高でのサッカー部の経験は少なからず存在しているのは事実です。

自称「豆腐メンタル」ですが、東南アジアの仕事で日々何が起こるか分からない中で、社内でもかなり厳しいことで有名な上司の下で仕事を10年弱続けられたことは、「自分でもよくやれたな」と振り返っています。

① 規律

体育会系あるあるの先輩・後輩関係の序列の中で自然と身に付きました。体育会系でなくても、「1年生はこうするもの」、「2年生はこうするもの」・・・みたいな暗黙知化されたルールというのは一定存在すると思います。

「規律」というと、「正しいから従うべきもの」みたいに考えがちですが、「集団の秩序を維持する決まり」ということで、必ずしも正しさが保証されているわけではありません。
むしろ「正しさ」なんて、外部環境や立場、時間軸の中で起こる価値観の変化によって変わる変動的なものですから、「絶対的に正しいもの」なんてそもそもありません。
そのため、何事も一定の理不尽さが伴いますが、この「理不尽を理不尽なもののまま受け入れる」という能力が大切で、今の会社におけるマネジメント業務にも活かされています。

1年生はボール拾い、トンボ掛け(練習後に地面を平らにする作業)、水道水を飲んでいても上級生が来たら場所を譲る、とか、どう考えてもそこに絶対的な合理性を説明できる人はいません。何なら成果主義を軸に置くのであれば、学年関係なく試合にレギュラーで出ている人は雑用はせず、水も先に飲める、みたいな考え方になりそうですが、やはりそれでは「組織としての秩序を維持するのが難しい」という判断で学年という誰でも分かりやすい基準により、雑用担当などが決まっているのでしょう。

大事なのは、この「年功序列的なシステム」そのものを肯定するか否かという議論ではなく、「組織を維持するための規律」というのが世の中には一定存在するという理解だと考えます。そのように捉えると、「年功序列と成果主義のどちらが良いか?」みたいなメリデメを考える発想ではなく、「組織の形を維持しながら、組織の成果を最大化するための評価制度は?」みたいな問いに変わり、より本質的な議論が生まれます。表面的な理不尽に対して過度に反応せずに、理不尽への向き合い方を考えるメンタリティが構築できたのでは?と考えています。

② 反復学習

私が中学2年生の時、上級生にとって最後の大会で、私の学校は県内最下位になってしまったんですね。県内最弱と言われていた学校に負けて、私がキャプテンとしてサッカー部を引き継ぐ時には、「県内最弱校」というレッテルを一緒に引き継ぎました

最後の試合で見えた課題は何と言っても「体力不足」で、最後はみんなの足が止まり、私も足がつってPK戦で蹴れないくらいでした。
そこで2日に1度、練習前に「3Kmマラソン」を取り入れて、ひたすら体力強化をするところから始めました。練習メニューも、基本的なトラップやキックの練習時間に制限を付けたりしてメリハリを付けるようにしました。

当然練習の負荷は上がり自分たちも辛かったのですが、わずか三ヶ月ほどで試合の中で最後まで走り切れる試合が増えて来たんですね。そこから練習試合などで多少勝てる試合も出てきて、冬のフットサル大会では入賞できるくらいになりました。

私は、頭の回転も遅く、人一倍努力しないと何もできない凡人ですが、現在もランニングやnote毎日執筆のような「小さなことを積み重ねる」ことは全く苦になりません。とにかく反復すると、何も考えなくても体が動く、みたいな実体験が今の自分に繋がっています。

③ 失敗の経験

キャプテンを引き継ぐ時に「県内最弱校」のレッテルを貼られたことですね。レッテルそのものと言うより、2年生として最後の試合に参加していて、途中で足が動かなくなった自分自身が何より悔しかったのを覚えています。

失敗の主要因は明らかで、単純に走り込みが足りなかったことであり、そこから自主的に近くの山でランニングしたりしました。

コーチも変わり私も新キャプテンとして練習メニューを変えたりして、その1年後には地区大会を勝ち抜いて、県大会出場の切符を勝ち取ることになるのですが、わずか1年間という期間でもチームの実力はここまで変わるのかという実体験は、間違いなく今でも生きている「手触り感のある実体験」です。

「人は失敗からしか学べない」ということも当時中学生ながら感じ取って、その後大学受験の前期試験で不合格になったり、仕事を始めてからも日々失敗ばかりですが、「むしろ失敗こそチャンス!」と自然に感じられるようになりました。

④ チームワーク

サッカーという競技そのもので培われました。他のスポーツも同じですが、大事なのは「全体俯瞰」。いかに足元のボールを見ないでドリブルし、視線を上げ、首を横に振って、誰がどこにいるかを把握する、ですね。

仕事を始めてからも「自分の仲間が今は何をしているのか?」を気にする癖が付いたように思います。

私はフォワードのポジションでしたが、当然自分一人で点を取ることなどできません。自分は足元が器用ではなく「50m走を5秒台で走れる」という一点集中の得意技だけで点を取るタイプでした。

当時の「自分一人で点なんて取れるわけがない」という考え方が、「そもそも個人でできることなんて限られている」という現在の管理職としてのマインドセットに繋がっています。

⑤ 目標意識

上述した3Kmマラソンのエピソードです。
2日に1回、3Kmマラソンをしていると、当然ながら毎回右肩上がりにタイムが短くなっていくなんてことはありません。

大事なのは、投資の運用実績なんかと同じで、短期でタイムが上がった・下がったということよりも、中長期で体力がついて平均値としてタイムが短くなっているかどうかです。

そこで大事な目標設定の仕方は、目標をレンジ(範囲)で設定するということ。
つまり、「前回のタイムを上回ること」ではなく、毎回「3Kmを11分30秒〜12分00秒の間で走り切ること」と設定し、徐々にそのレンジを「11分15秒〜11分45秒」というようにストレスレベルを上げていくことです。
このような目標設定の仕方も、今振り返ればこの時に定着した考え方でした。

まとめ:メンタルタフネスは、受容力

改めて理解したのは、「メンタルタフネス」とは「心が折れない強い心を持つこと」というのではなく、「ストレスがある状態をそのまま受け入れて、変に心をかき乱されないこと」ということです。

理不尽に直面しても、まずは冷静に「何故相手はこんな理不尽なことが言えるのか?」と分析する。立場がそうしている?何か昔に酷い目にあった?など冷静に考えてみて、その上で「自分にできること」と「できないこと」を仕分けてできることだけに集中する。

最初は出来なくても反復すればできることがあるし、失敗してもやり方変えれば結果がまるで変わるのを身をもって知っているというのが大きい。
いかに実体験や擬似体験を通じて、取りうる選択肢を多く持てるか、ということです。

自分は「走るのが速くなったらモテるかも?」という不純な動機でサッカー部に入りましたが笑、チーム競技が持つ人生における効用はなかなか大きいことを再認識しました。

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林 裕也@IT企業管理職 ×「グローバル・情報・探究」
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