パスタで感じる自分の進歩
僕は、パスタをよく作る。それにまつわる話は何度かしているとは思うけれど、そのパスタ作りで僕は、前よりも成長を感じることがある。
それは、パスタの麺の茹で時間を計らなくても、良い感じの麺が茹でられるようになったことだ。
パスタというのは、太さによって、茹で時間が変わる。太ければ、茹で時間もその分長くなるし、細ければ茹で時間は短くなる。この辺はシンプルな話だと思う。
で、大体市販されているものなら、そのパッケージに茹で時間の目安が書かれている。僕は、以前まではその時間に従って、タイマーをセットしたり、ちょうどいい時間の音楽を流したりして、時間を測っていた。
ただ、パスタの麺に対して意識を向けるようになると、そうやって時間を計らなくても良くなった。
というのも、麺の茹で具合を、実際に食べてみて確かめるようになったのだ。
どうやるのかというと、茹で始めて少し経ったら、菜箸で1本だけ鍋の中からパスタを取り出して、とりあえず食べてみる。
全然硬いなってなったら、もう暫く待ち、もう一度1本だけ取り出して、麺の具合を確認する。
反対に、だいぶ柔らかいとなったら、その時点である程度の茹で時間の目星をつける。
そうして、自分にとってちょうど良いタイミングであげるのだ。僕は硬めが好きだから、僕の場合はほどよい硬さだなとわかった時にあげる。
ただ最近は、それだと時たまうまくいかないことにも気づいた。麺を具とあえる時に、もし麺の相手が温かい具だと、そこから火が通って、麺が少し柔らかくなってしまうことを知ったのだ。
だから、「ここ!」というタイミングの少し前にあげるようにしている。すると、ちょうど良いのだ。
茹で時間に力を入れ始めてから、母から「麺が美味いね」と言われたこともある。その時には、茹で具合もその評価に1枚噛んでいるはずだと思った。
もちろん、麺自体の良さもあるけれど、同じパスタでも茹で具合によって、柔らかくなったり硬くなったりと、性質を変えることを考えると、茹で時間の要素は大きいのではないかと思っている。
麺を茹でる時にタイマーがいらないというのは、地味な進歩だけれど、
こういう何か同じものを作り続けたことによる成果があるのは、なんだか嬉しいものだなと思う。