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今週の【情報通信をとりまく】気になるニュースまとめ

SNSは個人情報の問題や詐欺広告などの問題も指摘されますが、使い方次第では分断を乗り越える力にもなるなど、社会を良くする視点もありそうです。また「アイドルテック」という新たな潮流に関する記事も興味深いものでした。

①肩書きが多彩な人に学ぶ

「副業」は本業の片手間でやるものではないー複業家を名乗る男性の話が素敵でした。

-千葉県印西市に住む中村龍太さん(60)の肩書は多彩だ。ソフトウエア開発のサイボウズ執行役員、フリースクールを運営する一般社団法人理事、自身が立ち上げた会社の代表。自宅近くの畑でニンジンを栽培する農家でもある
-本業の傍らで行う「副業」ではなく、全ての仕事が対等で、同じ熱量で取り組む「複業」と考える

②SNSで社会は良くなる?

テクノロジーを使って社会をよくすることが可能だと主張している米経済学者のグレン・ワイル氏の記事。意見対立の「エネルギー」を何に使うかがポイントだと言います。

-利用者は現在、X(旧ツイッター)などで争っているが、これは『エネルギー』にほかならない。そのエネルギーを問題解決に仕向ける必要がある
-意見の違いを隠すのではなく、目に見える形にして(立法に)参画させること。従来、エネルギーは最終的にSNSの運営事業者が広告で稼ぐために使われていたが、巧みではるかに生産的な仕組みだ

③メタが向く方向は…

メタ幹部はレコメンド精度改善により、訪問者が増えることを広告主企業にアピールする

-我々は広告システム全体、サービス全体にわたってAIや機械学習に大きな投資をして、広告主のビジネスを支援することを目指してきた。例えば、Instagramについて言えば、ユーザーが見るコンテンツの50%は、AIのレコメンデーションによるものとなっている。そうした技術により、プラットフォームの訪問者は前年比で7%増加している

④アイドルテック時代の到来

アイドル事務所が大量の「技術者」を採用する時代に。アイドルテックの波が到来。

-MEET48の実態はいわゆる芸能事務所とは大きく異なる。200人のアイドルのフェイシャルデータを取り込んで、様々なデータ・画像・動画を労働集約的ではなく技術集約的に生み出していく
-マネジャーがいてタレントを管理するといった芸能事務所ではない。500人規模の技術開発チームからなる「アイドルテック事務所」ともいうべき存在だ。アニメ・ゲーム・芸能・興行がセットになったような会社だといえる。すでに200万人の登録ウォレットと5万人のアクティブユーザーを管理

⑤X停止で国内が分断。あれ?

SNSは分断を助長するのか、それともー?ブラジルの混乱を見ていると、実態がよくわからなくなります。

-モラエス氏のこうした手法への国内の評価は割れている。右派からは表現の自由を壊すとして厳しく批判されており、Xの停止は国内で広がる政治的な分断を深めている

⑥こうしてNetflixは危機を脱した

危機に直面した時、ぼうぜんと立ち尽くすのではなく実行力を発揮できるか否か。Netflixの逞しさに学ぶものは多いです。

-22年4月19日、ぼうぜんとする投資家たちを前に、ネットフリックス創業者のリード・ヘイスティングス氏は巻き返しに向けた取り組みを次々と説明し始めた
-一部の投資家からは、「下手な鉄砲でも数撃ちゃ当たる」やり方とも受け止められた
-しかし、ハリウッドの保守派が待ち望んでいた悪い結末とはならなかった。それどころか、ネットフリックスがリードを広げる戦略転換の始まりとなった

⑦テレビを凌駕する運用型広告とは

日本の広告の「顔」となっているインターネットの運用型広告。いたちごっこが続いています。

-コストパフォーマンスが高く、幅広く配信できるメリットがあるからこそ普及してきたわけだが、どの媒体にどんな広告が出ているかをチェックしきれないという構造的な問題がある
-広告主が知らないところで違法サイトに掲載されるなど、ブランドイメージを毀損しかねない体験を消費者に与えてしまうおそれ
-「日本の広告費」(電通、23年)によれば、広告費総額7兆1021億円のうち、最大の割合を占めるのは運用型広告である。その額は2兆1189億円となっており、「テレビメディア(地上波テレビと衛星メディア関連)」の約1.8兆円を凌駕

⑧SNSは静かに貪欲に…個人情報を収集

米連邦取引委員会(FTC)による調査で、facebookやTikTok、Xなど SNS企業は、利用者ではないユーザーの個人情報さえも集めていたと。

-報告書によると、調査対象企業の大半はユーザーの年齢や性別、使用言語などの個人情報を収集。さらには学歴や収入、結婚歴の情報まで取得したり、個人データを集めて転売するデータ販売会社を通じてサービス利用者ではない個人のデータまで収集したりする場合もあった
-多くのSNSアプリで10代の利用者は大人と同じように扱われ、大人と同じデータ収集の対象となっていた

⑨AI「幻滅の谷」の向こうにある風景は?

AI業界にいずれ必ずやってくる「幻滅の谷」。その先の世界をいかにリアルにイメージできるか

-多くの場合、実際に収益化するには時間がかかる。期待が膨らみすぎればときに失望へ変わる。「幻滅の谷」とも呼ばれる局面だ。そして実際の技術の普及は株価の調整後にやってくる
-幻滅の谷の向こうにある風景をにらんで動き始めているマネーがある。エヌビディアに目を奪われ、一喜一憂する相場とは異なる動きを意識しておいた方がいい

⑩言語学からみた「釣り見出し」分析が最高

言語学者によるネット上の釣り見出し分析。面白いです。

-ネットニュースで見かける紛らわしい「釣り見出し」もコント仕立てで分析
-「人気アイドルBを恐喝の疑いで書類送検」――。加害者が誰か誤解を招き、目的語の係り先も曖昧だ
-「意図的としか思えない『釣り』もある」

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