ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングとマーケティングについて。
関わる人たちがそれぞれ持論があるかと思いますが、僕は次のように考えています。
視点が違うよ
まずブランディングとマーケティングの違いは、スタートする視点の違いがあります。
ブランディングは、自分たちの大切だと考えることを外に出していくこと。
マーケティングは、他の人から見た視点で考えること。
ブランディングって、会社の哲学
ブランディング。
これはその会社の思想や哲学のこと。
ミッション、ビジョン、バリューを考え、浸透させていくこともブランディングと言えると思います。
一人称で考えます。
ブランディングに、ターゲット必要ないの?
強烈な印象を与えるほど本当に強いブランドは、哲学や思想にターゲット設定してないと思います。
例えばパタゴニア。
知ってます?
パタゴニアのホームページを開くと、
「地球が私たちの唯一の株主」
って、書いてあるんですよ!!
これ、お客さんのニーズを調査して出てくる言葉じゃないと思うんですよね。
「30代男性、年収500万〜1000万ぐらいで、妻と子どもがいて、月に1度週末にキャンプに行く客層が、環境問題に意識が高く、地球が唯一の株主にするニーズが高まっている………」
なんてことを考えてる訳ないだろ!って思うんですよ。
でも「地球が私たちの唯一の株主」って聞いちゃうと、「やべ〜かっこいい〜〜」って思っちゃうんですよね。
これって、ものすごい強力なブランディングじゃないでしょうか?
ブランディングは、ただロゴをつくることじゃありません。
パタゴニアのロゴがかっこいいと思うのは、「地球が私たちの唯一の株主」っていう思想がかっこいいと思うんです。
その思想や哲学をつくることが大切です。
マーケティングの目的は、「セールスしなくても売れること」
マーケティングは、売り方の仕組みをつくること。
ブランディングと違って、他の人の目線から考えて、その人が何が欲しいか、タイミングはどうかなどを考える、コミュニケーションをつくっていくことが大切です。
ブランディングとマーケティングの間に、「マーケティング的ブランディング」があります
価値を伝えても、そもそも欲しいと思える価値がなかったらどうでしょうか?
欲しいと思ってもらえる価値をつくることが、マーケティング的ブランディングといえます。
つまり、他の人の視点から考えたブランディングです。
ドラッカーは言っています。
「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」
これを実現させるのが、マーケティング的ブランディング。
iPhone買いに行くとき、お店の人に薦められたから買うってないよね
例えばiPhoneを買いに行くとしましょう。
多分その時は、「スマホ欲しいな〜」って考えて、店員さんに相談して、Androidの何機種とiPhone、どっちがいいかなんて比較すること、ほとんどないと思います。
iPhoneを買いに行くんです。
理由は、なんでしょうか?
デザインがいいとか、使いやすいとか、いろいろ理由はあるかもしれませんが、
理由は「iPhoneがいい」からだと思います。
多分、「なんとなく」なんです。
でも、Appleは「お客さんが何が欲しいか?」「どんな体験をしたいのか?」ということを突き詰めて考えて開発されています。
そしてそれを、大量のコマーシャルや、記事で発信しています。
その時に「美しい!」とか「うぉ〜かっけー!」ってなるのは、Appleが大切にしているシンプルさや美しさの哲学に、お客さんが共感するからです。
つまりマーケティング的ブランディングは、
自社の哲学や信念(ブランディング)を、売れる仕組みをつくるために、自分目線から他人目線で置き換えて価値をつくっていくことだと言えると思います。
僕たちのブランディング・マーケティング方法
だからアローでは、
ブランディング:自分たちの信念や哲学を掘り下げる
↓
マーケティング的ブランディング:信念や哲学に基づき、他の人が共感できる価値を見極めたり、つくっていく
↓
マーケティング:その価値をつたえていく仕組みをつくる。
そして実行する。
という流れで考えつくっています。
次回は、ブランディングを通じて、哲学や思想を見える化することが、なぜ大切かについて考えます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?