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文房具屋のおっちゃん
こんばんは。
先日のこと。
少しマニアックな画材が欲しくて、行動範囲の中にある文具店をハシゴしました。
あまり需要がないのか、一般的な文房具を扱うお店では、なかなか見つからない。
都内まで足を伸ばせば専門店もあるから、日を改めて探そうかなと思いながら歩いていると、ふと1軒の文房具店が目に留まる。
如何にも昔ながらのお店というか、間違いなくチェーン店ではない印象の店。
普段からそのお店の前を通ってはいたが、そこが文房具屋だと気付いたのはその時が初めてだった。
(ここならもしかすると売ってるかも)
と思い、まあ駄目で元々だと店の敷居をまたぐ。
店内には、所狭しと棚が並び、びっしりと文房具やらが詰まっている。
いいぞいいぞ。
何分か店内をウロウロしたとこで、店主であろうおっちゃんと目が合う。
(何探してるの?)
と目で言うおっちゃん。
意を決して、
「〇〇が欲しいんですけど。」
とおっちゃんに伝える私。
するとおっちゃんは、
「ソレならここに行くと良いよ。」
と、手馴れた手つきでコピー済みの近所の地図を取り出し、近所にある画材専門店の場所を教えてくれる。
そして、その地図に目印を付け私にくれる。
「あ、良いんですか?ありがとうございます。」
と、ぎごちなくお礼を言い、お店を出る私。
おっちゃんと目が合ってから店を出るまで、30秒掛かったろうか。
その後、教えて貰った画材屋さんを訪ねると、目当ての品はすんなりと手に入った。
何件もお店をハシゴしたのが嘘みたいだ。
帰り道。
あのおっちゃんは、別に何の得もしないのに、お店の場所教えてくれたんだよなーと想う。
私の住んでる街は美術大学が近いので、恐らくあのお店では同じような客が度々来ているのだろう。
それであのおっちゃんは、地図をコピーして用意していたのだろう。
都度同じような説明をしているのだろう。
当たり前のような行動だけど、なかなか出来ない行動。
特に、どんどん実力主義になってきている時代では、なかなか触れることが出来ない感触。
おっちゃんの店で買えそうな物は、今度からおっちゃんの店で買うよ。
と心に誓うのでした。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。