『愛なのに』を観た。

鑑賞記録ROCK YOU Vol.6

監督:城定秀夫
脚本:今泉力哉
出演:瀬戸康史、さとうほなみ、河合優実、中島歩

佇まいの古さや匂いがある感じ、
ほのあたたかさで境界がない空気の中
必要最小限の世界で感情がストレートに交う。
然し何故あんなにまっすぐに発した気持ちに、
ああも面白く受け止める人物たちなのだ。

好きとは、愛とはなんなんか、
真剣に考えてみたときに
見えてなかったり有耶無耶にしてた自分が見えてきたりする。
何が足りないのか。
何で満ちたいのか。
自分が満たされたいのかひとを満たしたいのか。
体なのか心なのか。
人と人が気持ちに向き合ったときに、
触れ合ったときに、
生まれる感情で明確になる矢印とか
何がよりどころとなるのかの謎が解けるような瞬間があった。
他人と何かを共有していても
視てるとこや感じるところはちがうし
其れで結論も変わってくる。
だから人と人はちがうのだし、
いっしょを探すのは困難で楽しい。

最初は煩わしく解せなくとも
其れで見えてきたり草が生えたり
もぞもぞしてきた其れが何なのかがわかってきたりする。
視界が広がる感。
好きな人の興味があるものを知りたい、
どうしてそう思うのかを解りたい、
そうやって人と出会って今までとちがうところに
自分を連れてってみたりしないと
じっとしてても生まれないんだなと。
だめだと思っても
どうなるかはわからない。
人間だし。
人間と人間だし。

そんなことを思った。

ハンカチを奪って洗いに行くところは笑ったし、
気持ち悪いと繰り返す母親は気持ち悪かった。
オセロは和むし、
2度目で同時だったとき通じたと思ったのに
全く違う方向を向いていたバス停ではため息が出た。
なんしか、面白い作品でした。


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