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年下君がまたうちに泊まりに来たけど色々ぶっちゃけられすぎた話(前編)

休日を迎え、約束通り年下君と年下女子ちゃんと映画を観に行った。

年下女子ちゃんの到着が遅れるというので、とりあえず先に年下君と合流。

チケットを発券して「どこにいる?」とLINEするも返事がなく、そのへんを探そうと歩き出したら無言でぴたりと横について一緒に歩いてくる変な人がいたので「え、何?」といぶかしがったらそれが年下君でした。

「もおおおお!着いてるなら言えよー!」
と声を上げたら笑っていた。

3週間ぶりに会った年下君は、肌艶も以前より回復しているようだった。笑顔も増えたし、多分調子は良いのだろう。

「全然元気ですよ」!と満面の笑みを見せてくれる年下君。

「あー年下君がいるなあ…」と思った。
ちゃんと目の前にいることに感動すら覚える。

頭では「もうそこまで一生懸命合わなくていいかも」と思っていたが、再会したらかなり嬉しくなったので、実は私めちゃくちゃ年下君に会いたかったようだ。

そのうち年下女子ちゃんもやってきて、みんなで揃って映画を観た。

あまりにも面白くて終わった後駅までずーーーっと映画の話をしながら歩いたけれども、本当にこういうとき趣味の合う友達がいてよかったなとしみじみ思う。

そのまま私の最寄駅へ向かった。

到着したら駅前でちょっとしたおしゃれイベント的なことをやっていたので、ざっと流す。

露店でかき氷屋さんが出ているのを見つけた年下君が「食べたい!」というので、ひとつ買ってあげた。

みんなでひとつのかき氷をつついて秒で平らげる。

もう9月も中盤だけれども、どこか夏を実感した。

3人揃うと「夏っぽいことしたいね」が口癖だったので、これはこれで、ぽいことができたような気がする。

その夜は「餃子パーティしよう!」と以前から話していたのに、かき氷を平らげたら全員なんだかめんどくさくなってしまい、「とりあえず食べたいものスーパーで買って酒盛り」することに決定。

肉やら魚やら酒やらを大量に買い込んで家に向かう。

我が家に到着したら、出がけにバタついてしまってヘアアイロンやら化粧品やらが散らかっていたのを思い出して慌てふためく家主。

「おいおい部屋ぐらい片付けておけよ!」
と楽しそうな年下君のヤジが飛ぶ。

そうだみんなが手を洗うから洗面所のタオルも新しくしなければ…
とそこでもバタバタしていたら

「おいおいタオルも変えておけよ!」
とさらに年下君のヤジが飛ぶ。

まだシラフなのに完全にテンションが上がっている。

年下、お前いい根性してるな…!

そんなくだらないやりとりをしながら宅飲みかスタート。

本格的なお食事前に、と事前に仕込んで置いた味付け玉子(前回とは味を変えてみた)、トマトとアボカドのサラダ、キュウリの浅漬け的なものをお出しする。

みんなでスーパーに行ったらアホみたいに肉を買ってきてしまったので、さっぱりおつまみにしておいて正解だったと思う。

ふたりとも「うまいうまい」言いながら全部食べてくれたので大いに感動した。

年下女子ちゃんはいつも優しいので、細かく味の感想をくれるし、年下君は「うーま!」とだけ発して普通に完食してくれるので、どちらも嬉しい。

嬉しすぎたので、また遊びに来てくれたら絶対何かおつまみこさえて食べてもらおうと決意を新たにした。

そのあとは、ホットプレートで何かしら焼いて食べ続けるシンプルながら楽しいお食事会が続いた。

お酒も進んで夜も深まってくると、
「最近年下君、どうなの?」
みたいな話題に切り替わってきて。

合コンに行った話も噂で聞いていたけれど、正直そんなものは全然かわいいほう(?)で、たまにアプリで女の子と遊んでいることを、本人の口から聞かされることになった。

しかも毎回、割と女の子のほうから気に入られてしまうという。

わかる。

年下君は見た目が華やかだし、世間的に見ても普通にイケメンの部類だし、清潔感もあるし人懐っこいので間違いなくモテるのだ。

ただチャラついていないだけで、この子は普通に女の子ウケがいいはずなのだ。

最初こそ、年下女子ちゃんもいることだし、オブラートに包んだりごまかしたりしながら話していた年下君だったが、最終的に「最近も知り合ったばかりの女の子と"仲良く"した」話を披露してくれるまでになった。

そこに恋愛感情はないし、ましてや彼女でもないし、たまたまそういう出来事がありましたよ、という話しぶりだった。

もう少しショックを受けるかと思ったけれども、「まあ、年下君も男の子だもんなあ」と結構受け入れられた。

多分「彼女ができた」と聞かされるほうがよっぽどショックだったと思う。

結局好奇心が勝ってしまい、「ちょっと、その話もっとくわしく!」と根掘り葉掘り聞いてしまったのであった。

年下君、以前は私にだけはそういう話をちょこちょこしてくれて、年下女子ちゃんがいると絶対そういうことは言わなかったのに、どうやら「この3人なら隠し事無し!」みたいなモードに切り替わったらしい。

それに関してはちょっとだけ嬉しい、正直。

友情は確実に深まっている。

そのあと年下女子ちゃんが疲れて途中で寝てしまい、私と年下君ふたりで喋り続ける時間があったけれども、私も酔っていてあんまり覚えていない。

明け方に年下女子ちゃんが一瞬起きたので、映画を再生しながらみんなでツッコミながら見る時間もあったけれども、そのうち力尽きて「もういい加減に寝よう」と消灯した。

外は完全に明るくなっていたけれども。

年下君が寝る前に、外の喫煙所にタバコを吸いに出る。
(私は非喫煙者だし、うちは完全タバコNG住居なので外で吸うしかない)

表のオートロックを解除してあげないと建物に入れないので、帰ってくる頃年下君からLINEで「あけてー」とメッセージが届く。

うっかり目を離したすきにたくさんLINEが届いていて、画面は瞬く間に

「あけてー」
「あけてけろー」
「けろけろー」
「けろーーー」

というカエルの悲痛な叫びで満たされた。

年下君は基本私には敬語なのだが、ふざけたり酔ったりしたとにタメ口をきいてくる。
それが肉声でもテキストでも私はものっすごく嬉しいのだ。

ニヤニヤを抑えながら「ごめんごめん」とロックを解除して年下君を家に迎える。

「おかえりー」をスルーしてベッドに倒れ込む年下君。

年下女子ちゃんは気遣いの子なので、先に寝落ちしてしまったものの座椅子をフラットにして寝ることで、私にベッドを使わせてくれようとしたことがうかがえた。

しかし年下君は、私のベッドを我が物顔で占拠している。

お前もはや遠慮がないな!

確かに前回来た時「ベッドで寝ていいよ」とは言ったけれども!

でも、そういうところが可愛くて仕方ない。

可愛いねえ年下君。

のぞきこんだら速攻で寝息を立てており、びっくりするほど綺麗な寝顔を晒している。

家主は「しょうがないなー」とニヤつきながらクッションを枕に床で寝たのであった。

そして数時間後、昼前に起きてしまう家主。

いそいそとシャワーを浴びて出て、ドライヤーを起動したらその音でふたりが起きた。

年下女子ちゃんはすぐシャワーに行ったが、年下君はまたすぐ眠りに落ちた。

よく寝る子だな…と思ったけれども、私と年下君は明け方まで喋っていたので仮眠程度しかとれていなのだった。

私が眠らなさすぎるんだな…

さて、事前に「泊まった次の日は今度こそみんなで昼間から出かけるよ!」と意気込んでいたものの、すでに時刻はお昼。

とにかく眠りたい年下君だったが、このあと年下君が時間をかけて覚醒していき、最終的に昨晩以上に色々とぶっちゃけてくれることとなる─。




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