4歳の乙女心とクリスマスツリー
「ねぇ〜クリスマスツリーだしたいよぉ〜!」
朝から叫ぶ娘の声にお尻をたたかれ、
きのう、クローゼットからツリーをひっぱりだした。
まいとし、世の「クリスマスシーズン」と、我が家の「クリスマスシーズン」にはだいぶ時差がある。
12月も始まる前からキラキラと輝き始める街中にいつもおいつけず、我が家がツリーを出すのはクリスマス5日前であった。
12月20日頃になってようやく、
「クリスマスツリーを出さなければ、クリスマスがおわってしまう!」とモーレツに焦りだし、
かけ込むように、ツリーを出すというのが、情けないが毎年恒例のパターンになりつつあった。
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今年になって、その習慣を変えたのは4歳の娘である。
上の兄2人と違うところは、キラキラしたものや美しいもの、可愛いものにいち早く反応する「乙女心」を4歳ながらにとてもつよく持っているというところ。
街のイルミネーションや、クリスマスの煌びやかな雰囲気にいち早く気づいた娘は、
「ねぇ。おうちにもクリスマスツリーはあるの?」
「なんでださないの?なんで?なんで?」
と母ののろまさをキツツキのように突いて来る。
鋭い。女子は鋭いのである。
2人のむすこたち、そして夫は、クリスマスツリーがリビングにあるかないかなんて、たぶんあまり関心がない。
どちらかというと、ボールを投げてクリスマスツリーを倒し、母に怒られるというパターンである。彼らにとって、ツリーはもはや障害物化している。
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そんな男子の割合が多めだった我が家に娘が生まれた4年前から、殺風景だったリビングにはピンクや薄紫など、娘の色とりどりのおもちゃが置かれ、日常の色彩が鮮やかに変わった。
今回のクリスマスツリーにも
「かざりがすくないから かいたす?」
といっちょまえな口調でスッカスカのツリーに気付き、来週飾り付けを買いに行くという約束もした。
そんな生活の細やかなところに目を向ける女子が誕生したことに嬉しく思うとともに、
どちらかというと女子力が低く、細やかさに欠けている私は、将来イロイロ言われるのかなァ〜
などと今から余計な心配もしていたりする。
さて、今年はいつもより長めのクリスマスシーズンを楽しむとしよう。