書くのが苦手だけど書かなきゃいけない人のための「マインドマップ執筆術」
仕事で「記事を書いてくれ」って頼まれたんだけど、昔から作文とか苦手なんだよなぁ
…という方に、書くことを楽にするためのヒントをご紹介します。
今回ご紹介するのは、無料かつインストール不要で使えるマインドマップツール「MindMeister」を使った方法です。
この方法は「ライティングが本職ではない方」や「通常業務の中で『記事を書く』頻度が少ない方」向けです。
※手っ取り早くヒントだけ知りたいよ、という方は以下の目次から2. へジャンプしてご覧ください。
1. この記事を書こうと思った背景
Who? (この記事を書いているのは誰?)
こんにちは、藤森ユウワと申します。
ベンチャー企業でインハウスライターとして働きながら、兼業で、個人事業でもライターとして活動しています。
今でこそ「職業はライター」と名乗っていますが、キャリアの出発は営業職で、社会人になってから10年近くを営業マンとして過ごしてきました。
ですので、かつては私も
…と思う方の立場でした。
Why? (なぜこの記事を書こうと思った?)
そもそものきっかけは、お客様から立て続けに「書かなきゃいけないんだけど、書くことが苦手だ」という話を聞いたからです。
私がライターとしてお仕事させていただき、いろんな企業様の情報発信をお手伝いするなかで、以下のようなことを感じていました。
この数年、企業活動として情報発信が大切だと言われるようになっており、企業公式のブログやnote、SNSなどで“書く”ことの需要はどんどん高まっています。
一方で、お客様やWebメディア関係者に伺うと「書ける人がなかなかいない」という話もよく聞きます。
クラウドソーシングなどで探せばライターは見つかりますが、特にBtoBにおいては「そのビジネスに関する知識や経験」が一定以上ないと、意味のある記事はなかなか書けません。つまり、専門知識がある書き手が足りていないのです。
私はキャリアの出自が「書くことの専門家」ではありません。でも、そんな私が書くために工夫していることを紹介すれば、書くことが苦手な人により近い立場で、何かヒントをご提供できるのではないかと考えて、筆を取らせていただきました。
2. マインドマップを使った執筆術
では、ここから具体的な方法をご紹介します。
まずやるべきは「何を書くか」の整理
「記事を書こう」とするときに、私がまずやっているのは、何を書くのか整理です。
逆に、これまで失敗経験から「これはやらない方が良いな」と思うのは、いきなりWordやGoogleドキュメントで文章を書き始めようとすること。実際、私は「真っ白なドキュメントを前にすると頭の中も真っ白になってしまい、筆が進まない」という経験を何度もしてきました。
では、なぜ整理から始めるのか。それは、頭の中にある知識や経験を外に出すことが文章を書く第一歩となるからです。
依頼者のことを想像してみましょう。私たちが会社の中で記事の執筆を依頼される場合、依頼者の望みは
…ということではないでしょうか。であるなら、難しく考えすぎず自分の頭の中に「すでに持っている」知識や経験をテキストとしてアウトプットすればOKなハズです。
もちろん、書き慣れていない人にとっては「自分の知識や経験を言語化すること」自体が難しいもの。
だから白紙のWordやGoogleドキュメントはそっと閉じて、まずは何を書くのかを整理し、頭の中にある知識や経験を外に出すことから始めた方がいいのです。
マインドマップで、書き出す・整理する・目次化する
整理を効率的に行うための方法が、今回ご紹介するマインドマップです。
マインドマップとは、キーワードを書き出して思考や情報を整理するための手法です。使用するのはMindMeisterという、オンラインのマインドマップツールです(なぜMindMeisterなのかは次の章で説明します)。
今回は、この記事を書くときに実際に使ったマインドマップを例に解説します。
—— STEP 1 ——
まずはマップの中心に今回の記事の“テーマ”を書きます。そこから、思いついたことを“連想ゲーム”のように枝分かれさせて書き出していきます。
手書き(アナログ)のマインドマップとは異なり、デジタルなマインドマップなら後からいくらでも並べ替えや修正ができるので、最初はとにかく、頭の中に思い浮かんだことをマインドマップへどんどん書き出すことがポイントです。
—— STEP 2 ——
次に、書き出したキーワードを移動させて整理します。
マインドマップを使うだけでも自然と関連する内容が整理されますので、ここではダブりがあるものをまとめたり、関連する項目を矢印でつなげたりするだけで十分です。
—— STEP 3 ——
最後に、書き出した内容を見ながら記事の目次を作ります。
目次は、記事にとっての骨組みのようなもの。骨組みがしっかりした建物は頑丈なように、目次がしっかりと整理されていれば、読みやすい記事を作ることができます。
ここまでやっておけば、記事を書くのがかなり楽になります。
このままマインドマップ上で目次に肉付けしていってもいいですし、マインドマップを見ながらWordやGoogleドキュメントで本文を書いてもいいです。
なぜMindMeisterがおすすめなのか?
いくつかのマインドマップツールを試した結果、もっとも使いやすかったのがMindMeisterでした。理由は以下の3点です。
理由① 日本語を書いていても苦にならない
マインドマップ・ツールは海外製のものが多いため、日本語を書いていると“引っかかり”を感じることがあります(全角文字で書き出すと反応が悪い、漢字変換を確定させようとEnterキーを押すと改行や決定されてしまう、など)。
ちょっとしたことなのですが、この“引っかかり”が地味にストレスになり、集中を妨げてしまいます。
MindMeisterも元はドイツ製のツールですが、日本語対応がしっかりしているのでストレスを感じません。
理由② 単機能なので書くことに集中できる
MindMeisterは基本的にマインドマップを書くことしかできませんが、そのおかげで、考えることに集中できます。
もっと多機能なツールはたくさんありますし、私もいろいろと試してみたのですが、シンプルにマインドマップしか書けない方が、むしろ、多機能なツールよりも集中できる感覚があります。
理由③ アウトライン化がボタン一発でできる
MindMeisterは、画面左下にあるボタンから、マインドマップとアウトラインをいつでも切り替えできます。これが記事を書くときにとても便利です。
マインドマップはアイデアの発想や整理には便利ですが、書いているうちに横方向へと広がりすぎてしまうことがあります。なので、マインドマップで書いた目次はちょっと見づらいのです。
アウトライン表示に切り替えることにより、横方向に広がってしまっていた情報が、一般的な文章と同じ縦方向に整理されます。こちらの見え方のほうが、記事への変換がしやすくなります。
3. 骨組みがしっかりした文章は読みやすい
私はライターとしてお客様の書いた文章を校正させていただくこともあるのですが、骨組みがしっかり整理されていれば、日本語表現が多少つたなかったとしても内容はちゃんと頭に入ってきます。
逆に日本語表現が巧みだったとしても、整理されていない文章は内容が頭に入ってこず、何回読んでも意味が分からないこともあります。
もちろん、文章の品質を決める要素として、表現力や語彙(ごい)力は大切です。
しかし「書くのが苦手だけど、仕事で書かねばならない」という人の場合は、表現に巧みさを気にするよりも、まず書く内容を整理し骨組みをしっかりと作ることに集中した方が、効果が大きいのではないかと思うのです。
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今回ご紹介したMindMeisterは、マップ3枚までは無料で使うことができます(使い終わったマップを消して書き直すようにすれば、ずっと無料で使えます)。
また、本国のWebサイト(mindmeister.com)ではなく国内ローカライズ版の公式サイト(mindmeister.jp)では、有料プランが初年度20%オフになるクーポンが配布されていますので、有料プランを使いたい方はチェックしてみてください。
マインドマップは記事の執筆に限らず、モヤモヤしてしまった頭の中を整理するのに本当に便利なツールだと思います。
以下の記事では、マインドマップを使ったタスクの整理法についてご紹介していますので、ぜひご覧ください。